小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第18話 HOLIDAY Part1


オレが目覚めてから一ヶ月が経った。

この一ヶ月で今までのオレの生活と変わったことが3つある。

1つ目。
オレの初めてのS級クエストは依頼人のビランさんが亡くなったため成功とは言えず、承認試験も受けていないオレはS級魔導士の資格を取り消されると思っていた。
けれどもジイさんはそのままオレをS級魔導士として認めてくれた。
ジイさん曰く『アクノロギアと戦って五体満足で帰ってきたやつがS級でなくてどうする』らしい。
そんな訳で、オレは修行も兼ねてたまにS級クエストにいくようになった。

2つ目。
最近気づいたのだが、従来のPSIの発動方法に加えイメージの段階で魔力を込めることにより技の威力が格段に上がることに気づいた。
しかし、まだ全てのPSIを完全に扱えていない事と魔力の絶対量が足りないせいもあってまだあまり多用できない。
しかも疲労度が半端ない。その為、すぐにバテてしまう。

オレは暇な時間ができると、PSIの熟練度と魔力の絶対量を上げる特訓をするようになった。

ちなみにアクノロギアとの戦いでオレは暴王の扉を開いたけれど、ノヴァを覚えるという段階をすっ飛ばしてしまった為、あれ以降一度も使えていない。
ノヴァを覚えれば自由に使えるようになると思うんだけど……まだまだ習得には時間がかかりそうだ。

そして3つ目。
これがおそらく一番大きな変化だ。
レナがオレと一緒に暮らすことになった。
オレがアクノロギアとの戦いのせいで眠っていた間はジイさんの家に居候していたのだがオレが目を覚ました後、オレと一緒に暮らしたいと言い出したらしい。
オレも異論はなかったので一緒に暮らすことになった。
レナは大抵昼間はギルドにいて、ギルドのみんなに魔法を教えてもらっている。
しかし、自分に合った魔法が見つからないのかまだうまく魔法は使えていないようだった。
まあすでにギルドマークをオレと同じ右腕につけているのでジイさんもレナの才能は認めているのだろう。
そういうわけで心配はしていない。

後、余談だがレナのオレへの呼び方がアゲハ兄に変化した。
こっちの方が呼びやすいからだとか。
まあオレはどっちでもいいんだけど。

レナと暮らすようになってからオレは家族といるような安らぎを覚えるようになった。
レナの事はまるで本当の妹のように大切に想っている。
レナもオレの事を兄のように慕ってくれていて、オレの家は以前と比べて大分雰囲気が明るくなった。

レナに感謝しないとな……



さて、今オレは早朝の修行を終え、ギルドに向かっている。
この一ヶ月、真面目に修行したお陰で魔力の絶対量はエルザ並みに増えた。
PSIの熟練度も原作キャラと同等とまでは行かないけれどかなり上達した。

でも、これだけではまだ足りない、もっともっと強くならないと……

そんなことを考えているうちにギルドに着いた。扉を開け、中に入る。

ミラ
「あらアゲハ、おかえり。また修行してきたの?」

ギルドに入るとミラがオレに声をかけた。

アゲハ
『ただいま。ああ、今日はいつもより張り切ったからかスッゲー疲れた。
ミラ、何かメシくれ』

時刻はただいま朝の8時。ちょうど朝飯時だ。

ミラ
「分かったわ。ちょっと待ってて」

そう言ってミラは厨房へと入っていった。

レナ
「アゲハ兄お疲れ、大丈夫?」

レナがオレに気づいたのかこっちに寄ってきて、声をかけてきた。

アゲハ
『大丈夫大丈夫、ちっと疲れただけだから』

レナ
「あんまり無理しないでね」

レナが心配そうに言ってくる。

ミラ
「ホント、アゲハってば目を放すとすぐ無茶をするんだから」

料理を持ってきたミラがレナに同意するように言った。

アゲハ
『ミラ……そらちょっと言い過ぎじゃね?』

ミラ
「事実でしょ」

アゲハ
『う……』

そう、ミラの言う通りオレは一ヶ月前に目覚めた日の翌日から暇さえあれば修行していたので一度寝不足と過労で寝込んでしまった。
その際に、ミラやレナ達に無茶はしないよう釘を刺されたのだった。
それ以後、ミラを怒らせないためにも無茶な修行は控えている。

ミラの奴怒ると本気で怖いんだ。いやマジで。

ミラ
「まあ、今はお腹減ってるだろうし、話は後でしよっか。どうぞ召し上がれ」

ミラはテーブルのオレの席の前に料理を置いた。

アゲハ
『サンキュ。もう腹が限界だったんだ。いただきます!!』

オレは出された料理パクついた。

アゲハ
『やっぱうめぇな、ここの料理』

ミラ
「そう?よかった」

しばらくして、オレは料理を食い終わった。

アゲハ
『ごちそうさま』

ミラ
「お粗末様でした。ねえアゲハ、今日はこれからどうするの?」

アゲハ
『特に予定はないけど……』

ミラ
「本当!?じゃあ新しくできたテーマパークに行かない?実は懸賞で無料券が当たったの。
お連れ様は何名でもいいって書いてあったしせっかくだから一緒に行きましょ。その…ふ、ふた「アゲハ━━━!!!」りで…」

突然ナツとハッピーがオレの名前を呼びながら駆け寄ってきた。

アゲハ
『ナツ、ハッピー、どうした?』

ナツたちの声で最後の方が聞きとれなかった。

ナツ
「アカリファに新しくテーマパークができたんだってよ!!」

ハッピー
「色々あるみたいだよ、アゲハも一緒に行こうよ!!」

アゲハ
『お前らもアカリファのテーマパーク行くつもりだったのか?
ちょうどよかったミラがそのテーマパークの無料券を当てたんだ。ナツたちも一緒にいこうぜ。いいよな、ミラ』

ミラ
「えっ?いや…その……」

ハッピー
「本当!?やったー!!
じゃあ他の人も誘ってみんなで行こうよ、グレイとかエルザとか」

ナツ
「グレイは別に誘わなくていいだろ!!」

アゲハ
『ハハ、なんだか面白くなってきたな。なあ?ミラ。
あれ…どうした、ミラ?』

ミラ
「な……何でもないわ……(泣)」

ミラに同意を求めようと振り返ると何故かミラはどよーんとした雰囲気を醸し出していた。
目にはうっすら涙が滲んでいる。
そしてそんなミラをレナが肩を叩いて励ましている?
本当にどうしたんだ?
本人は何でもないって言ってるけど絶対なんかあったよな。
んー、気になるけど後でミラに直接聞けばいいか。

それよりまずはエルザとグレイを呼ばないと……

オレはテーブルに座っているグレイとエルザに声をかけようと二人の元に向かった。



━Side ミラ━


ミラ
「アゲハと二人きりで行きたかったのに……(泣)」

勇気を出してアゲハをデートに誘ってみたのだが、いきなり計画が崩されてしまった。
まさかナツたちも一緒に行くことになるなんて……
私が落ち込んでいるとレナが励ますように肩を叩いてきた。

レナ
「ミラさんも大変だね……」

ミラ
「レナ……」

レナ
「私もできる限り協力するから、元気出して」

レナは私がアゲハに好意を寄せていることを知っていて、たまに協力してくれたりする。

ミラ
「ありがとう、レナ。そうよね、みんなで行くにしても二人きりになれるチャンスがあるかもしれないし」

レナのお陰で大分元気を取り戻せた。
本当レナには世話になりっぱなしだなぁ。
この前もアゲハと夕食を食べる約束を取り付けてもらったし。
そんなことを考えていると話がまとまったのかアゲハがみんなに呼び掛ける。

アゲハ
『それじゃあ各自準備を終えたら30分後、またここに集合な。オレのトリックルームでアカリファまでつれていってやる』

ナツ
「よっしゃ━━━!!!列車に乗らなくてすむぜ!!ありがとな━━アゲハ━━!!!」

ハッピー
「よかったね、ナツ」

ナツは苦手な乗り物に乗らなくてすんで喜んでいる。

エルザ
「それじゃあまた後で」

そしてみんなが準備のためそれぞれ去っていった。
私も準備しなきゃ。



━Side Out━


30分後

アゲハ
『みんな準備できたか?』

オレは人数を確認し、みんなに問う。

ナツ&グレイ
「おう!!」

レナ
「準備万端」

ハッピー
「いつでもいいよ」

みんな準備できたようだな。
オレは早速トリックルームを作り出す。
オレはみんなにトリックルームの中に入るよう促し、アカリファへと座標を確定させる。

エルザ
「ふふ、たまにはこういうのもいいな」

ミラ
「そうね。みんなで出掛けることなんてあまりないものね」

アゲハ
『それじゃあみんな、転送開始するぞ』

オレはトリックルームを発動し、アカリファへと空間移動した。



これがオレたちの波乱万丈なHOLIDAYの始まりだった。

-19-
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