小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:裕奈


 サイコ・ショッカーが消えた魔法陣から現れたのは、何とびっくり本屋ちゃん!?
 いや、何してんの?つーかどうして此処に!?


 『ゆ、ゆーなさんとエヴァンジェリンさんこそ何でこんな所に?っていうか如何して生きてるんですかゆーなさん!?』


 あ……そうか、本屋ちゃんの中では私は中3の夏休みで死んでるのか。
 驚くのも納得。
 てか如何見ても本屋ちゃん精霊化してる…よね?


 「せやなぁ、なのはちゃん達と同じようになっとるしね。」

 「だよね…何がどうなってんだろ?…ん?」

 あれ?マダ魔法陣光ってる?
 もしかしてマダ何か来る訳!?


 『お〜い、其処に居る人ちょっとどいて?後ろが詰まってるんだけど?』

 『ふぇ!?は、はいスイマセン!!』


 こりゃまたなんか聞いた事ある声で…


 『よっと…あり?此処何処?って宮崎!?それに…もしかしてゆーなとエヴァちゃん?』


 朝倉ぁぁぁぁぁぁぁ!!
 何でアンタまで現れてんの!?
 もう意味わかんねぇぇぇ!!!!


 「裕奈、少し落ちつこか?」

 「ごめん、はやて。ソレ無理!」











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX23
 『2名様ご案内〜〜♪』










 「裕奈、落ち着いた?」

 「な、何とか。」

 取り合えず店長の店に来たわけだけど、マジでどうなってんの?
 レイハとバルの力で皆に精霊見えるようにしてもらってるけど…アンタ等マジで頼りになるね?


 「「Thank you.」」


 ホントにご苦労様。
 にしても何で精霊召喚用の魔法陣から本屋ちゃんと朝倉が…


 『え〜と…あの、私は101歳で生涯終えて、その成仏?するところだったんですけど
  途中でブラックホールみたいのに飲み込まれて、気付いたら此処に。』

 『あ、宮崎も?私もさね。ん?でも私の享年は93歳…時間ずれてない?』


 8年も差が有るね〜…てか長生きだなアンタ等。
 つまり何か?2人とも天寿を全うして、後は三途の川渡って向こうに行くだけだったのに、

 「このアホのせいでソレができず、こっちに強制召喚されてカードの精霊になっちゃったと…」

 魔法陣から一緒に出てきたイラストの無いシンクロのカード。
 『ジャンク・ライブラリアン』と『ヴァルキリー・ジャーナリスト』…チューナーがシンクロン指定だから私のカードか…
 如何したもんだろ?つーか…

 「本気でアンタはぁぁ!!人に迷惑掛けるだけじゃなくて、死人にも迷惑掛けてんじゃないわよ!!」(ギリギリギリギリ)

 「ぎゃぁぁぁぁぁ!!ギブッ!ギブです!す、スイマセン!マジでスイマセン!!」

 「おぉ…実に見事な卍固め。アントニオさんも吃驚や♪」

 「裕奈スゲェ♪」


 ――カクンッ



 よし、落とした!


 『あの…其れでゆーなさん…』

 『アンタは何でこんなとこに居んの?』


 いや、どうしてって言われてもねぇ…如何説明したモンだ?
 私とはやてだけだったら簡単なんだけど、十代達居るしなぁ…


 「俺からも良いか?」

 「準?」

 何よ?


 「そいつ等の言う享年が真実とすればお前とは随分歳が離れていることになるが…一体どういう関係だったんだ?」


 うぇい…其処に気付くか!
 近所の婆ちゃんと子供じゃ納得しないよねぇ…でもだからって…


 ――ポンッ


 「はやて?」

 「良い機会や、全部話してまお?この面子なら言っても大丈夫やろ?」

 「はやて……いわれてみれば確かにそうだね。」

 てか、精霊とか魔法とかは話してあるんだから私とはやての事なんて今更か。
 つっても、私等の前世のラストはあんまし聞いて気持ちの良いモンでもないでしょ?


 「「「「「前世!?」」」」」


 やっぱし驚くし。
 ま、当然か。

 「そ。私とはやては前世の記憶があるんだよ。で、本屋ちゃんと朝倉は前世での私のクラスメイトって訳。」

 「私の使うカード…なのはちゃん達も私の前世での親友と家族や。」


 此処まできたら、もう良いでしょ?
 全部話しちまいますか。

 「けど前世って言っても、この世界の過去じゃないの。私が前世で死んだのは2003年の夏。」

 「私は新暦82年。西暦で言うなら2021年やね。」

 「な、裕奈は去年ではやては今よりも未来だと!?」


 そうなるね、私は転生にしても年齢計算が合わないし、はやてはずっと未来なんだよ。
 でも事実なんだ、埼玉県の麻帆良学園都市なんて聞いた事無いでしょ?


 「無いですね。というか学園都市など日本では…」

 「今現在存在してない。やったら海鳴市って所は?ミッドチルダ言うのも聞いた事無いやろ?」

 「無いわねぇ…少なくとも今までは。」


 つまりそういうこと。
 私とはやては此処とは違う世界で人生終えたんだよ。

 「更に言うと私が居た世界とはやてが居た世界もまた違うのよ。」

 「俄かには信じがたいことだな…」

 「でも、そうだとして裕奈とはやては如何して此処に居るんだ?」


 其れについてはなんとも言えないんだよね。
 気がついたらって感じでさ。


 「言うなれば奇跡やろな。」

 「だがそうだとして…其の2人は裕奈に驚いていたが…?それに前世のラストは聞いて気持ちの良いものじゃないというのも…」


 やっぱ、避けては通れないよね。

 「私とはやてはさ、若くしてこの世を去ってるんだよ。私の享年は15歳。」

 「私は25歳や。私も裕奈も世界を二分にする戦いの中で…な。」

 「「「「「え!?」」」」」


 ま、当然の反応か。
 世界を二分にする戦いとか言っても想像できないだろうし。


 「世界を二分て…お二人の世界では戦争が?」

 「戦争って言うのはちょっと違うかな…え〜っと…」

 「世界を如何にかしてまおうって言うテロリストが居って、私と裕奈はそいつ等を止める側の人間やった言う事。」


 そう、其れ。

 「私の方は、相手の計画の為に拉致られたクラスメイトの奪還と計画発動に必要なアイテムの奪取が目的でね。
  首尾よく奇襲は決まったけど、相手が放った『石化の槍』ってのが無数に襲ってきてさ、特に本屋ちゃんには10本以上も。」

 『あ…あの時は本当にありがとうございました…物凄い狙われてたんですね私って…』


 アンタの能力やばいからしょうがないって。
 それに、アンタの能力はあの場では要と言っても過言じゃないからね、守るのは当然でしょ。

 「で、やべーなって感じだったんだけど、事前に使ってたドーピングの効果が残ってて突然周りがスローモーション。
  其れ利用して2丁拳銃で其の槍を撃ち落しまくった訳だけど、残り3本て所でお約束的に弾切れ。
  1本は腕伸ばして防いで、もう1本は他の子が其の身を呈して……そう言えば朝倉、さよちゃんどうなったの?」

 『其の後石化が解けて無事復活。けどアンタは…』


 うん、分ってる。
 無事だったら私は此処に居ないから。

 「完全に石になるには時間があって残る1本を探してたら…胸にぐッさり。
  既に石になってるところに刺さってくれればよかったんだけど、流石に心臓とか死ぬって…
  逝く前に一番頑張ってた子に最後の元気あげて、覚えてんのは其処まで。
  それで、物心付いた時には前世の記憶があったってわけ。」

 「「「「「……」」」」」

 「私の方は、別の事件で逮捕した犯罪者が脱獄して私等に復讐して来て、ミッドの街全体を無差別攻撃したんよ。
  まぁ、主犯は捕らえたんやけど、奴さんの最大の武器やった戦闘艦は撃墜するより停止方法が無くてな。
  私のシンクロの中のアインスとオーガを除く全員で突入して戦力的には充分やった。
  せやけど、艦内部は私等の力を大きく制限するモンが働いとってな、対策はしていってたんやけど相手の方が上やった。
  艦内の無人機械兵を何とか打ち倒しながら進んでったけど……動力炉まで辿り着けたんは私1人。
  その私も、既に致命傷喰らっててもう助からないのは分ってんやけど『此れだけは絶対におとさなアカン』思てな。
  最後の力全部使って動力炉を木っ端微塵…覚えてるのは其処までや。
  で、9歳の時に突然前世の事思い出して、10歳の時に裕奈に出会って今に至るわけや。」


 改めて聞くと壮絶だよねはやてって…私も人の事は言えないけど。
 あ〜…流石に皆沈黙るか、しゃーないけどさ。


 「2人ともスゲェな。」

 「「十代?」」

 「だってそれで世界を救ったんだろ?本物のヒーローじゃないか!そりゃあ死んじゃったのは厳しいかもしれないけど…。
  でも、其の時の仲間が今はカードになってるんだろ?それに前世の記憶とかは関係ないさ。
  裕奈は裕奈ではやてははやてだろ?今は俺達と同じデュエリスト、其れで良いじゃないか。」

 「「………」」

 「俺、何かへんなこと言ったか?」

 「「…ぷっ、あはははははははは!!」」

 「な、何だよ2人とも!?」

 「ご、ゴメンゴメン。別に十代が変なこと言ったわけじゃなくてさ。」

 「この面子なら話しても大丈夫思たけど、ホンマに大丈夫やったな。」


 だね、前世に捕らわれてるつもりは無いよ?
 私もはやても『今』この世界で生きてる訳だからさ。


 「十代の言うとおりだな。過去が何であろうと、此処に居るお前達の存在が変わるわけではない。」

 「少し、驚いたけど……前世の記憶持ちなんてミステリアスじゃない?そういうのも素敵よ…♪」

 「まぁ、驚きましたけれど…魔法とかカードの精霊とか…もう、前世の記憶くらい持っていても驚かないと言いますか…」

 「時たま妙に大人っぽい感じがする事が有った事に納得したっす。」


 適応力の凄い事だね〜。
 店長に至っては全然驚いてないし。


 「転生者、カードの精霊、同居人が人外――今更何に驚けと?」

 「「そりゃそうだね。」やな。」

 『凄い人達ですね…』

 『だね。つーか、転生とかマジで?って感じだけど私等も人の事言えないよね。』


 ま、コイツ等こんな感じだけど皆良いやつ等だからね。
 でさ、2人とも私のカードの精霊って事になっちゃったんだけど如何する?


 『如何するも何も、もうカードになってんでしょ私と宮崎は?成仏できそうにも無いしアンタと一緒に居させてもらうさね。』

 『其れが良いだろう。』

 『はわっ!?』

 「アインス、どう言う事や?」

 『彼女達の魂は既に精霊化していますが、未だカードに定着はしていないんです。
  カードに定着していない精霊は酷く不安定で、ともすれば存在が消えてしまう可能性が…
  幸いにして、彼女達の現界と同時に入るべきカードは出来上がったようなので、後は其処に定着させるだけです。』

 「あ、朝倉達は未だ完全じゃなかったんだ?」

 エフェやなのは達と比べると微妙に『薄い』感じがしたのは其のせいなのね。
 で、如何すれば良いの?


 『2人が完全にカードの精霊になるというのなら私の力で、嘗て将達にしたのと同じ事をすれば良い。』

 「成程。だとさ。」

 『だから良いって。此処で会えたのも何かの縁、色々積もる話もあるからね。』

 『私も精霊化をお願いします。消えるのは…やっぱり嫌ですから。』


 だよね。
 私からもお願いするよ、やっぱ大事なクラスメイトだったからこのまま消えるのは…ね。


 『分った。では存在をカードに定着させる。其のカードを貸してくれるか?』


 これね、はいよ。


 『よし…其れとお前達の名は『朝倉和美』と『宮崎のどか』で間違いないな?』

 『はい。』

 『そのとおりだよ。』

 『うん。…では…太陽神ラーの名の下に、『朝倉和美』『宮崎のどか』両名の魂(バー)を昇華せよ。
  石版(ウェジュ)に其の存在を刻み、精霊(カー)としての新たな姿を現せ。
  其の名は『ジャンク・ライブラリアン』『ヴァルキリー・ジャーナリスト』…召喚せよ!』



 ――カッ!!



 うお!こりゃまた強い光が…今日は閃光喰らう日だな〜…


 「ほい、裕奈グラサン。」

 「あんがと。つーか用意良いねはやて?」

 「何となく予想付いたからな〜。」


 さいですか。
 さてと、光が弱くなってきた…終わったかな?


 『終了だ、無事に儀式は完了した。カードも此れで完璧だ。』

 「あんがと。…うん、朝倉と本屋ちゃんのイラストが入った!」

 此れで2人は私のカードの精霊ってことね。


 『ま、宜しく頼むよゆーな。』

 『宜しくお願いしますねゆーなさん♪』


 おうよ、こっちこそ宜しくね!

 「そんじゃ、新人を歓迎して…と、エヴァちゃんアンタもやるんだぜ?」

 「な、何故私まで!?」

 「…嘗てのクラスメイトを迎えるのが嫌?」

 「ぐ、そういう訳ではないが…」


 なら良いじゃん。


 「おい、待て未だ私は!!」

 「(無視)はやて。」

 「わかっとるって、なのはちゃん、フェイトちゃんシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、ツヴァイ、アギト…オーガは無理やな。」


 室内だしね。
 ほら、エフェも。


 『は〜い♪』

 「ユベル、ハネクリボー。」

 『分ってるよ十代』
 「クリクリ〜」

 「光と闇も室内では無理か…まぁ紹介は後でにするか。」


 其れで良いんじゃね?
 それじゃあ、せーの…


 「「「「「「「「「ようこそ、」」」」」」」」」
 『『『『『『『『『『『デュエルアカデミアへ!』』』』』』』』』』』
 「クリクリ〜〜〜♪」


 『はわわ…盛大な歓迎です…』
 『ま、良いんじゃないこう言うのもさ?』


 ちょいと驚いたけど、こういう再会の仕方もありかな?
 ま、これから頼りにしてるぜ本屋ちゃん、朝倉!














   To Be Continued… 



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