小説『こちらゴースト IS学園にて』
作者:MSF()

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夢で見たことを俺は思い出していた。


なぜ自分だけが生き残ったのか、なぜこうしてのうのうと学園なんて通って平和な日々を過ごしているのか………


本当に今まで自分に出来ることは無かったのかと……もっとはやくISに乗れたなら……いや、自分だけが残って足止めぐらいは出来たのでは。自分一人の命で部隊の仲間が救われたのでは………


「なぁ、みんな………俺はこれでいいのか……?」


ついそう呟いてしまっていた。しかしその時クラスではクラス代表、まあ差し詰め委員長の様な物を決めている時だった。まあ基本リックはそう言った行事や周りが楽しんでいる所では気が引けてつい離れるか参加しない。


だがまだみな出会って初日、相手の性格や都合なんてわかる訳も無くお構い無しに男子二名をクラス代表に指名する。


「私は織斑くんを推薦します!」

「あっ、私も私も!」


「じゃあ私はフロストくんを推薦します!」

「さんせーい!」

「いぎなーし!」


「ちょっと待ってくれ!俺はそんなのやらな「お待ちになって!」……」
織斑ー夏が話している時にオルコットが被せて異論を唱えた。


「その様な選出は認められません!大体、男がクラス代表なんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえとおっしゃるのですか!?」


はぁ……全く、この手の女には疲れさせられる……一体何処からそんな自信が湧いてくるのやら…女尊男卑はアメリカでは無い、何故なら元々男尊女卑では無かったためだ。アメリカンドリーム、どんな人間だろうと認められればだれでも地位や名声、富を掴み取れる。まさに自由の国なのだ、だが他は違った。特に日本は酷い、外を歩けば必ずこう言う考えの奴がいる。相手にしなければ警察を呼ぶ、まあ職場があれだから捕まりはしないし相手は俺がISに乗れて学園の生徒だと知るといつも青い顔をして逃げていく。威張るなら乗れてから威張れ、資格も無いのに威張るなんてそれこそ頑張っている人間に泥を塗っていると気付かないのか?まあそれは昔の男も言えた事か……


話がずれたな、戻そう。


「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然!それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、それはわたくしですわ!」


オルコットが言うのは過激ではあるが正論であった。たしかにと俺は頷く。ちなみに男のプライドとかは持ち合わせてない。興味ないからな……だがオルコットは止まらなかった。


「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体わたくしにとっては耐え難い苦痛でーーー」


「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一不味い料理で何年覇者だよ。」

織斑千冬からどうにかしろと言う目線を送られる。
「……はぁ、子供かお前ら……織斑ー夏、確かにオルコットも余計なことを言ったが今のはお前が悪い。」


「なんでだよ!大体あいつが最初に気に入らないから突っかかって来たんだろ!?」


「じゃあ聞くが織斑ー夏、お前は剣道をしてたらしいな。もし道上で代表で全国になるために血の滲む様な努力をしたとする。だがいざ代表選出になるとずっと頑張ってた自分が選ばれずに今日いきなり入ってきた剣も握った事のない奴が選ばれたらお前はどう感じる?」


「そりゃ嫌だけど……」


「だろう?いいか?オルコットは代表候補生だ。代表候補生は簡単になれると思うか?」


「……思わない」


当たり前の話である。実際に俺も特殊部隊に居たから苦労はかなり分かる。まあ目標は復讐で少しオルコットとは違うが大体は分かる。


「ならわかったか?あと他国の文化を悪く言うな。その国にはその国での文化があるんだ、そこまでになるまで数えきれないほどの人間の歴史や人生の上に成り立ってる。それを否定するのはその人間全てを愚弄し侮辱している。」


「………オルコット、悪かった…」


「全くですわ!大体おとーー」


「オルコット、お前もだ。折角代表候補生になったのに不意にする気か?俺は女性に対して敬うなんて気持ちは無いし男がどうとも言う気はないがな。代表候補生が言うのはその国が発言するのと代わらない。だからオルコットが日本を愚弄すればイギリスが愚弄したのと変わらないんだ。」


「……少し熱くなりましたわ、しかしわたくしは祖国をあそこまで侮辱されて黙っていられませんわ。織斑さん!決闘ですわ!」


「よし、いいぜ。四の五の言うより分かりやすい。」


こいつら話し聞いてたのか……?まあもういいか……織斑千冬に目線で応援を頼む。


「ハンデはどのくらいつける?」


「あら、早速お願いかしら?」


「いや、俺がどのくらいハンデをつけたらいいのかなーと。」

バカかこいつは……オルコットは代表候補生だろうが…女云々より素人が代表候補生に勝てるのはまずないだろうが…


クラスはそれを聞いてどっと爆笑が起こる。でも何人かは笑ってない。俺と同じ考えの人間もいるらしい。


「男が女より強かったのって、大昔の話だよ?」


「織斑くんは、それは確かにISを使えるかも知れないけど、それは言い過ぎよ。」


「………じゃあハンデはいい。」


「ええ、そうでしょう。むしろ、わたくしがハンデをつけなくていいのか迷うくらいですわ。ふふっ、男が女より強いだなんて、日本の男子はジョークセンスがいるのね。」


「織斑ー夏、女云々よりオルコットの実力は確かの筈だ。弱くて代表候補生にはなれない、特殊部隊になるような物だ。ルーキー(新兵)が特殊部隊隊員と戦って勝てるか?ハンデをつけてもらえ。」


「いや、男が一度言い出したら覆せるか。ハンデは無くていい。」


「痛い目見ても知らんぞ?」


「さて、話はまとまったな。それでは勝負は1週間後の月曜。放課後第三アリーナで行う。織斑とオルコット、フロストはそれぞれ用意しておくように。それでは授業を始める。」


…………………………………ん?


「ちょっと待て、いま俺の名前が出なかったか?」


「当たり前だろう。これはクラス代表の選出戦だ。推薦されたのだからやるのは当たり前のことだろう?人間として生きるなら確りと社会の中で生きろ。出来ないなら人間を辞める事だ。」


「人間はとっくに辞めてるがな………まあ仕方ない。やってやるさ。」




こうして俺も決闘をすることになるらしい。大佐……早くアメリカに帰りたいよ……



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感想待ってます!

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