小説『異世界旅行券が当たったのでISの世界行ってきます』
作者:読む短刀()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第29話 発覚



修司Side
啓祐と屋上で話して4日後の土曜日、啓祐を除くいつものメンバーでISの特訓をしている。
「つまり、一夏が勝てないのは単純に「弱いからだ。」違うよ!!…もう、被せないでよ修司。」
「はっはっは、いやすまんつい。」
「ついってお前、それでシャルル。単純に、何なんだ?」
「あ、うん。それは一夏が射撃武器の特性を把握してないからだよ。」
「そうなのか?俺としては理解しているつもりなんだが。」
「構え!!」

ジャカカ!!

「何で箒とシャルル以外、皆俺に射撃武器を構えるんだ!?」
「いやいや、代表候補生を知らなかった男が、射撃武器の特性を把握してるとは思えないからな。知ったかの罰を与えようかと。」
「止めろー!!」
「いやー仲良いんだな、お前ら。」
「何処が!?今の状況の何処がそう見えるんだ!?」
「自主練終わったのか、啓祐。」
「ああ。」
啓祐はアリーナの中ではなく、観客席からこっちを見ていた。
「まあ取り敢えずは、一回銃を射ってみて、どんな物なのか、確認してみよっか。」
「そんなこと言ったて、白式に射撃武器は無いぞ。」
「大丈夫。僕のを貸してあげるから。」
「あれ?他人の装備は使えないんだろ?」
「所有者が[使用許諾(アンロック)]すれば使えるんだよ。はい。」
「へえ、そうだったのか。サンキュ。」
「IS学園に入学して1ヶ月以上経つのにこれとは、大丈夫なんですかねぇ。どう思います、皆さん。」
一夏の学の無さに箒達に聞いてみた。
「もう少し、しっかりしてほしいものだ。」
「人には人のリズムが有りますし。」
「それでも、もう少しくらいは、マシになってもらいたいわね。」
「まあまあ、織斑くんは、織斑くん並みに頑張ってるんだから。」
「一夏は頑張ってる。」
「大丈夫よ。シュウが前に言ったみたいに一夏くんは本番のみ力が発揮出来るタイプだから。」
上から箒、セシリア、鈴、美羽、簪、楯無だ。
「おいそこ!!何話してるんだ!?」
「喧しいぞ、射ってみてどうだったんだ?」
「え?ああ、取り敢えずは速かったな。」
「まあ、その認識は忘れるなよ。」

ざわざわ…。

ん?
「ねえ、あれ見て!!」
「嘘!?ドイツの第三世代型!?」
「まだ本国でトライアル段階なんじゃ。」
声がする方向を見て、女子達の視線の先を見るとそこには。
「ラウラ・ボーデヴィッヒか。」
IS[シュヴァルツェア・レーゲン]を纏ったラウラがいた。
「織斑一夏。」
「何だよ。」
「貴様も専用機持ちだそうだな。」
みりゃわかんだろ。
「私と戦え。」
「いやだ、お前と戦う理由がない。」
うん。ほんとに無い筈だ。だって千冬さんはモンドグロッソ二連覇を果たしたんだからな。
「貴様に無くとも、私にはある。」
嫉妬ですか?
「貴様がいるから教官は現役を退かれたのだ。貴様さえいなければ!!」
一夏のせいで千冬さんが現役を退いた、か。あながち間違いじゃないな。
「だから私は貴様を許さない!!織斑一夏!!」

ドンッ!!ガキン!!

ラウラが一夏目掛けてレールカノンを放った。が、それをシャルルがシールドを展開し、防いだ。
「いきなり射つなんて、ドイツの人は随分沸点が低いんだね。」
「貴様……!?」
「そこまでだ、ボーデヴィッヒ。」
俺は背後からムラマサを展開し、ラウラに向けている。
「バカな、何時の間に背後に!?」
「これ以上やれば教師に怒鳴られるぞ。場合によっちゃ、織斑先生に怒られる。」
「……ふん。今日は退こう。」
ラウラがISを解除すると俺もムラマサを仕舞った。
「大丈夫?一夏。」
「ああ、ありがとな、シャルル。」
「そろそろ時間ね。皆、今日はここまでにするわよ。」
楯無の言葉を合図に皆、アリーナから出ていく。
「それじゃ、俺達も着替えに行くか。」
「あ、俺先にISの調整の為に整備室よってから更衣室行くから、2人で先に行ってろ。」
「ああ、わかった。」
「じゃあね、修司。」





一夏Sied
修司が整備室に行って、俺とシャルルの2人で更衣室に来た。さて、着替えるか。
「じゃあ一夏、僕先に部屋に帰ってるね。」
「え?今日もか?シャルルっていつも着替えないで部屋に帰るよな。」
「そ、そんなことないよ。」
「そんなこと在るだろ。たまには一緒に着替えようぜ。」
「そ、それは…。」
「織斑君達はいますかー?」
「ん?はーい、います。」
更衣室のドアが開いて山田先生が入って来た。
「あれ?尾上君と上條君は何処ですか?」
「シュウは整備室に、上條はもう帰りました。」
「そうですか、じゃあ後で伝えてくれますか?」
「はあ、構いませんけど、何なんです?」
「はい。実は大浴場ですが、今月中には入れるようになりますよ。」
なん、だと!?
「それは本当ですか!?」
俺は山田先生に詰め寄る。
「は、はい。本当です。」
「いやったーー!!」
風呂!!風呂だ!!やっと風呂に入れる!!この時をどれだけ待ったことか。
「有り難う御座います!!山田先生!!」
「そ、そこまで喜んでもらえて、光栄です。」
「一夏、山田先生に近付き過ぎだよ。」
ん?…はっ!!
「す、すいません!!」
「い、いえ大丈夫です。」
やばい、嬉しすぎてつい山田先生に詰め寄ってしまった。
「あ!!そうです。実は大浴場とは別に用件が有って来たんです。織斑くん。」
「あ、はい。何ですか?」
「実は至急書いてほしい書類が有るので、一緒に職員室に来てください。」
「わかりました。シャルル、先に部屋に帰っといてくれ。」
「うん、わかった。」
俺は山田先生に続き、職員室に向かった。





修司Sied
「一夏ー、シャルルー、居るかー?って、居るわけないか。」
俺は機体の調整が終わったので、更衣室に来たが、予想通り、誰もいない。
「さーて、さっさと着替えて飯にでも…ん?」
床に何か落ちてる。
「ケータイ…誰のだ?」
俺は持ち主確認のため、ケータイを開く。
「アドレス帳に「千冬姉」が有るから、これ一夏のか。」
どーせ部屋に帰る途中に通るし、渡すか。
「ケータイ無いと一夏も困るだろうし。」




コンコン。

「一夏ー、シャルルー。」
あれ?返事がない。

コンコン。

「一夏ー!!シャルルー!!」
いないのか?…あれ?鍵開いてる。
「一夏?シャルル?」
部屋に入って中を見てみたが、一夏もシャルルもいない。
「飯でも食いに行ってんのか?だとしても鍵くらい掛けろよ。」
ケータイどうするかな?取り敢えず机に「拾ったから持ってきといた。」って書き置きと一緒に置いとくか。

ガチャ。

「ん?」
「へ?」
洗面所のドアが開いて中からバスタオル姿のシャルルが出てきた。
「しゅ、修司?どうして部屋に?」
「い、いや、更衣室で一夏のケータイを拾ったから持ってきたんだよ。一夏は?」
「そ、そうなんだ。一夏なら書かなきゃならない書類が有るみたいで山田先生と職員室に行ったよ。」
「そ、そうか。しゃ、シャルルは?どうしたんだ?」
「ぼ、僕はボディーソープが切れてたから探しに。」
「そ、そっかそっか。」
「「ははははは…。」」
「きゃあっ!?」
ですよねー。

-42-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




TVアニメ IS<インフィニット・ストラトス> VOCAL COLLECTION ALBUM
新品 \2300
中古 \1546
(参考価格:\3000)