第三話
現在、ミュウに連れられながら海岸に向かってます。
だけども…
「なぁ、ミュウ。ほんとにここで合ってるのか?」
『うん、あってるよ。』
…目の前にあるのはどう見ても地下への入り口っぽい洞窟なんです。
『行くよー…えいっ!』
「え…ちょ、押すな!あ…」
俺は"アーーーーー"と叫びながら縦穴の洞窟に落ちていった。
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「いつつ…。おいミュウ、いきなり押すな!」
ぶつかる瞬間、メタモンに戻り事なきを得た。
…いやー危なかった。
『ごめん。コースケなら変身すると思ってたから…』
そう言ってミュウは泣きそうな顔をする。
「うっ…まぁ俺が変身すればよかったけども…って泣きそうな顔をするな!」
…俺が悪者みたいな気がするぞ…。
「…あーそれでだ、ここは砂浜なのか?」
『うん、そうじゃないの?』
「いや、まだ洞窟の中だと思うが……でも波の音が聞こえるな。」
微かだが生き物の腐った臭いもする。
あ、鼻の刺す感じの奴ね。
『ほら、あっちだよ。いこ、コースケ。」
「おう、行く行く。」
そして俺とミュウは穴の下から歩き始めた。
「…あ、そうだミュウ。」
歩きながらミュウに話しかける。
『なに、コースケ?』
「俺、島から出るんだけど…」
『え…』
ミュウは立ち?止まり、こちらを見た。
「それで相談なんだけど…『嫌だ!!』…え?」
『コースケ行っちゃダメ!!僕と一緒にいて!!』
「いやいや待て待て。話を聞け!」
『嫌だ嫌だ、僕と一緒に居てよ!コースケ!』
ミュウは話に取り合わず"げんしのちから"を放って来る。
「あーもう!仕方ないな…!」
、
俺は"八雲紫"になり、"げんしのちから"で飛んできた岩"境界を操る程度の能力"を使って"スキマ送り"にし、それからミュウの意識を失わせた。
「おーいミュウー。起きろー」
ペシペシと持っている扇子でミュウの頬を叩く。
『ううん…』
「おーい、起きろー」
ペシペシ。
『ううんー…』
…まだ起きない。
「もう、起きろってば!!」
ベシ!と今度は強めに叩いた。
『いったーい!…なにすんのさ!!って誰!?』
「あ、そうか元戻ってなかったな。」
そう言って俺は"八雲紫"から元に戻る。
「いやー悪い、強くしすぎた。それで、さっきの続きなんだけど…」
『なんだか色々聞きたいことあるんだけど……コースケ、島から出て行くの?』
「あぁ、出て行く。」
『やっぱり出て行くんだ…』
と、ミュウは俯く。
「まぁまて。聞きたい事があるんだって。」
"…なに?"とでも言いたげな様子でミュウは此方を向く。
「一緒に行くかミュウ?」
『え…』
質問を聞いたミュウは"何を言ったのか分からない"という顔をしてポカンとする。
なので俺はミュウを正気に戻すためもう一度聞く。
『いいの…一緒に行っても…?』
そしてミュウは不安げに俺の顔色を伺う。
俺は心配させないように
「大丈夫だ、問題ない。」
と、ドヤ顔で決める。
『………』
「………」
この沈黙…辛いぞ…!
「なんか反応しろよっ!」
『……ぷぷ、あはははは。コースケ似合って無い…!』
「元気がづけてやったのに酷い言われ様だ!!」
まったく、酷い話だよ!
『あははは。ごめんよコースケ…でも良いの?…ホントに着いて行っても。』
「いいいい。気にすんな。…じゃ、行こうミュウ。」
『うん…わかった。こっち来て!』
そして俺達は再び歩き出す。
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しばらく歩いていたら波が押し寄せてくる所に着いた。
「んー…波が荒れてるな。」
ザッバーンと効果音がつきそうな勢いで波が岩にぶち当たってる。
『ねぇ、ホントに島から出られるの、コースケ。』
心配そうな表情で俺を見てくるミュウ。
「ふっ…俺に不可能など…有るけど無い!!」
『あるんじゃないかー!』
「まぁまぁ…安心しろって。」
"見てろよ〜…"と俺は"ホエルコ"になりながら言う。
『おおー見たこと無い…。で、どうすれば良いの?』
ミュウは見たことの無いポケモンの姿で感嘆の息を漏らしている。
俺は「とりあえず乗れ。」と言って背中に乗せる。
『りょうかーい』
「じゃ、行くぞー」
と言って海に降りた。
しばらくして俺は"ホエルコ"から"ラプラス"に変身し、泳ぎながらミュウに話しかけた。
「なぁ、陸ってどの方向にある?」
『うーん……あっちかな?』
とミュウは(多分)東のほうをさしながら言う。
「そっか。
…じゃ、ゆっくりと行きますか。」
そして俺達はまだ見ぬ大陸へとのんびりと進んでいくのであった。
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ミュウの口調が安定しません。
ご了承ください。