小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第六話


 さて、六課解散から数日がたったある日。

 朱音やウルナ、竜也と騎士団もそろそろ元いた世界へ戻ることになった。というかそこで、

ウル「葵もこない〜?」

 と、ウルナが言ったことが発端であることが起こった。

葵「ふむ。ではちょっと遅い新婚旅行に行くか」

竜「確かにそうだな。結婚して新婚旅行なしでお前ら仕事をぶっ続けで行っていたからな」

 実際竜也達や騎士団にも治安回復や復興を手伝ってもらっていた。

葵「というわけだ。どうだろうか?」

 その話を六課解散後購入した家に帰り、なのは達にすると、

な「ん〜。でも仕事はどうなの?」

葵「その件については問題ない。人事部の方からお前らに有休を使うよう頼まれた」

 そう言って人事部から渡された書類をそれぞれに見せると、

フェ「こんなにあったんだ・・・・」

アリ「たまってるね」

 それを見たアリサが、

ア「あ、あんた達働き過ぎでしょ・・・・よく過労死しなかったわね」

は「せやな〜。でもちょっと前まで管理局の死亡率のトップスリーのうち過労死は確実にはいっとったな」

アイン「確か葵のおかげでそれを回避できたんでしたよね」

 そりゃそうだ。特に陸の死亡率のうち大半が過労死・・・。そのため配置の割合を決め、広域探索の凍結をすれば仕事を割り当てあられるため生存率が上がる。単純なことだが実績としては大きい。

 と、話はずれたがとりあえず、

葵「お前らの休みは一通り取れて入るんだ。というかお前ら休めよ。人事部泣きついてきたぞ」

 というのもこのことが決まる数時間前、ウルナと話していると、

葵「はぁ。なるほどね。とりあえずはやてたちと相談だな。ドゥーエ達は来れるか?」

ドゥ「はい。ドクターたちにも聞いてみますね」

ウル「じゃあ決まったら連絡してね♪」

――バンッ

 そう言って勢いよく総統室の扉を開けてくるのは確か局の人事部の者。

葵「ん? どうかしたか? 急ぎの書類か?」

人事「そ、総統! あなたの奥さん方に命令してください!! これではこちらが悲鳴をあげてしまいます!!」

葵「え? どういう意味だ?」

 状況がつかめないまま人事部の言い分を聞くには、

人事「総統の奥様方が一向に有休をとってくれないせいでかなりたまっているんです! さっさと消化してもらわないと来年の編成にまた支障が出てしまうんです!」

 そう言って泣きつかれて、その書類をざっと見ると、

葵「・・・・これは無いだろ」

ウル「オーバーワークにもほどがあるわ・・・」

ドゥ「うわっ、これは酷い・・・」

葵「・・・分かった私の方から言っておこう」

 ということで今に至ります。

葵「というわけでお前らには強制的に二週間休みを取ってもらうことになった。引き継ぎの方はもうすでにこちらで手を打ってある」

ヴィ「準備いいな!?」

葵「こうでもしないとお前ら休み取らないだろ」

 あきれながら私は溜息を洩らした。

シ「だが葵の方が仕事の量は多いのではないのか?」

 すると、ヴェルが、

ヴェ「はい。確かに量は多いのですが、その、処理能力が・・・・」

孤「葵は前の世界で獅子皇と呼ばれた皇族だよ。その辺のスキルは完璧で同じ量をやらせたら多分葵の方が早く終わるね」

シャ「え? じゃあ・・・・」

ティア「私達より明らかに量は多いはずなのに・・・」

ス「仕事はもう終わっていると!?」

葵「あぁ。というかそれぐらいの能力は持ってるぞ?」

カ「ここまで来ると本当にチートですね・・・・」

ギ「まさか魔法だけじゃなくて、事務処理においてまでなんて」

 と、新たな発見という感じだな。

エリ「ちなみにどこへ行くんですか?」

キャ「管理外世界ですか?」

葵「まぁ、そう言えばそうなるか」

翼「? その様子だとなんか違う感じですね」

イク「確かに。父上。どこなんですか?」

葵「第97管理外世界地球」

全員「え!?」

葵「ただの地球じゃないぞ。私が元居た地球だ。つまり平行世界の地球。魔法が発展したな」

全員「えぇええええええええ!?」

 





 で、現在は月面第7艦隊旗艦隊第1艦隊の旗艦にいる。

龍牙「久しぶりだな葵!」

 彼の名前は睦月(むつき)龍(りゅう)牙(が)。Familyにおけるナンバー?だ。

 だが、実際は騎士団におけるナンバー2。彼はかなりのずぼらで、何かといって仕事をさぼる。実際蒼穹の騎士団の序列を決める時も大半の、というよりも彼を除く全員が彼を押したが龍牙自身がそれを拒否し無理やり私に押し付けた。そして龍牙自身は宇宙における艦隊大提督という立場に落ちついた。

 で、今は。

な「・・・・葵君達の世界の技術ってすごすぎるの」

フェ「局の艦隊以上だよこれ・・・・」

は「葵君が敵に回ったらこれ全部敵に回すようなもんやな・・・・」

アリ「想像しただけで怖いよ」

 現在月面第7艦隊の第一艦隊は大体15隻の艦(主に種運命の主力艦隊)からなる部隊で編成。で、お遊びで道実が

道『あの作品の人型兵器を作って見せるさね!! ほかにも作りたいものがあるからやって見せるさね!!』

 で、実際にあのシリーズの兵器を作っています・・・・何時の間にこんなに量産に成功したのかは私も知りませんでしたが・・・。
 で、現在はGシリーズにも着手しているとか・・・過剰戦力だよね。これ?

葵「しかし軍力の拡大しすぎだろ・・・」

龍「いやいや、実際役に立ってるぜ。対国家戦なんて楽で楽で。こないだ自称正義の国家なんて歌ってる奴らをケチョンケチョンにしてやったし」

 うわ〜。御愁傷様だわ。

葵「ちなみに先遣艦隊にはだれが?」

竜「一応道実とウルナを向かわせた。葵からの伝達もすでに言ってある。あっちに着いたらセルゲイ医師からの診察もできてもらうそうだ」

シ「? 葵はどこか体調が悪いのか?」

ヴィ「なに?!」

葵「違う。診てもらうのはお前らだ。特になのは」

な「ふぇ!? わ、わたし!?」

(マスターは今回の元の地球への帰還は、まずなのはちゃんのリンカーコアの修復を第一に考えて計画されております)

(後は他の奥方達のリンカーコアの検査も兼ねている。実際あっちの魔法医療技術の方が高いからな。あと、ナンバーズにおける回路も見てもらう予定だ)

ジェ「回路?」

葵「まぁ、定期健診などに使う道具をあっちで必要な者はそろえておけというわけだ」

な「そ、そうだったんだ」

葵「とりあえず地球へ向かおう」

龍「了解だ! 野郎ども! 全力で帰還だ!! 我らが皇の凱旋も兼ねてんだ!!」

クルー達「おぉおおおおおお!!!」

 と、威勢良く雄たけびを上げた後、わずか数十分で地球到着。

葵「・・・・・どんだけ早くなってんだよ!?」

龍「戦争はスピードが命! というわけで月面基地第8ドックに入港!」

ス「もう何でもありなんだね・・・・」

ティア「・・・もう驚くのもバカらしい」

 その後慣れていない無重力に皆四苦八苦する中、

葵「この感じも久しぶりだな」

ジェ「おぉ! これは楽しいな!!」

ウーノ「でも。なかなか難しいですね」

翼「おぉ。これが無重力ですか」

 と、なれた感じの私と、すぐに感覚で覚えた翼とウーノ。で、楽しんでいるジェイル。

 しかしこの状況になれない者達は。

シ「な、体が?!」

ヴィ「どうやって前に進むんだよこれ!?」

シャ「どうなってんですか!!」

 と、なってるためとりあえず重力魔法をかけてとりあえず歩けるようにした。無重力の方が慣れれば楽なんだが。

 その後転送ポートから地球に向かった。
 

-160-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




魔法少女リリカルなのはtype (タイプ) 2012 AUTUMN 2012年 10月号 [雑誌]
新品 \0
中古 \1397
(参考価格:\820)