小説『異世界旅行券が当たったのでISの世界行ってきます』
作者:読む短刀()

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第11話 クラス代表決定戦5



修司Side
俺と一夏の戦いが始まった。俺と一夏はアリーナの中央で、お互いの得物をぶつけ合う。
一夏「ぐぬぬ。」
修司「鍔迫り合いは俺が有利みたいだな。」
一夏「なんの!」

ギイン!

修司「お?」
一夏「はあ!」
一夏は俺の武器を右にそらして、体制を崩させると、思い切り上段を振りかぶってきた。
修司「させるか!」

ガギン!

俺は両手で持っていたブレードを左手に持ち、一夏の攻撃を防いだが。
一夏「うおおおおお!」
修司「ちっ!」
両手対片手、その上、俺の体制は崩されて直ぐなので、押しきられ、左肩にダメージを受ける。
鳴神『ダメージ軽微、ダメージ量87,残りシールドエネルギー813。』
俺は体制を直しながら、ダメージが少ないことにホッとする。しかし、これは少しまずい。力なら俺が上だが、剣は一夏が上。この1週間は余裕で俺が勝ったが、思った通り一夏は本番に力を発揮するタイプだった。下手をすると、体制を崩されて一撃をくらう。これを繰り返すはめになる。
修司「ちょっとまずいかも。」




箒Side
試合は、見た感じは一夏が優勢だ。純粋にISの勝負なら一夏が手も足も出せずに、やられたことだろう。だが、今2人は刀対刀を地上で行っている。しかも、スラスターを使わずに、ISを鎧として戦っている。それならば、多少腕が鈍っていても、剣道の経験者である一夏が有利だ。
千冬「浮かれているな、織斑は。」
簪「浮かれてる?」
楯無「もしかして、あの左手を閉じたり開いたりする、あれが証ですか?」
千冬「ああ、そうだ。あれが出たらあいつは大抵簡単なミスをする。」
真耶「ミス、ですか。」
千冬「まったく、あんな戦法で勝てるなら、私は尾上に敗北などしない。」
それを聞いて、私は不安になってきた。




一夏Side
試合は俺が有利に進めている。戦い始める前は、負けるとしか考えていなかったが、剣道をやっていた経験のおかげで順調にダメージを与えている。勝てる気持ちが湧いてくるのと同時に、何かを見落としている気がするが、そんなことよりも、今は勝つことだけを考える。
修司「これだけ出来るなら、別にいいか。」
シュウが何かを呟きながら、俺の胴を狙ってブレードを振ってくる。俺はそれをさっきまでと同じ様にさばいて受け流し、シュウの体制を崩して攻撃を当てる為に、雪片をブレードに添えようとすると。
修司「おおおおおおおお!」
シュウがブレードを振るスピードを速めた。その為、本来は添えるだけだった雪片がブレードとぶつかり…。
一夏「!?」

ギュン!ドゴオォ!

一夏「ぐあ!?」
もの凄い力で俺は一撃でアリーナの壁に吹き飛ばされて、激突した。




楯無Side
箒「一夏!?」
今アリーナは一夏くんがシュウに吹き飛ばされて、アリーナの壁に激突した状態だ。
千冬「はぁ、やはりこうなったか。」
箒「織斑先生。やはりとは、どう言う事ですか!?」
千冬「私が尾上に負けた一番の原因は、尾上の異常なまでの常人離れした力だ。」
やっぱり、織斑先生に勝ったと聞いた時から要因はそれじゃないかと思ってたけど。
真耶「でも確か、織斑先生は尾上君が瞬時加速を使ったのに驚き、攻撃をくらったのが、負けた理由だと聞きましたけど。」
千冬「確かに、尾上が瞬時加速を使ったのは驚いたが、それには反応したさ。」
真耶「え!?それじゃあどうして!?」
千冬「尾上の攻撃を防ぐ為に、ぶつけたブレードが折れたんだ。」
箒「しかし、そんな事は偶々では…。」
千冬「ブレードが折れただけならな、そう言える。だが、尾上の攻撃が胴に当たった瞬間に[絶対防御(ぜったいぼうぎょ)]が働いて、シールドエネルギーが零になった。」
その言葉に箒ちゃんと山田先生が驚く。[絶対防御]は言葉通りで、操縦者が死なない為の物だ。ISが当たった攻撃が危険か判断し、それに応じて発動する。絶対防御が発動するとシールドエネルギーを大幅に消費する。
箒「しかし、それは瞬時加速の勢いが有ったからではないのですか?」
千冬「私もそう思ってな。試験後、尾上の戦闘データを見て瞬時加速に使ったシールドエネルギーの量を調べたが、ヒビすら入っていないブレードを折り、絶対防御を発動させる程の勢いは出せない量だった。つまり、尾上は自分の力でブレードを破壊し、絶対防御を発動させたんだ。」
真耶「そんなことって出来るんですか!?」
千冬「私でも無理だ。」
箒「更識先輩、尾上は何か武道をやっているんですか?」
まあ、武道や何かをしていると考えるわよね。私もそう考えた時があるし。
楯無「残念だけど、シュウの異常な力は生まれつきなのよ。」
箒「う、生まれつき!?」
千冬「それは本当か、更識。」
楯無「はい。シュウは生まれつき異常なまでの力が有りました。」
ほんと、今でも不思議。そんなこと、有り得ないのに。
簪「見て、試合の立場が逆転した。」
そう言われモニターを見ると、そこにはボロボロの白式がいた。




修司Side
一夏「はあ、はあ、はあ、はあ。」
やり過ぎたな。試合序盤は一夏に押されていて、このままだと負ける可能性が有ると思った俺は、聖人の力を開放して、攻撃を行った。結果は無駄に白式をボロボロにしてしまった。
修司「一夏ー。戦っている俺が言うのも何だが、大丈夫か?」
一夏「あ、ああ、大丈夫だ。しかし、凄い力だな。シュウのISはパワータイプだったんだな。」
修司「いや、鳴神はスピードタイプだよ。さっきのは、俺自信の力だ。」
一夏「え!?」
修司「俺は生まれつき異常なまでに力が有ってな。それが危険だから普段はちょっと力が強いぐらいにしてるんだよ。」
一夏「じゃあ、どうして力出したんだ?」
修司「負ける可能性が有ったから。」
一夏「え!?」
修司「だから、力出さなかったら、負けると思ったからだよ。」
一夏「ちなみに、セシリアと戦った時は?」
修司「セシリア?使ってないぞ。」
一夏「そっか。へへっ。」
修司「お、おい。ほんとに大丈夫か?」
一夏「ああ、大丈夫だ、問題ない。」
修司「よしわかった。一夏。お前試合終わったら直ぐに保健室に行ってこい。」
一夏「何でだよ!?」
修司「何でもだ!…まあいい、次で終わらせるぞ。」
一夏「次?まだお互いシールドエネルギーは300ぐらい有るだろ?」
修司「心配するな、一撃で終わる。」
そう言って俺は打鉄用近接ブレードをしまい、変わりに[エクスカリバー]を出した。
一夏「その剣は?」
修司「鳴神の近接武装の一つだ。一夏、お前、[唯一仕様の特殊才能(ワンオフ・アビリティー)]について教えたよな?」
一夏「ああ、わかりやすい覚え方として、一定レベルで修得する必殺技みたいなもんだろ?」
修司「そ。んで、本来なら、ワンオフ・アビリティーってのはそんな簡単に修得できる物じゃない。だけど、白式は束がいじっててな、既にワンオフ・アビリティーが使えるんだよ。」
一夏「束さんが!?」
修司「ああ。だから、白式のワンオフ・アビリティー対エクスカリバーで決着を着けようぜ。」
一夏「わかった。」
修司「意識を集中させろ。」
しばらくすると、雪片弐型が展開し、中からエネルギー刃が出てきた。
一夏「準備オーケーだぜ。」
修司「んじゃ、やるか。」
俺はエクスカリバーを上段に構える。一夏は突撃体制だ。
修司「エクス…。」
一夏「零落…。」
修司・一夏「カリバーーー(白夜ぁぁぁぁ!!!)!!!」
アリーナで俺が放ったエネルギーと白式がぶつかりあう。
一夏「ぐ、ぐぐ…。」
修司「いっけえぇぇぇ!」
エネルギーが白式を包み込む。

ドゴオォォン!

エネルギーはアリーナの壁にぶつかった。誰もが一夏の負けを考える中、俺は衝撃で発生した煙を見つめる。

ブオッ!

一夏「うおおおお!」
煙の中から一夏が飛び出し、雪片弐型で俺に斬りかかるが。
アナウンス『白式、シールドエネルギー、エンプティー。よって勝者、尾上修司!』
一夏「え!?」
修司「後一歩、届かなかったな。エネルギー切れでお前の負けだよ。」
零落白夜の使用で白式のシールドエネルギーが無くなったため、一夏が負けて、俺が勝った。
ちょっと、いや、結構危なかったな。

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