小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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デート編 ヴィータ

 
 あぁ・・・何だろこのデジャブ・・・

 現在、私の腹の上で寝ている赤髪を三つ網にしている少女・・・まぁヴィータですね。

葵(昨日のはやてよりかはましか)

 そう言いつつもヴィータの頭をなでる。隣を見るとどうやらはやてはもう起きたみたいだ。

葵「それよりも、そろそろ起こすか。ヴィータ。ヴィータ」

ヴィ「ん・・・・はっ! ヤベッ寝ちまってた!」

 おこしに来る予定だったのか?

葵「大丈夫だ。まだ9時だぞ」

 自分で言っといて何が大丈夫なんだ?

ヴィ「そ、そうか///?(やっぱり葵と一緒に寝ると安心する///)」

 よくよく考えればここ最近皆と一緒に寝るな・・・精神が! 理性が危ないが!!

葵「今日は出かけるのだろ。どこへ行くんだ?」

ヴィ「お、おう。ここだ!」

 見せてくるチラシは【新規オープン 33】・・・・え? 三十一じゃないのこっち?

葵「分かった。では着替えるとしようか」

ヴィ「おう! 待ってるから早くしろよ!」

 本当に元気だな。ようやくつかんだ幸せなんだろう。普通に笑って普通に出かけて。その普通を手につかめずようやくつかんだ日常。

葵「・・・そのためにも護ってやらないとな」

 着替えを終えリビングに向かい朝食を食べ終えると、そのままヴィータに手をひかれて、外出へ・・・

葵「だが、驚いたな」

ヴィ「なにがだ?」

葵「いや、大したことじゃないんだが。てっきり待ち合わせでもするもんだと思っていたんだが」

ヴィ「い、いいじゃねぇか! そんな細かいこと///!(一秒でも長く葵と一緒にいたいなんて言えるか///)」

 そう言いながらもヴィータは握る手の力を少しだけ強めた。

ヴィ「でもホントは、はやてみたいに腕を組みたいんだけどな・・・」

葵「まぁ、それは仕方がないだろ。何ならお姫様だっこで一日過ごすか?」

 冗談で言ってみたが、

ヴィ「い、いいのか!?」

 あれ? 予想より斜め上の回答が・・・え、マジ!?

ヴィ「ダメ・・・なのか?」

 この視線は反則だろ!? 上目づかいに涙目って・・・今さらだが私はこんなキャラだったか?

作者:そっちの方が面白いじゃ・・・まて、そのフライパンは・・・ギャアァアアアアア

ヴィ「葵? どうかしたのか?」

葵「いや、なんでもない・・・言い始めたのは私だ。本当にいいんだな」

ヴィ「あ、あぁ///(恥ずかしいけど///でも、葵といられるなら!)」

葵「わ、分かった///」

 私も顔が熱いのがわかるが、言ったのは私だ。

 そう思いながらもヴィータの身体を抱きかかえる。

葵「軽いなちゃんと・・・食べてたな」

 食べてるかと聞こうとしたがヴィータはしっかり食べる料理は残さず食べている。

 ヴィータの食事は作った側から見ればとても気持ちい食べっぷりだ。

ヴィ「はやてと葵の料理はギガうまだからな!」

 話をしているといつの間にかそのアイス屋についていた。意外と話に夢中になっていたようだ。

葵「ちなみに何を頼むんだ?」

ヴィ「バニラにオレンジシャーベットに、あとは・・・このブルーハワイって何だ?」

 何でかき氷のシロップが?

ヴィ「物は試しだ。あとはこのミント!」

葵「私は・・・これと、あとはホットの紅茶を二つ」

ヴィ「二つ?」

葵「私とお前とだ。体を冷やさないようにするための予防。ヴィータは女性なんだ。その辺はちゃんとしろよ」

 そういって頭をなでる。

ヴィ「お、おう///(やっぱ葵の手は大きくて暖かい///)」

店員「お会計は」

葵「これで」

 そういってお金を支払うと、

ヴィ「あたしが出すって!」

葵「ここは男にはらわせてくれ。女性にはらわせると言うのはなんか気が引ける。それにデートなんだろ?」

ヴィ「うっ。分かった///(あ、葵とデート///)」

店員(こんな人が彼氏さんってうらやましいかも・・・)

 会計を済ませた後、席に着く。

葵「ふむ、なかなかだな」

ヴィ「ん〜♪ ギガうまだぜ!」

葵「もう少し落ち着いて食べろ。ほら、口のまわりアイスがついてるぞ」

 そうって置いてあるナプキンで口を拭く。

ヴィ「んっ。ありがとう///」

 すると、ヴィータがこちらにスプーンを渡してきて、

ヴィ「なら葵が食べさせてくれよ///」

葵「あぁ。構わないよ。ほい。あーん」

ヴィ「あ、あーん///」

 顔を赤くしながらもちゃんとアイスを食べるヴィータ。その顔はかなり幸せそうだった。


SIDEヴィータ


 あの後もう一回お姫様だっこをしてもらいそのまま移動。こ、これは恥ずかしい///

 そして行きついた場所ははやてと来たことがあるおもちゃ屋。

葵「でもなんでここに?」

ヴィ「これだ!」

 あたしは一枚のポイントカードを見せた。

 それはこのおもちゃ屋である程度ポイントをためるとそのポイントと景品を交換してもらえる。

葵「ほぉ。で、その分はたまったのか?」

 ここはおもちゃだけじゃなくお菓子、ジュースなどもうってるためポイントはたまりやすい。

ヴィ「おう! だから今日はその交換だ!」

葵「そうか。(ん? これは確か)」

 葵はある処で止まり、何かを見ていた。

ヴィ「どうかしたか?」

葵「いや。持っていない新しいシリーズのぬいぐるみかと思ったが違ったようだ」

ヴィ「ま、まだ集めてるのか!?」

 葵の部屋は今では三か所ほどメルヘンだ。あるのは一般的な机とイスに本棚。だが、三か所だけぬいぐるみが占めメルヘンというか、明らかにシンプルな部屋なのにそこだけ場違いなのだ。

葵「なにを言うか! まだ集めるにきまっている!」

ヴィ「そ、そうか・・・」

 それより交換だ!

店員「すまないね。それはもう交換の品が切れちゃってて」

ヴィ「な、なんだってぇ!?」

 あ、あの【黒い呪いウサギ】が・・・

葵「ん? どうかしたのか?」

ヴィ「あ、あおい・・・けいひんが・・・・」

 その後、葵に状況を説明した。

葵「・・・・あれ? 黒い呪いウサギって売ってませんでした?」

ヴィ「え?!」

店員「そうだったかね?」

 葵は手に持っていたぬいぐるみを取り出すと。

葵「ほら。値札も。ちょっと埃がかぶっていますが」

店員「本当だね。じゃあポイントとこれを交換でいいかい?」

ヴィ「もちろんだ!」

 その後はポイントと引き換えにぬいぐるみをもらった。

 その後は家に向かって帰る。


SIDE Out


 さて、かえり道はヴィータのご要望により手をつないで帰っています。

ヴィ「葵。ありがとう」

葵「え?」

ヴィ「葵がこのぬいぐるみを見つけなかったらあたしは後悔してた。ううん、諦めてた」

葵「お、重いな・・・」

 いきなりの発言はちょっと重かった。内心ではぬいぐるみ一つで? と思ったが、次の言葉でその意味がわかった。

ヴィ「はやてを助ける時もそうだった。あたしたちだけだったら多分、ううん。絶対に後悔してた。闇の書の完成がはやてを苦しめ、それを突破できてもアインやヴェルが・・・え」

 言い終わる前に私はヴィータの頭に手を置いた。

葵「気にするな。過去は過去だ。そして今ははやても自分の足で歩いてるだろ。アインもヴェルもいるだろ。それが現在(今)だ。そしてこれからの未来もな」

ヴィ「うん。あ、葵ちょっといいか」

 手招きをされたので、腰を下ろすと、

ヴィ「今日はありがとな」

―ンチュッ

葵「!?」

ヴィ「あたしはお前が好きだ! 誰よりも! そして誰にも負けるつもりはねぇ!!」

 ヴィータは私にキスをしたのちそう宣言した。

ヴィ「じゃ、じゃあ帰ろうぜ///!」

 そのまま手を引っ張られて帰路についた。


 当然のようにその日、ヴィータと一緒に寝た。

ヴィ「ん〜/// 葵〜♪」

 と、夢の中でもどうやら私といるらしい。

(次は誰だと思う?)

(シグナム、シャマル、アイン、ヴェル。それに孤狐様か・・・シグナムと見た!)

(根拠は?)

(なんとなく。というか私たちにも順番が明かされていないとはどういうことだ!?)

 そうだったのか。てっきりお前らは知ってるモノだと思っていた。

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