小説『親父と一緒にいきなりトリップ【H×H】』
作者:プータ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 第二話 親父×ロマンス


 どうもジュンです。
 この世界に来てから早三ヶ月。生活の違いについて色々とあったが世間知らずなんだなと思われて何とかなってる、流星街出身というのが大きいのだろうか?
 そういえばこの家の玄関の扉の重さがやばかった、片方五百キロとかおかしい、わけがわからないよ。ただ五日もすれば開けるようになったのはこの家の環境だろう。湯のみや布団、日曜生活品に重りが入ってるとか、ここは何処のゾルディックの管理人小屋なのだろうと思ったよ。
 文字はあいうえお順の象形文字のようなものを覚えればいいのでわりかし簡単に覚えた。スラスラとは行かないが。
 年齢については俺は十歳、親父は二十二歳という設定にした。ぶっちゃけ見た目でなんとなく決めた。実年齢17歳と三十五歳には全く見えないんだもの。グレアさんは21らしい。
 後は今は1990年らしい、原作開始は1999年だからあと九年か……先は長いな。一応覚えてる事はほとんど紙に書いておいたので原作に関わるかは今は後回しだ。
 念のほうは親父と相談して知らない事にした。親父も余計な軋轢を生むよりは、と嘘をつくのは仕方ないといっていた。

 実は念の方はまだ俺は教えてもらってない。『燃』が『念』なの以外はだ。困った困った。
 グレアさんいわく「最初から念を覚えたら念にしか頼らない人になってしまうのよ、それじゃ困るわ。それに念って言うのは使えるだけでかなりの確立で厄介ごとに巻き込まれる可能性が増えるのよ、それなら多少なりとも鍛えないと、じゃないと命にかかわるわ」だそうです。
 ええ、いいたいことわかります。
 心配してくれてるのもわかります。
 でも俺の厨二心が叫んでるんですよ。
 念が使いたいですグレア先生……え?教えてくれる、まじで!?いいぃぃぃぃやったーーー!え?条件がある?ははは今の俺なら何でもできますよ。え?私と組み手をして勝てたらいい?念を使わないから?えっと……リアル100トンパンチはちょっと。えっちょまmt

 以上のような話し合いの結果、今はおとなしく体を鍛えて武術を極める事だそうで……パンチ怖いパンチ怖いパンツは好きなんだけどな。

 ただ腹正しい事に親父は最初から念の修行に入ってる。なんとガチで鉄をも砕くグレアさんのパンチを受け止め、なおかつそのまま投げ飛ばすかと思いきやお姫様抱っこをかましたんですよ。親父がガチでグレアさんを狙ってるというね。つかあんまりもとの世界への未練もなさそうだ。会社も首になってるし、親戚もいないらしいし。
 おっと話がそれた。それでお姫様抱っこされたグレアさんは顔を真っ赤に染めてポカポカと親父の事を叩いていたのだが全くもって痛そうじゃない。グリアさんも満更でもないのだろうか。

 「いちゃついてんじゃねーーーーーーーーーーー」

 と俺が叫んだのは仕方ない。
 しかし冷静になって考えてみればどうやら純粋な体術であれば親父はかなりの強さらしい、ちょっとショックだ。結果。

 「ジュン!足運びが雑!もう少し滑らかに、後はもっとコンパクトに動きなさい」
 「純、眼を瞑るな、瞑ると怪我する」
 「はいはい」
 「ジュン、はいは?」
 「一回です、すみません」

 三ヶ月の間二人が付きっ切りで格闘術を教えてくれてる、わーいうれしいなー(棒読み)
 というかグレアさんが修行中はマジできつい、いつものおっとりは何処に行ったのか。というか親父までもが人外っぽいとか……どういう事なのこれ。ただのリストラ親父じゃなかったのか。
 ただトリップチートの恩恵か?ついていけてる自分がすごい。運動は中の上ぐらいだったがここまで上がるとは、恐ろしい。ただもっと恐ろしいのは親父だ。念の修行もたった一ヶ月で纏、絶、練をほぼ実用段階まで習得して今は応用をやってるらしい。どう考えてもチート主人公です本当にありがとうございました。

 「じゃああと少ししたら今日は終わりにしましょうか、今日は仕事もありますから」
 「りょーかい」
 「は、はい」

 息も絶え絶え、体力が残ってないです。ただ気になるのはグレアさんの仕事というのは初耳だ、なんだか聞きにくくてこの一月一度も俺は聞いたことが無い。親父は知らんが。ただあの人たち日に日に仲がよくなってる気がする、どういうことなの?マザーフラグなの?



 足を生まれたての小鹿のようにプルプルしながら帰宅。まだ今日は明るいが出来が悪いと夕方までぶっ続けで修行させられるから困る。手を抜きたいが、将来的にしっかり修行しないと多分死ぬ。実際この近辺でもでっかい熊やらトラやらが生息していたらしく家の周りにもたまにだが出没する。

 「ここに来たときに襲われなくてよかったわ、あきらかに勝てないし逃げられないもの」

 そう言ってグレアさんは笑っていた。ちなみに一度熊に襲われたときはグレアさんが蹴りで吹き飛ばしてくれたので無傷、そのひの夕飯は熊鍋だった。俺はちびったけどな。

 家に帰ると何故だが玄関の前に人がいた。男性だ、筋肉質のスキンヘッドそれに鼻の頭に横一線の刃物傷、おまけにサングラスを着用してる、明らかに堅気の方じゃないですよね。どっかのマフィアの方ですかね。
 横の親父を見ると警戒しているのがわかる。こっそりとグレアさんや俺の前に一歩出る。そりゃそうだ、こんな森の中、しかかもここは念能力を持った人しかはいってこれない。そんな所でいきなり不審な奴が現れるんだもの、誰だって警戒する。グレアさんは……ニコニコしながら手を振ってる!?知り合いなの?あの強面と?

 「いつもニコニコあなたに愛を、配達ハンターのノグリです。お届けものに参りました」
 「お久しぶり、いつもありがとうノグリさん」
「配達ハンター?」

 親父は警戒してないグリアさんを見て警戒を解いた。俺も配達ハンターというのを聞いて安心した。多分配達専門のハンターなのだろう、協専ハンターかフリーかはともかく。
 よく考えれば不思議は無い、この世界には凶暴な動物や人を襲う魔獣なんかも生息しているらしいし、ハンター証なんかがないと入る事すらできない国も多々ある。そういったところに届ける専門家がいてもなんら不思議は無い。普通の郵便配達員達じゃ荷が重いだろう。奥が深いなハンター。
 だがしかしいつもニコニコは無いわ、小さい子供なんか泣くんじゃないかあの顔見たら。笑顔は威嚇するための表情だったってのを聞いた事があるがこの人の笑顔を見てると納得してしまいそうだ。俺なかなか失礼な事思ってるな。

 「そういえば会った事が無かったわね、こちらは足りない食材やあなた達の洋服なんかを届けてくれたノグリさんよ」
 「そうでしたか、態々ありがとうございます。勇気といいます。こっちのプルプルしてるのが息子の純です」
 「こちらこそ!ノグリっつうもんです。配達ハンターやってます。御用があればどうぞ」

 そのまま胸からチャカ……ではなく名刺を取り出し親父に渡した。俺には?プルプルはスルーですか。

 「それにしてもグリアちゃんが人といるなんて珍しいな?どうしたんだ?」
 「ええ、ちょっと理由がありまして……」

 説明をするグリアさん。念で俺達が飛ばされた事、この森の性質上普通に帰ることができないことなど。

 「そりゃ災難だったな兄ちゃん達も……そうだ!俺だったらお前らをここからつれてけることのできる能力があるんだが。どうする?」
「えっ」

 俺や親父より先にグリアさんが反応する。どうしたんだろうと顔を見てみると何故か涙目!?もしかして俺達が離れるのが寂しいとか?そういえばグリアさんお爺さんが死んでからはずっと一人暮らしとか言ってたもんな。今はとりあえず泣きかけのグリアさんをどうにかしよう。ノグリさんも冷や汗かいてるし。

 「(親父!)」
 「(了解)」

 眼と眼で通じうーって感じでアイコンタクト。

 「グリア」
 「ユ、ユウキ。あ、これはね、何でもないの……」

 涙目を擦りながら何でもないとか……ノグリさん冷や汗が脂汗に変わってきたぞ。

 「なんでもなくない」
 「なんでもない」
 「なくない」
 「ない」
 「あう」
 「ぷ……」

 かんだーーー。「ある」を「あう」て言っちゃたー。そこ大事なところだろ!まあグリアさんが笑ったのでよしとしよう。

 「……ちょっと話がある家に入ろう」
 「え、あ、はい」

 そのまま親父がグレアさんを連れて家に入っていってしまった。さりげなく肩を抱いてたのはまあお茶目だろう。ノグリさんと俺をおいてったのは……恐らくわざとだろう。

 「俺なんかいらないお節介しちまったかなあ?」
 「いえ、違いますよ、あんまり詳しくは話せないんですがグレアさんは昔からあんまり人がいない場所やこういった森の中で生活していたらしいんですよね」

 これはグレアさんから直接聞いたのだ。詳しくは教えてもらってないが彼女は人とかかわらない生活をしていた。だからだろう、俺達とできた縁が切れるとでも思ってしまったんじゃないかと思う。基本的には自分から人とかかわる事をしないようだし、そういう育て方をされたようだと親父が言っていた。

 「だから人とのつながりを求めてるようなんですよ、今回はそれが切れてしまうと思ったんでしょうかね」
 「あーなるほどなー。こりゃ本当にいらないお節介しちまったようだな」

 ノグリさんは申し訳なさそうにしながら頭をぺちりと叩いた。

 「昔からグリアの嬢ちゃんは各地を転々としてたからな……」
 「知ってるんですか?」
 「俺の師匠の顧客がグリアちゃんのじいちゃんでな、昔から何度も配達に来てるんだがそのたびに場所が変わるんでよ、それでな」
 「なるほど」

 そういうことか。確かにそれなりに親しそうだしな、ノグリさんも多分40手前ぐらいには見えるし古い付き合いなら納得だ。

 「そういや坊主は俺が怖くないのか?たいがいの子供は俺を怖がるんだが……」
 「いや別に」
 「そうかい!いやぁうれしいね。自分の子供にもおびえられててよ、お父さんマフィアなの?って聞かれたときは思わず涙が出ちまうしよ」
 「サングラスはずしたらどうですか?」
 「これは俺のトレードマークだ、無理だな」

 ノグリさんは見た目よりも話しやすいな。顔以外は親しみが持てる。談笑しながら待つとしよう。


 sideユウキ

 バタリと重厚な音を立てて家の玄関を閉める。この重い扉にもなれたものだ。

 「ごめんなさいユウキ、恥ずかしいとこ見せちゃったわね」
 「気にする事はないさ」

 グリアと向かあう、眼が少し赤くなっているのがわかる。少し胸が痛む、彼女を悲しませるようなことはしたくはなかった。
 純にはばれてないようだが僕とグリアはよく夜中にお酒を飲んで話したりしている。純は修行で疲れてそれどころではないようだが。その時にグリアの生い立ちも聞いた。彼女は除念師という職業を生業にしてる家系に生まれたらしい。念を祓う能力はとても珍しく悪用されたり時には監禁されてしまうような能力らしい。その為各地を転々として生活していたせいか人との縁が極端に少なく友人と呼べるものたちもすぐに分かれてしまいさびしい生活をしていた。そのせいで彼女は別れに敏感なのだろう。

 「ごめんなさい、私子供みたいよね。あなたがどこかに行ってしまうと考えたら自然と涙が出てしまったの。本当に……本当に勝手に出てきてしまったのよ」
 「僕は気にしてないしあっちも多分純がどうにかしてくれているさ」

 純は自慢じゃないが適応能力は高いほうだ。多分ノグリさんのほうもうまくやってくれてる事だろう。

 「さっきの提案……」
 「え?」
 「ノグリさんが僕達を送ってくれるっていってたけど、僕は行かないよ、多分純も」
 「私を気にしているのなら……」
 「違うよ」

 全く違わないとは言い切れない。僕自身グリアに惹かれている、隣にいたいと思っている。一目見たときから気になって、なるべく一緒の時間を増やしていった。うぬぼれじゃなければ彼女も嫌がってなかったと思う。

 「君を気にしてじゃない、僕が君から離れたくないんだ、たかが三ヶ月の付き合いでって思うかもしれないけど……僕は君を愛している、君と話していると楽しいしすごく幸せだ」

 少し顔が近くなる、グリアの頬が高潮しているのがわかる。髪も銀髪だし肌も白いからよく目立つ。

 「でも私あと三ヶ月もしたらここを離れるわ」
 「ついてくよ」
 「同じ場所に二年以上住めないわ」
 「面白そうだね世界を一緒に見るのもいいね」
 「私めんどくさい女よ」
 「好みだね、それに僕なんか子供もついてくるよ?」
 「ジュンいい子よね。気遣いもできるし、大きくなったらもてるんじゃない?」

 視線が絡み合う。

 「僕と付き合ってほしい」
 「喜んで……」

 僕とグリアの唇が重なり合った。



 side純

 「さっき足をプルプルさせてたしてっきり俺におびえてたのか思ったよ、はははは!」
 「違いますよ、修行しててつかれてたんです!」
 「修行?ハンターにでも成んのかジュン?」
 「この森を出るために念を教えてもらってるんだけど念を覚えるなら武術も覚えなさいって言うんですよグリアさんが」
 「あーそれなら確かに覚えたほうがいいな、バトルマニアや殺人鬼も多いし、気をつけなきゃおっちんじまう」

 れからノグリさんと談笑している。やっぱり見た目で人を判断してはいけないらしい。この世界ではそういう点で気をつけないと痛い目を見そうだ。

 「この森だって念能力者の死者の念で普通の人は入ってこれないしでれないようになってんだ」
 「へー死者の念だったんだ」
 「ああ、広く薄くって感じにオーラが広がってるからわかりにくいだろうがな。それせいか念を使える動物もいるし」

 なるほど、死者の念は強いって言うしな。

 ぎぃっとドアが開く音がしたので見てみれば親父とグリアさんがでてきた。何故だか手をつないでいるのがとてつもなく気になるが……

 「あ、ノグリさんさっきはすみません」
 「いや、俺も余計な事行っちまったみたいでスマン」
 「いえそれでなんですが……」

 グリアさんが親父と俺を見てくる。ああなるほど。

 「ノグリさん、さっきの提案本当にありがたいんですが僕はまだここにいたいんです」
 「あっ俺も」

 俺と親父両方ともまだ居たい。俺にいたっては念もまだだし。

 「いや、俺も余計なお節介やいちまったしな」
 「いえ、これは僕らのわがままですから、おきになさらず」

 まあこれにて一件落着かな。

 「それにノグリさんのおかげって言うのもあれなんですけど、いいきっかけにはなりました」
 「きっかけ?」
 「ええ、実は僕達お付き合いする事になりまして」
 「本当かい!?そりゃめえでたいね」

 二カッと笑うノグリさん。親父の隣ではグリアさんがもじもじしながら頬を染めている。

 「まじでかあぁぁぁーーー」

 俺の叫びが森にこだまする中、親父とグリアさんの手が離れる事はなかった。




 あとがき
 何故か書いてたら親父がロマンスする話になってしまった。しかも明らかに親父チートがかかってる。
 一応話の流れ的には最初のほうは親父が活躍する話な感じです。しかし原作あたりになると出番が減ると思います。あと話しの流れ的に原作キャラが何人か崩壊する予定になっております。すいません。

 グリアさんの二年以上同じところに住めない発言などは制約と誓約かんけいです。

 感想送ってくれた方ありがとうございます。はげみになります。

 

-2-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




【幻影旅団】クロロ ダブルドルジェ クロス 五鈷杵羯磨 Hunter x Hunter ハンターハンター ダブルドージェ グッズ 〔ku〕
新品 \2510
中古 \
(参考価格:\4510)