小説『異世界旅行券が当たったのでISの世界行ってきます』
作者:読む短刀()

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第3話 出会いと決闘



修司Side
HRが終わって直ぐに隣の席の一夏が話し掛けてきた。
一夏「なあ、シュウ。何で遅れて来たんだ?」
修司「楯無の策略だ。」
一夏「また楯無さんに何かされたのか。」
この世界の一夏は、ドイツで出会ったことにより、簪、本音、楯無、虚さんと面識があり、一夏は楯無に何度かからかわれている。
???「ちょっといいか?」
修司「ん?」
一夏「箒?」
声がしたから振り向けば、そこには一夏のファースト幼馴染みがいた。
修司「知り合いか?」
一夏「ああ、幼馴染みだ。」
箒「篠ノ之箒(しののの ほうき)だ。」
修司「尾上修司だ。それで、何か用か?」
箒「ああ、少し一夏を借りていいか?」
修司「ああ、いいぞ。こんなので良ければ好きなだけ借りてくれ。」
一夏「お前らどっちも俺を物扱いしてないか?」
そんなことはない。多分。
箒「行くぞ!!」
一夏「わかったから、引っ張るなって。」
さて、俺は寝るか。この視線から逃げるために。





授業が始まり、隣の一夏は見るからに、顔色が悪い。それに気付いた山田先生が一夏に声をかける。
真耶「織斑君、何処かわからないとこはありませんか?あったら遠慮なく言って下さいね。なにせ私は先生だから。」
自信満々に言う山田先生を見て、一夏は覚悟を決めてあのセリフを言った。
一夏「先生!」
真耶「はい!」
一夏「全くわかりません!」
真耶「ま、全く…ですか?い、今!この段階でわからない場所がある人はいませんか!?尾上君は大丈夫ですか!?」
おいおい、一夏、お前がぶっちゃけたせいで、山田先生がテンパってるぞ。
修司「大丈夫です。俺はちゃんと予習して来ましたから。」
何だ、一夏。その「裏切り者!」見たいな目は。
千冬「織斑、入学前に渡した参考書はどうした?」
一夏「あの「必読」と書かれていたやつですか?」
千冬「そうだ。」
一夏「古い電話帳と間違えて、ちり紙回収に出しました。」

スパーン!

千冬「捨てるな、馬鹿者。尾上、お前今参考書を持っているか?」
尾上「はい。わからなかった時を考えて、念のために。」
千冬「よし、織斑。尾上の参考書を借りて1週間で覚えろ。」
一夏「いや、1週間であのごつさはちょっと。」
千冬「覚えろ。」
一夏「はい。」
さすが織斑先生。有無を言わせぬ眼光だ。





修司「はい、参考書。」
一夏「う、これを1週間で。」
修司「恨むなら、自分を恨むんだな。」
一夏「言い返せない。」
???「ちょっとよろしくて?」
一夏「へ?」
修司「お?」
急に声をかけられたから、そっちを向けば、出ましたよ。セシリア・オルコットが。
セシリア「聞いてます?お返事は?」
一夏「え、ああ。聞いてるけど、何か用か?」
修司「自己紹介なら手短に頼む。」
セシリア「まあ!なんですの、そのお返事は。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのだから、それに合った態度というのが有りますのよ?」
はい、ウゼーー!原作読むのと、実際に聞くのは違うわ。ウザさが違うわ。
一夏「悪いな。俺、君が誰なのか知らないし。」
修司「アンタが俺より出席番号が早いなら、遅れて来た俺は知らないが。」
セシリア「私を知らない!?このセシリア・オルコットを!?イギリス代表候補生で入試主席の私を!?」
一夏「1つ聞きたいんだが。」
セシリア「あら、何ですの?」
一夏が爆弾を落とすつもりの様だから、俺は一夏の机に置いた参考書を密かに手に持つ。
一夏「代表候補生って、何だ?」

ガタタン!ゴッ!!

一夏「いってええぇぇぇぇ!!?」
修司「このアホが!代表候補生すら知らないとか、「キング・オブ・バカ」の称号でもやろうか?」
一夏「そんな称号要らねえよ!それよりも、参考書の角で殴るってどうゆうことだ!?意識が飛びかけたぞ!」
セシリア「私を無視しないで…。」

キーンコーン、カーンコーン。

セシリア「くっ!この続きは授業の後で。よろしくって!」
なんか、どっかのザコキャラみたいなさりかただな。
千冬「授業を始める。」
この授業は織斑先生がやるからだろう。まるでテストや受験のような静かさだ。
千冬「おっと、授業を始める前にクラス代表を決める必要があるな。」
一夏「クラス代表?」
修司「学級委員みたいなもんだろ。」
千冬「尾上の言う通り。クラス代表は来月にあるクラス対抗戦に出たり、生徒会の開く会議や委員会に出席したりするのが仕事だ。なお、クラス代表は1年間変更できん。自薦他薦は問わない。」
女子A「はい。織斑君を推薦します!」
女子B「私も!」
女子C「私は尾上君を推薦します!」
女子D「私も!」
やはり俺と一夏が推薦されたか。このままだとセシリアがきれて、一夏もきれて決闘になる。俺を巻き込んで。そうわさせん!
修司「織斑先生。俺はセシリア・オルコットを推薦します。」
千冬「ほう、理由を言ってみろ。」
修司「まず、俺と一夏は物珍しいから推薦された可能性が高いです。」
おい一夏、何でようやく自分が推薦されてたことに気付いたんだ。
修司「俺が彼女を推薦するのは、彼女が代表候補生だからです。ISは搭乗時間が強さと言われています。つまり、このクラスで1番搭乗時間が長いのは代表候補生である、彼女です。」
うう、織斑先生がニヤニヤしてる、あれは絶対俺の考えを読んでる。
修司「よって、ISに乗った時間が数十分な俺と一夏より、相応しいと考えセシリア・オルコットを推薦します。」
クラス内から、「お〜」、とか聞こえる。恥ずかしい。だが、これでセシリアはきれない!
セシリア「中々わかっていますわね!貴方がわたくしを推薦した時は一体どんな理由かと思いましたが、よく理解していてくれて助かりましたわ。」
どーいたしましてー。
セシリア「危うく、このクラスの代表が極東の猿になるところでしたわ。」
何だと?結局お前は言うのか。
セシリア「本当に、こんな極東の島に来てサーカスを見るはめに…「黙れ金髪ロール」なんですって!?」
修司「黙れ、って言ったんだよ。人がクラス代表めんどくさいから織斑先生納得させる為にお前を推薦したら調子に乗りやがって。」
セシリア「な!?自分が面倒だからわたくしを推薦したですって!?ふざけないで下さる!」
修司「「ふざけるな」は俺のセリフだ。俺と一夏だけじゃなく、日本人全員猿呼ばわりしやがって。ぶっ飛ばしてやるよ。ISで決闘だ!」
セシリア「可笑しな事を言いますわね。貴方が先程、自分で「搭乗時間が強さ」と言ったんじゃありませんの。数十分しかISに乗ってない貴方が勝てると思っていますの?」
耳を済ませば周囲の女子達も「クスクス」笑っている。
一夏「じゃあ、1人じゃなく、2人ならどうだよ。」
セシリア「あら、貴方もやりますの?まあ、それでも大して問題ではありませんわね。何なら貴方達対わたくしの上で、ハンデを付けて差し上げてもよろしくってよ。」
修司「ハンデはいらん。というか一夏もいらん。」
一夏「俺もいらないってどう言うことだよ!?」
千冬「そうだな、確かに尾上には、ハンデも織斑も不要だな。」
一夏「ちょ!?千冬姉!?」

スパーン!

千冬「織斑先生だ。」
女子E「何でそんなことが言えるんですか?織斑先生。」
千冬「簡単だ。それは尾上の入試での試験官は私だったからだ。因みに結果は入試用に手加減した私にギリギリで尾上が私に勝った。」
その瞬間、教室中に衝撃が走った。まあ、それは当然だ。何せ手加減したとはいえ、モンドグロッソ二連覇を果たした人に勝ったのだから。
千冬「よって尾上にハンデは不要だ。織斑はハンデはどうする?」
一夏「いえ、いりません。」
千冬「よし、では決闘だが、やるのは1週間後、第三アリーナで行う。いいな!」
俺、一夏、セシリアは無言で頷く。
千冬「よろしい、尾上。」

バシッ!

千冬「面倒を理由に他人を推薦するな。そして、防ぐな。」
修司「推薦の方はわかりました。防ぐのはこれからも続けます。」
危なかった、危うく直撃だった。とりあえずは、親父に連絡して[鳴神]と[タイラント]を作らせないとな。

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