小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第22話 HOLIDAY Last Part



ナツ
「アゲハ━━━━━!!!」

アゲハ
『ナツ、みんな!!』

レナの治療を終えたオレの元にナツたちが駆け寄ってくる。

エルザ
「大丈夫か!?」

責任を感じていたのだろう、エルザが真っ先に聞いてきた。

アゲハ
『ああ、なんとかな。それよりお前らなんでここに?』

なぜこの場所が分かったのか疑問に思ったので聞いてみる。

ハッピー
「レナを探してたらここからすごい音が聞こえてきたんだ」

グレイ
「何かあったのかもしんねえと思って来てみたら案の定だったな」

ミラ
「レナは大丈夫なの?」

アゲハ
『オレのCUREで怪我は治したけどまだ目を覚まさない。もう少ししたら目を覚ますと思うけど……』

オレは眠っているレナを見ながら答える。

エルザ
「すまん、私達がレナをしっかり見ていればこんなことには……」

アゲハ
『いや、仕方ねぇよ。今回の事はオレたちがこのテーマパークに来る前から仕組まれていたことだからな。
どちらにしろ面倒ごとには巻き込まれていたはずだ』

グレイ
「どういうことだ?」

アゲハ
『今回の事件の犯人は最初からオレを狙っていたんだよ。だからエルザとグレイが自分を責める必要はない。
むしろオレのせいでレナはこんなことに巻き込まれたんだ。責められるべきはオレの方だ……』

そう、オレのせいでレナはさらわれて、怪我を負ってしまった。
全部オレのせいだ。

ミラ
「一体何があったの?」

オレは今回の事件の全貌をみんなに話す。

ナツ
「フムフム、なるほどー、ソウイウカラクリダッタノカ」

ナツが片言で理解したような顔をして言った。

アゲハ
『ナツ、お前絶対理解してないだろ』

ハッピー
「つまりオイラたち最初からはめられてたんだよ」

ナツ
「何ぃ!?そうだったのか!!?」

「『おいおい……』」

オレとグレイのダブルツッコみが炸裂した。

ミラ
「まさかあの懸賞が罠だったなんて。確かに応募した覚えはなかったけど……」

アゲハ
『いやそこは怪しいと思わなきゃダメだろ。あとグレイ、服脱いでるぞ』

グレイ
「なぁ!!?いつの間に!!」

ダメだみんなツッコみどころが多すぎる。

エルザ
「とにかく、今回の事件の犯人であるそのヴァイスとかいう奴を早いとこ評議院に引き渡さねばな」

アゲハ
『そうだな……』

オレたちがヴァイスとその部下たちを縛っている内に評議院が到着して、事情聴取などをされてヴァイスを引き渡して評議院が去ったときにはすでに午後の3時を回っていた。

アゲハ
『せっかくの休日がとんだ一日になっちまったな』

レナの頭を撫でながらオレは呟く。

レナ
「う、うーん……あれ?アゲハ兄……?」

アゲハ
『レナ!!目を覚ましたか。よかった!』

レナ
「アゲハ兄……私が気絶してからどうなったの?」

アゲハ
『万事解決だ。ヴァイスもぶっ飛ばしたし、もう大丈夫だぞ』

レナにそう言うとオレはレナが目を覚ましたとみんなに呼び掛けた。

ナツ
「レナ!!」

ハッピー
「レナ、体は大丈夫?」

レナ
「ナツ、ハッピー。うん、大丈夫、心配かけてごめんね」

レナは立ち上がってナツたちに向かって答えた。

ナツ
「気にすんなって。無事で何よりだ」

ハッピー
「あい」

エルザ
「すまなかったな、私達がついていたというのにさらわれてしまうなんて…不甲斐ない」

グレイ
「もっとオレたちがしっかりしていれば……」

レナ
「ううん、私がもっとしっかりしていればさらわれることもなかったんだから気にしないで。
それにこっちこそ迷惑かけてごめん。アゲハ兄なんてボロボロになってたし……」

アゲハ
『いいんだよ、お前が無事だったんだから。それにオレたちみんな家族なんだ。
迷惑だなんて思ってねーよ』

レナ
「アゲハ兄ぃ……」

レナは目に涙をためてオレの方を見てくる。

アゲハ
『あー泣くな泣くな、女の涙は好きじゃない』

オレがレナの頭を撫でながらそう言うとレナは涙をこらえてぎこちないながらも笑顔を見せた。

アゲハ
『よし、やっぱレナは笑顔の方がいいよ』

ミラ
「それよりレナ、あなた魔法を使えるようになったんだって?」

ミラが雰囲気を変えようとレナに問いかける。

レナ
「うん、紅い羽の魔法だよ」

レナはあのときと同じ紅い羽を出しながら答える。
レナの魔法にみんなが驚きの表情を見せた。

ナツ
「うおおお!!カッケェー!!」

グレイ
「紅い羽か、綺麗じゃねえか」

ミラ
「天使みたいね」

エルザ
「レナに似合ってるな。かわいいぞ」

みんながそれぞれレナの魔法について感想を言う。

そんな中、なぜかハッピーは落ち込んでいた。

アゲハ
『おいハッピー、何落ち込んでんだ?』

ハッピー
「オイラと被ってる。しかもレナの羽の方がきれいだ。オイラの立ち位置が……」

ああ、なるほど。ハッピーも羽を生やすんだよな。確かに被ってるけど……

ナツ
「そんな落ち込むなよハッピー!!後輩ができたと思えばいいじゃねぇか」

ハッピー
「後輩?」

ナツ
「そうだ、飛ぶことに関しちゃお前の方が先輩だろ?色々と教えてやれよ」

ハッピー
「オイラが…先輩……いいかも!!」

ナツの言葉でハッピーは元気になった。
結構単純だな。

レナ
「ねぇ、アゲハ兄…」

アゲハ
『ん?何だ、レナ?』

レナ
「私の魔法に名前つけてくれない?」

アゲハ
『オレがか?』

レナ
「うん、いいかな…?」

アゲハ
『分かった。ちょっと待ってろ、今考えっから』

うーん、紅い羽の魔法か。見た目完璧紅い天使だよな。だったらこの際ストレートにつけてみるか。

アゲハ
『“紅ノ天使【クレナイ】”ってのはどうだ?』

レナ
「“紅ノ天使”……うん、いい名前!!ありがとうアゲハ兄!!」

気に入ってくれたみたいだ。良かった。

ミラ
「喜んでくれたみたいね」

アゲハ
『ミラ……ああ、気に入ってくれてよかった』

レナの方を見ると、羽を出して空を飛び回っている。楽しそうだ。

ナツ
「なあ、閉園までまだ時間あるだろ?みんなで遊ぼうぜ。このまま帰んのはなんか嫌だし」

ナツがオレたちに近づいてきてみんなに提案した。

エルザ
「そうだな、最後くらい楽しんで帰ろう」

グレイ
「へっ、ナツにしちゃいい提案だ」

レナ
「私は賛成!!」

ミラ
「そうね、そうしましょうか」

アゲハ
『おし、じゃあみんなで遊ぶか!!』


「「「「「「おお━━━!!!」」」」」」

結局みんなで閉園まで遊ぶことになった。

ナツ
「あっちに面白ぇーもんがあったんだ。いこうぜ!!」

ハッピー
「あいさー!!」

ナツたちは早速走り出した。

エルザ
「こら!勝手に先に行くな!!」

エルザがナツたちを追いかけていく。

レナ
「私も行く━━━!!!」

グレイ
「待ちやがれお前ら!!」

それに続いてレナとグレイも追いかけていった。

アゲハ
『ったくアイツらオレたちを置いていきやがって』

ミラ
「みんな元気ね。ほらアゲハ、私達も行こう?」

アゲハ
『そうだな』

レナ
「アゲハ兄━━━!!ミラさ━━━ん!!早く早く!!」

レナがオレたちを呼んでる。オレとミラはレナたちの元へ駆け出した。


一時間後、

アゲハ
『そろそろ閉園の時間だな』

ナツ
「もう終わりか━━!!色々あったけど今日は楽しかったな」

ハッピー
「そうだね」

ナツ
「またここに来てぇな。こんなに楽しかったの久しぶりだ」

ハッピー
「でもそんなにしょっちゅうは来れないよね」

ナツ
「そうだな━━…」

ナツとハッピーの会話を聞いているとミラがオレに話しかけてきた。

ミラ
「アゲハ」

アゲハ
『ミラ、どうした?』

ミラ
「今日は楽しかったわね。色々あったけどこういう一日も悪くないと思う」

アゲハ
『そうだな…』

ミラ
「少しは息抜きできた?」

アゲハ
『え…?』

ミラ
「アゲハ、最近ずっと肩肘張ってるみたいだったから…」

アゲハ
『それは……』

確かにそうだ。最近はずっと強くなろうと神経を尖らせていた気がする。
ミラはそんなオレを見てこのテーマパークに誘ったのかもな。
本当、ミラには世話になってばっかりだな、オレ。
今度何かお礼しないとな。

アゲハ
『ミラ、今度時間ができたらまたここに来ようぜ。次は二人で』

ミラ
「ふぇっ///!?」

オレの言葉に驚くミラ。

アゲハ
『何驚いてんだよ。元々ミラが誘ってきたんだろ?』

ミラ
「だ、だって……アゲハの方から誘ってくれるなんて思ってなかったから……」

アゲハ
『まぁ今回の恩返しもかねてだな、それにいつも世話になってるし感謝の意味も込めてな。
それに、ミラが二人で来たいって言った理由も分かったしな……』

ミラ
「え!?(ま、まさか……アゲハ、私の気持ちに気づいて……)」

アゲハ
『大人数だと自分の好きなように行動できなかったからだろ?』

ミラ
「へ?」

アゲハ
『いやー、今回はオレもナツたちに振り回されてやりたいアトラクションいくつかできなかったからなー。
やっぱり二人ぐらいが一番丁度いいよな……ってミラ?どうしたんだ?』

ミラを見るとなぜか肩を震わせている。
え…!?もしかして……怒ってらっしゃる?

ミラ
「アゲハのバカァ━━━━━ッ!!!!」

アゲハ
『なんで!!?』

ドゴォオオオオオオ!!!

顎にものすごい衝撃が襲いかかった。

ぐはぁっ!!
な、何故に……こんなことに……

ドサァ

レナ
「やっぱりアゲハ兄って鈍感だね」

遠巻きにオレをみていたレナが何かを呟いたようだが全く聞こえない。

あれ?ねぇ、オレ生きてる?オレ生きてるよね?



数分後、なんとか怒っているミラをなだめ、オレはトリックルームを作り、帰る準備をする。

アゲハ
『全員いるか?』

オレは全員揃っているか確認する。全員から返事が帰ってきたのでトリックルームを発動する準備に入る。

アゲハ
『それじゃあ、転送するぞ。トリックルーム』

オレはトリックルームを発動し、ギルドへ空間移動した。

ギルドでみんなと別れ、レナと一緒に家へと向かう。

レナ
「今日は楽しかったね、アゲハ兄!!」

アゲハ
『そうだな。変な事に巻き込まれたりしたけど、楽しい一日だった』

レナ
「私も魔法使えるようになったし。私、今日の事、一生忘れないよ」

アゲハ
『そっか……オレも忘れないと思う。いい休日だったな、レナ』

レナ
「うん!!」

色々あったけど、本当に今日は楽しかった。
こんな毎日がずっと続くといいな。

オレはレナと手を繋いで自分たちの家に帰った。






こうして、オレたちの波瀾万丈なHOLIDAYは幕を閉じた。

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