小説『親父と一緒にいきなりトリップ【H×H】』
作者:プータ()

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 プロローグ
 第一話 異世界×出会い


※この小説には最強要素、ハーレム要素が含まれると思います
苦手な方はブラウザバックをしてください




 「なあ、親父?」
 「なんだ純?」
 「ここ何処?」
 「森……かな?」
 「みりゃわかるわ!そういうことじゃなくて!何で今ここにいるかって言ってんだ」
 「さあ?あーでも空気うめーな」
 「現実逃避すんなや!」

 親父と俺なんでここにいるのかわからない。それぞれ会社と学校に行こうと家を一歩でた所でいきなり森の中。背後にあったはずの家も消えてる。
トラックに跳ねられた訳でもなければ神様にあったわけでもない。本当にわけがわからない。

 「もしかして……」
 「何だ?」
 「先週僕リストラされたんだよね」
 「地味に重い事実!でもそれ関係なくね?」
 「いや、それで神社にお参りしてここじゃないどこかに行きたいなーとか言ってたんだよね。あと上司死ねとか」
 「いやお参りしたくらいでならないよね……多分。それに上司に失礼だろそれ」
 「先週からずっと会社行かずに神社行ってたくらいで関係ないよね。上司はセクハラしてたから同僚達の前でセクハラはいけませんよって言ったらなぜかリストラされたんだよね。まあ後から聞いた話じゃセクハラで数人の女子社員から訴えられたとか」
 「神様に迷惑だよ!厄介払いされたんじゃねえか!と言うか仕事探せや!でも上司の件はよくやった!」

 あきらかに親父のせいだろうこれ!俺被害者じゃん。と言うか色々突っ込みたい、仕事なしでこれからどうすんだとか、ここ何処だとか、どうやってこんな所にいきなり来たのかとか、考える事が多すぎる。色々考えてたらテンションもおかしくなってきたし!しかも携帯も圏外だ。

 「つか親父なんか若い?目じりのしわとか少なくないか?髭も髪の毛の白髪もなくなってる」
 「ようやくお前も僕のかっこよさがわかったか?こんな状況になってからとは、釣り橋効果でほれたか?」
 「ちげえよ!キモイわくそ親父。つか何か俺の目線も低い?何だこれ?」
 「そういやお前ちっこくなってんな」
 「そういや何か違和感が……」

 はっと気づく恐る恐るパンツの中を覗く俺。そこには可愛くなった相棒の姿が。男のシンボルが……

 「ぷぷー、生まれたときからの相棒もちっさくなってら」
 「殺すぞくそ親父」

 目線が低い、身長も180手前くらいはあったのにだ。今は精々140あるかないかだろう。思考がバラバラだ。もしかして脳みそまで若返ったのだろうか。考えたい事がいっぱいありすぎて何から考えようか。とりあえず相棒の大きさを何とかしたい。

 「ふう……とりあえず動くか親父?」
 「そうだな。とりあえず道路でも町でもどこかに出ないと(現実逃避したな)」

 数々の疑問をそのままにとりあえず歩き出す、ここが何処かもわからなければ、救助のあてもない。第一いきなり森の中に瞬間移動しましたなんていったら精神科コースだ。





 いつまで歩けばいいのだろう……腕時計によれば五時間ほど歩きっぱなしだ。ただ不思議とそんなに肉体的には疲れていない。変わりにいつまで立っても木しか見えないせいか精神的にはかなり疲労している。色々考えすぎたのもあるのだろうが。

「いつまでたっても木、木、木。眼によすぎて頭にくるな」

 植物の緑は眼にいいと聞いたことがある。ブルーベリーみたいなもんだな。

 「おお、民家だ!」
 「え?何処?」
 「あそこだ」

 親父が指をビシッと延ばした先には確かに民家が見える。

 「とりあえずここが何処だか聞いてみるか、電話も借りれるかもしれないし」
 「うい」

 とことこと歩いていけば日本じゃなかなかお目にかかれない洋館が建っている。それに大きさも普通の民家の三倍ほどの大きさだ。外観は少し年数がたっているのかくすんだ色合い。森の中でぽつんとたっているのもその手のマニアが見たら喜びそうだ。
誰か住んでること祈って声を上げた。

 「ごめんくださーい」
 「はーい」

 がちゃりと鍵が開けられドアが開かれる。そこから出てきたのは銀髪の美女だった。
 整った顔立ちはもちろんの事プロポーションも出る所しっかり出てるのに締まっているところは締まってる。というか日本人じゃないだろ顔立ちからして。コスプレ?だとしたらごっちゃんです。
とゆうか外人が出てくるって事はここはもしかして外国?でも日本語は通じてる、謎だ。

 「すいません、どうかなされましたか?」

 訝しげな顔でこっちを見てる美女、当然だろう尋ねてきて突然固まる男二人、片方は餓鬼だとしてももう片方は普通の成人男性。しかも気持ち悪い事にほほを染めて美女に釘付けなのだ。親父の好みだったか。

 「あ、いえ、すいません。実は森で迷ってしまいまして……それでよろしければ道を教えてもらえないかなと思いまして」
 「この森を抜けてきたんですか!?」

 美女は驚き親父を凝視しその後ちらりと俺のほうにも目を向ける。

 「失礼ですがお二人ともハンターなんですか?」
 「ハンター?いえ普通のサラリーマンと学生ですが」

 親父がそう答えると女性は眉間にしわを寄せて何かを考えるようにぶつぶつと唱え始めた。

 「この森に?どうやって……でも……出れないし入れないし……」
 「あのー」
 「ああすいません。失礼ですがどうやってこの森に入ってきたんですか?一般の方は入れないようになってるはずなんですか……」
 「そうなんですか?もしかして私有地だったとか?僕達捕まっちゃいます?」

 ちょっと悩みながら聞く親父。いまさらだが若くなった親父はイケメンだな。養子の俺には遺伝してないが……っく、イケメンは氏ね。

 「いえ、ただここはハンター証がないとたどり着く事は基本的にはできないと思うんですが……」

 ハンター証と聞いてドクンと心臓が高鳴る。もしかしてあれなのか、異世界に来ちゃったり……いやまさかそんないやでも。
俺が考え事をしている間にも親父と女性の会話は続く。

 「はんたーしょう?いえ持ってないんですが」
 「じゃあどうやってここに?」
 「信じてもらえないかもしれないんですが家の玄関を開けたらいきなりここに飛ばされてまして、息子も一緒に」
 「飛ばされた、なるほど!念で飛ばされちゃったんですね!」

 飛ばされちゃったじゃねーよ。だが『念』というその一言にさっきの疑念が九割がた当たっている事に確信を持つ。好きな漫画の世界だ、単行本だって出てるのは全部持ってる。作者が働かないのが唯一の欠点くらいなものってくらいの漫画だ。まあそこが一番の問題な気がするが。(馬鹿にしてるとかではなくネタ的な感じで)

 「念ですか?なんかきいたことあるような……純知ってるか?」
 「四大行だったと思う、纏、絶、練、発だったかな」

 俺がそういうとじろりと女性がこちらを見る。俺の知識が正しければこの技術は秘匿されるべきものだ。見た目子供な俺が知ってたら不思議なのだろう、こちらを見る眼に値踏みするような視線を感じる。

 「あーそれだ、でもあれって……」

 親父も気がついたようだ、動きが止まり何かを考えているようだ。漫画を貸してみせたはずだし思い出したのだろうか。

 「坊やはそれを何処で知ったの?」

 まずい、つい言ってしまったがまずい。

 「心源流の道場の掛け軸です。昔見たのを覚えてまして」
 「ああ、なるほどねー」

 よしごまかせたか、多分『燃』のほうだと誤解してくれただろう。罪悪感が刺激されるが今はいきなり俺達の事情を言うのはまずい。

 「とりあえずこの森を抜ける道を知りたいんです、教えていただけないでしょうか」

 いつの間にか復活した親父が女性に聞いた。整理はついたのだろか。

 「あーそれなんだけれども、ね……その」

 『ね』とか美女がもじもじしながら上目遣いで……くるなあ。このひとちょっと天然入ってそうだし……。でも念使えるって事は強いんだろうな。

 「実はこの森は念が使えないと出る事も入る事もできない森なんですよね」
 「そうなんですか」

 やけに落ち着いてるなくそ親父。信じてないのか楽天的なのか、まあ後者だろうな。しかしこれはチャンスじゃないか、ここでこの人に念を教わる事ができれば元の場所に帰る方法がわかるかもしれないし。

 「でしたら僕達に念を教えていただけないでしょうかできる限りのお礼はいたしますので。お願いします」
 「お願いします」

 親父に習って俺も頭を下げる。頭を下げるくらいでファンタジックなパワーが手に入るのなら土下座してもいいくらいだ。

 「あ、頭を上げてください、お教えしますから」

 慌てて頭を上げるように進めてくる女性。この人いい人なんだろうなー。こんな辺鄙な所に住んでなきゃもてもてだろうに。

 「でしたらしばらくここに滞在してってください、その代わり仕事はしてもらいますけど」
 「それに関してはもちろんやらしていただきます」
 「以下同文です」
 「でしたら家の中へどうぞ」

 そういって両開きの扉を態々両方開いてくれた。この態々開いてくれたのは何故だろう何かものすごく嫌な予感がする。親父は気にせずのこのことついていってだされたスリッパを履こうとしていた。俺も玄関までは入ったがスリッパは親父がはいてからだ。

 「ああいいわすれてました」
 「何でうおぉぉーーー」
 「そのスリッパ特注で片方二十キロあるんです」

 その言葉が言い終わらないうちに親父が地面とキスしていた。俺はこの家で生きていけるのだろうか……



 あれから少しばかりスリッパで四苦八苦したが驚く事に思ったほど重く感じない。親父が転んだのもスリッパの重みが予想以上だったためのようだし。と言うか今思えば五時間も歩きっぱなしでまったく疲労してないのがおかしい。これに気がつかなかったのは恐らく気が動転してたからだろう。これはトリップ補正?まあ空気にプロテインでも含まれてるんだろう。

 「そういえば自己紹介もまだでしたね。私はグリア=アリニエル、グリアでいいわ」
 「僕は児島勇気こっち風に言えばユウキ=コジマ、ユウキでいいよ、こっちは」
 「息子のジュン=コジマです、どうぞジュンと呼んでやってください」
 「ユウキにジュンね、よろしく」

 にこりと笑って微笑むグリアさん。親父はその微笑にまた頬を赤く染める。中年が顔赤くしても全く可愛くない。

 「そういえば二人は何処から来たの?」

 この質問はまずい。たしかこの世界は正規に生まれていればほとんどの国民の戸籍が管理されていたはずだ。ここはあの手だな。親父もこの質問をされた瞬間こっちに目配せをしてきた。任せろと眼で合図をする。

 あー実は俺達流星街の出身(嘘)なんですよ、このコジマってのも親父が勝手に使ってる苗字(嘘)ですし、多分親父も俺もジャポン出身の人たちと顔の系統が似てるんでそっちの出身だと思うんで苗字もジャポン風のを使ってるんです。あと親父だと言っても養子ですし(本当)ね」
 「そう、流星街の……それは大変だったでしょう、それにユウキは立派ね」
 「え、ええまあ」

 グリアさん気遣いによって罪悪感半端ない!親父もなんだか胸に痛みが走ったようで胸に手をやっている。心が痛む。

 その後は適当に談笑しながら過ごしていたのだが外も暗くなり夕飯の時間になった。

 「あら、もうこんな時間、こんなに楽しいお喋りしたのは何時以来かしら、でも晩御飯の食事しなくちゃ」
 「でしたら何かお手伝いしましょうか?」
 「でしたら食器の用意なんかをお願いしますわ」

 親父は嬉々として手伝いをしている。つか親父マジで一目ぼれっぽいな、所詮親父もただの男だったか……
 晩飯のシチューはうまかった。どうやって材料を調達したかが気になるな。


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