小説『異世界旅行券が当たったのでISの世界行ってきます』
作者:読む短刀()

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第24話 転校生と逃走中



修司Side
「もうじき学年別トーナメントだな。」
「へ?何だそれ?」
「箒、木刀を貸してくれ。」
「壊すなよ。」
「おい箒!?貸すなよ!?」
「安心しろ。ちゃんと殺る。」
「字が違う!!殺るな!!」
「一夏。あんた学年別トーナメントも知らないわけ?名前の通りじゃない。」
「う、うるさいな。最近いろいろあったから忘れてただけだ。」
「学園の行事ですわよ。」
「さすが、代表候補生を知らなかった男。」
「あんた、勉強してなかったにしても、限度があるでしょ。」
「昔の事を言うな!!」
「昔って言えば、織斑くんってぼ「ストップだ天音さん!!」ごめんごめん。」
「ぼ?何なんだ?美羽。」
「何でもない!!何でもないぞ、箒さん。」
その言い方は誤魔化せないぞ、一夏。
「あ、鈴ちゃん。そろそろSHRの時間だよ。」
「やば!!このままじゃ千冬さんに叩かれるわね。戻るわよ、美羽。」
「うん。じゃあ皆また後で。」
「実習の時にね。」
「おう、後で。」
「それじゃあ俺達も席に座るか。」
「そうだな。」
「そうですわね。」

ガラッ。

「SHRを始める。」
織斑先生が教室に入ると同時に全員が着席した。反応早すぎだろ!!ニュータイプかお前ら!!
「今日は皆さんに、お知らせです。このクラスに転校生が来ます。」
耳を塞げ!!
『ええええええええ!?』
くぅ、ソニックブームが発生してやがる。
「静かにせんか!!」

シーン。

ここもう軍隊だな。
「それじゃあ、入って下さい。」
「失礼します。」

ガラッ。

教室のドアが開き、廊下から1人の生徒が入って来た。…1人?
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。」
入って来たのはシャルルひとり、ラウラはどうなった?
「お、男?」
「はい。こちらに同じ境遇の…。」
耳を塞げ!
『きゃああああぁぁぁぁ!!!』
さっきより規模がデカイ!?
「男子!!3人目の男子!!」
「しかも守ってあげたくなる系の!!」
「地球に生まれて、良かった〜!!」
「私がIS学園に入学したのは彼と出会う為だったんだわ!!」
おい、最後!!入学理由はISについて学びに来たんだろうが!!
「静かにしろ!」

シーン。

このクラスにとって織斑千冬は何なんだ!?
「本当なら後2人転校生が来る筈でしたが、諸事情で明日になります。」
ラウラは明日か。それと同時に旅行券所有者が1人来るわけだな。
「尾上、織斑。デュノアの面倒をみろ。同じ男子としてな。」
「「はい。」」
「よし。今日は一日IS実習だ遅れるなよ。」
織斑先生と山田先生が教室から出ると、シャルルが近付いて来た。
「君達が「話しは後だ、手遅れになる。」え?」
俺はシャルルの手を掴んで歩きだす。
「一夏。背後の警戒を頼む。」
「わかった。」
「え?何?手遅れ?警戒?何の話をしてるの?」
「それは「シュウ!!来たぞ!!」チッ、もうか!!」
振り向けば、女子の群れが見える。
「噂の転校生発見!」
「尾上くんと織斑くんも一緒よ!」
「見て!転校生と尾上くんが手を繋いでる!」
「走るぞ!」
「ああ!」
「え?ええ!?」
俺達は走りだす。
「逃がすなー!者共、出逢え、出逢えー!」
その言葉を合図に、廊下、ドア、床、天上、窓から女子達が出て来る。
廊下とドアはわかるが、床と天上!!お前ら何時から潜んでた!?後、窓!!割りながら入って来るけどお前らちゃんと織斑先生に怒られる覚悟有るんだよな!?
「おい、シュウ!!何時からIS学園は武家屋敷になったんだ!?」
「んなの、俺が知るか!!」
「でもこの動きプロだぞ!!」
「この先習うんじゃないのか!?」
授業「忍者」とか。
「見て!!2人共!!」
シャルルに言われ前を見ると。
「女子のバリケード!?」
女子の群れがバリケードを形成している。
「どうするんだ?シュウ。」
「…俺が隙をつくる。その隙を突いてシャルルを連れて先に行け。」
「な!?正気か!?そんなことをすれば授業に遅刻して千冬姉の出席簿を食らうぞ!!」
「だがやらなきゃ、全員がそうなる。」
「くっ!すまない!!」
「ねえ!!僕達は更衣室に向かってるだけだよね!?」
「行けえぇ、一夏!!俺に‘構って’先に行けえぇ!!」
「ああ、わか…って!!構ってたら先に行けないだろ!!」
「なら足止め任せた。」

ドン!

「え?」
俺は一夏を後ろから来る女子の群れの方に押した。押された一夏は床に手を着く。
「ありがとな一夏。俺とシャルルはお前に構わず先に行くぜ。」
「な!?こ、この…卑怯者おぉぉ!!」
「しっかり捕まれよシャルル。」
「え!?わ、きゃ!?」
俺はシャルルを担ぐ、言うならお姫様抱っこだ。俺とシャルルを見て女子達がテンションを上げている。…聞こえない、尾上×転校生なんて聞こえない!
「うおおおお!」
俺はバリケードに突っ込む。
「ど、どうするの!?」
「こうするんだよ!」

ダンッ!!

俺はシャルルを担いだまま女子のバリケードを飛び越えた。

スタッ、ダッ!!

「ああ!!尾上くんとデュノアくんが逃げた!!」
「あの2人は諦めるわよ!!…そのかわり。」
「や、やめろ。来るな。」
『お〜りむ〜らく〜ん♪』
「う、うわああぁぁぁぁ!」
「ね、ねえ、今悲鳴が聞こえたような…。」
「気にするな。」
去らば一夏。お前の犠牲は無駄にしない。





その後、俺とシャルルは無事に授業に間に合い、一夏はフラフラになりながらやって来て、出席簿の餌食になった。

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