小説『異世界旅行券が当たったのでISの世界行ってきます』
作者:読む短刀()

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第10話 クラス代表決定戦4


一夏Side
俺は試合の時間が近付いて来たので、箒と共にアリーナのピットに来た。そこには既に、俺の専用機とおぼしきISが有った。
千冬「来たか。」
一夏「ちふ、織斑先生。」
危なかった。危うく試合前に戦闘不能になるところだった。
箒「織斑先生。そこに有るのが一夏の?」
千冬「ああ、[白式(びゃくしき)]だ。」
一夏「白式…。」
それは[白]だった。真っ白で飾り気のない、無の色。眩しいほどの純白を纏ったISがそこにいた。
千冬「時間がないからな、ファースト・シフトは試合中にしろ。」
一夏「わかりました。」
俺は白式に触れる。今までと何かが違う。そんな気がする。わかるんだ。これが何で、何のためにあるのか。
俺は白式を纏った。
千冬「ハイパーセンサーはちゃんと動いているな。一夏、問題は無いか?」
一夏「ああ、大丈夫だ。千冬姉、問題無い。」
俺を名前で呼んだってことは心配してくれたんだな。
千冬「自信の程を聞いておこうか。」
一夏「そうだな、たとえ勝てなくても、後悔はしないように戦うよ。」
千冬「そうか、なら行ってこい。」
一夏「行ってくる。」
箒「一夏。」
一夏「何だ?」
箒「行ってこい。」
一夏「ああ!」
俺は白式を発進体制に傾ける。
真耶『対戦相手も直ぐに来るので、先に出て待ってて下さい。』
一夏「わかりました。織斑一夏、白式、行くぜ!」
俺はいきよい良くアリーナに飛び出した。




修司Side
俺がアリーナに出ると、既に一夏が待っていた。待たせるの多いな、俺。
修司「よう、一夏。」
一夏「やっぱり、シュウが勝ったか。」
修司「なんだ、俺が勝つって予想してたのか。」
一夏「まあな。」
修司「そうか。そいつが一夏のISか。」
一夏「ああ、白式だ。それがシュウの。」
修司「そ、鳴神。」
一夏「そっか、それじゃあ早速、「その前に。」何だよ?」
修司「お前の白式、ファースト・シフトは済ませたのか?」
一夏「いや、まだだけど。」
修司「なら試合はそれが終わってからだ。待っとくから今のうちに動作確認もしとけ。」
一夏「良いのか?」
修司「良いんだよ。と言うか、初期設定の機体と戦ってもつまらないからな。」
一夏「そこまで言うならわかった。試合は白式がファースト・シフトしてからだ。」
そう言うと一夏はアリーナ内で動作確認を始めた。




箒Side
今私は管制室から試合の状況を見ているが…。
箒「これはいったい…。」
アリーナでは、一夏が軽く動いていて、尾上がそれを眺めていた。いったい何をしているんだ?
楯無「わざわざ一夏くんがファースト・シフトを終えるのを待って上げるなんて。」
千冬「まあ、初期設定のISと戦っても尾上には面白くないからな。」
真耶「あ、尾上君空中で横になりましたよ。欠伸してますね。」
一夏『お前!何寝ようとしてるんだよ!?』
修司『退屈なんだ。寝てほしくないなら、とっととファースト・シフトを終わらせろ。』
一夏『今やってるよ!』
これから戦うんだよな?あいつらは戦うんだよな?全く戦いが起きるとは思えない。
楯無「ふざけてる様にしか見えないでしょ?」
箒「え?はい、まあ。」
楯無「それも今だけよ。ファースト・シフトが終わり次第あの2人は戦い始めるから。」
そう言って、更識先輩が開いた扇子には「我慢」と書かれていた。
簪「始まる。」
箒「え?」
そう言われ改めてモニターを見ると、一夏のISの見た目が変わっていた。




修司Side
修司「どうやら、ファースト・シフトは終わったみたいだな。」
一夏「ああ、待たせたな。」
修司「そうだな、待たされた。…武装を展開しろ、一夏。」
打鉄用近接ブレード、展開。
一夏「来い![雪片弐型(ゆきひらにがた)]!」
一夏が雪片弐型を展開し、正眼に構える。
一夏「それ確か、打鉄のブレードだよな?」
修司「ああ、俺の近接武装は強力過ぎるからな。今回用にインストールしといた。」
一夏「てことは、これからやるのは純粋な実力勝負か。」
修司「そう言うこった。」
俺と一夏は地面に降りた。合図はない。気付けば俺と一夏は同時に動きだし、アリーナの中央で打鉄用近接ブレードと雪片弐型がぶつかった。

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