第一一話
さて、新婚旅行兼慰安旅行も終わってかれこれ一週間がたった。
すると、ゼストからある依頼、というか【不の者】を見つけたと聞いたので急いで隊舎に行き報告書を見ると、
葵「・・・・これは本当か?」
ゼ「あぁ。オレも最初は疑ったが事実だ」
葵「となると連れていける人の数も限られる。最大で3か?」
ゼ「いや、4だ。道実が多少の無理は可能だといってきたのでな。何でも道実とジェイル、すずか、アリシア、プレシアの科学者組が無双を起こしたみたいだ」
葵「・・・・何やってんだあいつら!? しかしこれで私とあと三人―――か」
ゼ「部隊の方で考えるとヴェル、孤狐、八神・・・・いまは神無月だからはやて、シグナム、ヴィータ、シャマル、アインか?」
葵「残念ながら旧八神家は全員がではらっていてな」
ゼ「違法魔導師か?」
葵「あぁ。その援護に孤狐も。となると自動的にヴェルになるのか」
そう思い、私は急いでヴェルを呼び寄せる。
ヴェ「葵様。およびでしょうか?」
葵「あぁ。ちょっと任務でな。ん? 後ろにいるのは・・・はやてたちか?」
は「せや。頼まれとった仕事が早めに終わってな。後シグナムはティーダと別件の事件や。ヴィータは教導へ、シャマルはそのまま医務室。で、私とアインが報告に来たわけや」
私はゼストと顔を見合わせ、
ゼ「はぁ。なんともまぁ、タイミングが良いな」
葵「全くだ」
アイン「? どうしたのだ?」
は「ヴェルはなんか聞いとん?」
ヴェ「いや。私も今来たとこだ」
葵「これからある場所に【不の者】討伐に向かう」
は・アイン・ヴェ「「「―――ッ!?」」」
その報告を聞いた三人は一気に顔が真剣な表情になった。
は「葵君、いや孤狐は葵隊長といった方がいい「今までの呼び方で良いぞ」そっか? じゃあ葵君。場所はどこや?」
葵「聞いて驚くな。場所は地球の海鳴だ」
アイン「なっ!? それなら急いでなのは達を!」
葵「それが出来れば苦労しないんだって」
ヴェ「? わけありなのですか?」
ゼ「あぁ。この世界(・・・・)の海鳴なら問題ないんだがな」
葵「場所は平行世界の海鳴。それも時期が闇の書事件解決からおよそ三ヶ月後」
は「はぁ!? 闇の書事件ってあの異端児事件とも言われたあれやろ!? あれならもう数年前やないか!?」
アイン「主。葵の御言葉をお忘れですか? 平行世界。つまり」
は「過去・・・いや、それも可能性の世界の過去ということか?」
葵「そう。だから多少の未来を話しても大丈夫だとは思うが、余り話さないよう心がけてくれ」
ヴェ「いや葵様。はやてたちが行くことでもうそれは不可能だと思うが・・・」
葵「大丈夫だろ。その辺はなんとかなる・・・・はず」
は「あははっ・・・・しかし、リインは大丈夫なん?」
ゼ「リインぐらいなら大丈夫だそうだ。あと三提督に頼んであちらとコンタクトをとることに成功した」
葵「それでどういう反応が?」
ゼ「あぁ。どうやら協力してくれるみたいだ。後階級上お前が上だから全権任せるとのこと。指揮権もいざとなったらとって言ってもかまわないと」
葵「そうか。えらい大盤振る舞いだな。なら、明日の早朝に出発する。準備などをしといてくれ」
は・アイン・ヴェル「「「了解!」」」
そういって三人が元気よく敬礼をして返事をした。では私も準備をするか。
するとゼストが、
ゼ「後道実からの伝言だ」
葵「ん?」
ゼ「『今日ルミルとエクスを調整のため回収したさね。調整とメンテナンスを行うため一週間後に返却するさね』だそうだ」
葵「・・・・どうやって戦えと!?」