小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第25話 アゲハ兄もまともとは言えないよ


━Side アゲハ━


ルーシィ
「わぁ…大っきいね」

ハッピー
「ようこそ、妖精の尻尾へ」

ハルジオンから帰ってきたオレたちは今、ルーシィを連れてギルドの目の前に立っている。
ルーシィはギルドの大きさに驚いているようだった。

アゲハ
『歓迎するぜ、入れよ』

ルーシィ
「うん」

早速ルーシィを連れ、ギルドの中に入る。

ナツ
「ただいま━━!!!」

ハッピー
「ただー」

アゲハ
『ナツ、うるさい』

超大音量で叫びながらギルドに入るナツ。
良かったな、今日エルザいなくて。
いたら今頃ぶっ殺されてるぞ。

ギルドの連中がオレたちが帰ってきたことに気づいて声をかけてきた。

「またハデにやらかしたなぁ。ハルジオンの港の件……新聞に載っ……て」

ナツに話しかけた男の顔面にナツの足が迫る。

ナツ
「てめェ!!火竜【サラマンダー】の情報ウソじゃねェかっ!!!」

バキャ!!

「うごっ!!」

吹き飛ばされる男

ミラ
「あら……ナツが帰ってくると早速お店が壊れそうね」

「もう壊れてるよ━━━!!!」

既にナツはみんなを巻き込んで大騒ぎを起こしていた。

あーあ、店がメチャクチャじゃねぇか。
オレが騒ぎを遠巻きに見守っていると、

ルーシィ
「すごい…あたし本当に…妖精の尻尾に来たんだぁ」

ルーシィがギルドを見て感嘆の声を出していた。

ルーシィ、ここにまともな人間なんてほとんどいないから気を付けろよ。

オレはルーシィに心の中で忠告をした後、とりあえずギルドのカウンターに座った。
するとミラがオレに近づいてきた。

ミラ
「お帰りなさい、アゲハ」

アゲハ
『ああ、ミラか、ただいま』

ミラ
「今回もナツ、ハズレだったみたいね」

アゲハ
『ああ、いけすかないクソ野郎が勝手にサラマンダーを語っていただけだったよ』

オレはミラにハルジオンでの出来事を話す。
ルーシィと出会ったくだりに入るとミラから黒いオーラが発生した気がしたがたぶんきのせいだろ……

ミラ
「へぇー、それで?そのルーシィって子はどこにいるの?」

ルーシィをギルドに連れてきたことも話したのでルーシィはどこかと問うミラ。

アゲハ
『えーと、いた!
ん?レナと何か話してんな、行ってみようぜ』

ミラ
「そうね。さて、どんな新入りさんなのかな?」

オレたちはルーシィとレナの所へ歩いていった。



━Side Out━



━ルーシィ Side━




ルーシィ
「すごい…あたし本当に…妖精の尻尾に来たんだぁ」

あたしは扉をくぐって見えた光景に思わず口に出して言ってしまった。

ずっと憧れていたギルドにいるんだもの!!
あたしが目の前に広がる光景に感動していると、

グレイ
「ナツが帰ってきたってぇ!!? てめェ……この間の決着つけんぞコラァ!!!」

カナ
「グレイ……あんた何て格好で出歩いているのよ」

グレイ
「はっ!!しまった!!!」

パンツ一丁の露出狂が現れた。
しかも指摘されるまで気付かないという無自覚さ。
そんな露出狂を止めた女の子はと言うと、

カナ
「はぁ、これだから品のないここの男どもは………イヤだわ」

そう言いつつ、お酒を樽で飲んでいた。

エルフマン
「くだらん」

後ろに気配を感じて振り返ると、大きな男が立っていた。

エルフマン
「昼間っからピーピーギャーギャーガキじゃあるまいし………漢なら拳で語れ!!!」

ルーシィ
「けっきょくケンカなのね」

文脈が明らかにおかしいが構わずケンカに入っていく男。

ナツ&グレイ
「「邪魔だっ!!!!」」

ルーシィ
「しかも玉砕!!!」

ナツたちに一発でKOされていたけど。

そして、

ロキ
「ん? 騒々しいな」

ルーシィ
「あ!!『彼氏にしたい魔導士』上位ランカーのロキ!!」

あたしの目の前に思わず声に出してしまうほどのイケメンが現れる……しかし

ロキ
「まざってくるねー」

「「頑張って━━」」

ルーシィ
「(ハイ消えたっ!!!)」

両脇に女の子をはべらせた状態でケンカに参戦するロキ。

このギルドの中に入ってから変なことばかり起こる。もうあたしの常識をうちくだかれた。
ここに入ってまだ数分なのに……。

「な…なによコレ………。今のところまともな人がアゲハ一人しかいない……」

思わず床にへたれるあたし。

レナ
「いや、アゲハ兄もまともとは言えないよ」

ルーシィ
「え?」

突然聞こえてきた声に体を起こすと、目の前にいたのは10歳ぐらいの少女だった。

レナ
「おねえさん、ギルドに入りに来たの?」

ルーシィ
「う、うん。そうだけど……」

レナ
「そうなんだ。私レナ、よろしくね」

そう言って笑顔で手を差し出すレナ。

ルーシィ
「あ、うん。あたしはルーシィよ。よろしく、レナ」

あたしはレナの手を取り、握手を交わす。

ルーシィ
「レナもこのギルドの魔導士なの?」

こんなに小さい子が魔導士だなんてちょっと信じられない。

レナ
「うん、そうだよ。ほら!」

レナはそう言って右腕の二の腕辺りをあたしに見せる。
そこにはナツたちと同じ妖精の尻尾の紋章があった。

ルーシィ
「へぇー、レナってどんな魔法使うの」

気になったので聞いてみた。

レナ
「私の魔法はね……」

レナが自分の魔法について説明しようとした時、酒瓶がレナに向かって飛んできた。

ルーシィ
「危ない!!」

あたしはレナを助けようと動くが間に合わない。しかしレナは冷静に酒瓶を見ると魔力を解放した。

レナ
「“紅ノ天使【クレナイ】”」

レナは背中から紅い羽を生やし、その羽で酒瓶をまっぷたつに切り裂いた。

ルーシィ
「紅い…羽……?」

レナ
「これが私の魔法だよ」

レナの姿に驚いているとレナが自分の魔法について説明する。

ルーシィ
「すごい…綺麗」

アゲハ
『レナ、何かあったのか!?』

あたしがレナの羽に見とれていると、アゲハが銀髪の女の人を連れて駆け寄ってきた。

レナ
「アゲハ兄!!おかえり!!」

レナがアゲハに飛び付く。アゲハはレナを受け止め、頭を撫でる。

アゲハ
『ただいま。それより何があったんだ?“紅ノ天使”まで発動して……』

レナ
「さっき酒瓶がこっちに飛んできたの。多分ケンカで誰かが投げたんじゃないかな……“紅ノ天使”で防いだから大丈夫だったけど」

アゲハ
『そうだったのか。良かった、ケガがなくて』

アゲハはホッとしたように息をつく…ような素振りを見せているけど目が笑ってない。
アゲハの後ろに般若が見えた気がした。

こ…怖い……

アゲハの事を初めて怖いと思った瞬間だった。
だって黒いオーラが見えるんだもん!!!
そんなアゲハの肩に銀髪の女性が手を置く。

ミラ
「アゲハ、オーラ漏れてるわよ」

アゲハ
『ん?おお、悪ぃな、ミラ。すぐ止める』

女性の一言でアゲハの雰囲気が柔らかくなっていく。
ってそれよりこの人って……

ルーシィ
「ミ…ミラジェーンさん!!!キャー!!本物━━!!」

昨日見た週刊誌のグラビアに写っていた人が目の前に!!

あたしがミラジェーンさんとの出会いに感動していると、アゲハがあたしの方を向いて話しかけてきた。

アゲハ
『よう、ルーシィ。お前も大丈夫だったか?』

さっきのような黒いオーラは感じない。どうやら収まったようだ。
あたしはホッと一息つき、すぐに答える。

ルーシィ
「うん、なんとか大丈夫……
ってそれよりさっきからレナがアンタの事アゲハ兄って呼んでるけど…」

あたしはさっきから疑問に思っていたことを口にする。

アゲハ
『そりゃ妹だからな』

アゲハがレナの頭に手を置き、答える。

妹って………

ルーシィ
「誰の?」

アゲハ
『オレの』

ルーシィ
「………
うぇえぇええええっ!!?」

ぜ、全然似てなくない!?


━Side Out━


━Side アゲハ━


ミラを連れてルーシィの元へ向かっていると、レナが“紅ノ天使”を発動していたので何かあったのかと思い、オレは急いで駆け寄った。

アゲハ
『レナ、何かあったのか?』

オレが二人に話しかけるとレナが振り返る。

レナ
「アゲハ兄!!おかえり!!」

レナがオレに飛び付いてきた。
本当、オレに対しては甘えん坊だよな、レナは。
みんなの前やオレがいないときはしっかりしてるって言われてるけど……

アゲハ
『ただいま。それより何があったんだ?“紅ノ天使”まで発動して……』

オレはレナの頭を撫でながらレナに問いかける。

レナ
「さっき酒瓶がこっちに飛んできたの。多分ケンカで誰かが投げたんじゃないかな……“紅ノ天使”で防いだから大丈夫だったけど」

ぬぅああにぃいいいい!!?
酒瓶投げた奴後で見つけ出してぶっ殺す!!!!
レナがケガしたらどう責任とるつもりだ!!?あぁん!!

アゲハ
『そうだったのか。良かった、ケガがなくて』

必死で怒りの形相を押さえ、笑顔でレナに言う。

テーマパークでレナがさらわれてケガをして以来、オレはレナに対して過保護になった。
いや、過保護と言ってもレナと仲良くしてる男子を脅したりとか、そういう過保護じゃねーよ?
ただ、レナにケガをさせた奴は容赦なくぶっとばすようになっただけだ。
嫌われるのは嫌なので必要以上に構ったりはしないが……
それでも周りからはあきれられてシスコンと言われたりするけど気にしない。

ミラ
「アゲハ、オーラ漏れてるわよ」

アゲハ
『ん?おお、悪ぃな、ミラ。すぐ止める』

怒りで黒いオーラが駄々漏れのオレにミラが呼び掛ける。ミラの呼び掛けでオレは正気に戻った。

っと…いけないいけない。ルーシィが怯えてるよ……

オレはなんとか怒りを鎮め、ルーシィに話しかける。

アゲハ
『よう、ルーシィ。お前も大丈夫だったか?』

オレの雰囲気が柔らかくなったのを感じ取ったのか、ルーシィがホッとしたような表情を見せる。

やっべ、怖がらせちまったかな……

ルーシィ
「うん、なんとか大丈夫……
ってそれよりさっきからレナがアンタの事アゲハ兄って呼んでるけど………」

ルーシィが疑問に思ったのか聞いてきた。

アゲハ
『そりゃ妹だからな』

オレはレナの頭に手を置き、答える。

ルーシィ
「誰の?」

アゲハ
『オレの』

ルーシィ
「………
うぇえぇえええええ!!?」

ルーシィがよほど驚いたのか叫び声をあげる。

アゲハ
『いや驚きすぎだろ』

そこまで驚くことか?ミラとエルフマンじゃあるまいし……

ルーシィ
「だって全然似てないんだもの!!そりゃビックリするわよ!」

レナ
「似てないのは当たり前だよ」

オレの代わりにレナが答えた。

ルーシィ
「ど、どういうこと?」

アゲハ
『オレたちは義理の兄妹なんだ』

ルーシィに大雑把にだがレナと一緒に暮らすことになった経緯を話す。

ルーシィ
「そういうことだったんだ……」

ルーシィは納得したように頷いた。

アゲハ
『ま、兄妹共々これからよろしくな』

レナ
「よろしく」

ルーシィ
「うん、こちらこそよろしく」

オレはルーシィと握手を交わした。

ミラ
「私もよろしくね、ルーシィ。私の事はミラって呼んで」

ルーシィ
「はい、わかりましたミラさん!!」

ミラも同様に握手を交わす。

ルーシィ
「そういえば……アレ止めなくていいの?」

ルーシィがケンカしてるギルドの奴等を指差す。オレたちが話している間にも騒ぎはどんどん大きくなっていたようだ。

アゲハ
『いつもの事だからな。放っておけばいいんだよ』

ミラ
「それに楽しいでしょ?」

オレとミラが交互に答える。

ルーシィ
「で、でもさすがにアレはやりすぎじゃ……」

ルーシィはまだ納得いってないようだ。そんなルーシィにレナが話しかける。

レナ
「大丈夫だよ。もうすぐ巨人が来るから」

ルーシィ
「へ!?」

レナの言葉の意味がわからずルーシィが困惑していると、

カナ
「あんたらいい加減に………しなさいよ……」

グレイ
「アッタマきた!!!!」

エルフマン
「ぬおおおおおお!!!!」

ロキ
「困った奴等だ…」

ナツ
「かかって来いっ!!!」

ついには魔法をケンカに使おうとした。

ルーシィ
「魔法!!!?」

ミラ
「これはちょっとマズイわね」

さすがのミラも冷や汗を流す。
ま、そろそろ止めてくる頃だろ。オレがのんきにそう思っていると、

マカロフ
「そこまでじゃ…………やめんかバカタレ!!!!」

ルーシィ
「でか━━━━━━━━━━━っ!!!!」

巨人が現れてケンカを止めた。
やっと来たか、ジイさん。てか止めんのちょっと遅くね?

マカロフのジイさんの一声で皆がケンカを止めた。

ミラ
「あら、いたんですか?マスター」

ルーシィ
「マスター!!?」

おお、ルーシィ見事にびびってんな。

ナツ「だーっはっはっはっはっ!!!みんなしてビビりやがって!!この勝負はオレの勝ぴ」

ぐちゃ

一人騒いでいたナツがジイさんに踏み潰された。

ご愁傷さまです。オレはナツに向かって手を合わせた。

チーン

-26-
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