小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第26話 へ?オレも…?


━Side アゲハ━


アゲハ
『来んの遅ぇよ、ジイさん』

もう少しで大惨事になるところだったのに止めるのがギリギリだったマカロフのジイさんにオレは文句を言う。

マカロフ
「何を言うか!!お主がいつまでたっても止めんからワシが仕方なく止めたんじゃ!!お主なら簡単に止められたじゃろう!!」

しかしジイさんは逆にオレが早く止めなかったことに文句を言ってきた。
てかオレが止めると思ってたのかよ。

レナ
「無理だよじいちゃん、アゲハ兄がケンカ止めたら逆にギルドが壊れちゃうよ」

オレの代わりにレナがジイさんに言う……ってちょっと待てレナ、それどういう意味だ!?

「「「「「「確かに」」」」」」

アゲハ
『うぉい!!お前らまで何を!!?』

レナの言葉にルーシィ以外のギルドにいる全員が頷く。
なんだお前ら、いじめかコレ?

ミラ
「アゲハがケンカ止めようとすると一緒にエキサイトしちゃってもっと大騒ぎになるのよね」

ミラの言葉に周りがうんうんと頷く。

アゲハ
『なん……だと………!?』

確かにオレがケンカを止めると気づいたら周りの地形が変わってたりしていたが、まさかオレのせいだったのか?確かに請求書はオレのところに来ていたけれども……!!

マカロフ
「む、新入りかね」

オレが衝撃の事実にショックでうなだれているとジイさんがルーシィに気づいた。

ルーシィ
「は……はい………」

ルーシィはジイさんの巨体にすっかり萎縮してしまっている。
その顔、女子がするようなものじゃねーぞルーシィ……

そんなことをオレが思っていると、次の瞬間、

プンプンプンプン プンプンプンプンプン

ルーシィ
「えぇ━━━っ!!?」

ジイさんの巨体がルーシィの膝ぐらいの大きさまで縮んでしまった。 ルーシィが驚くのも無理はない。
さっきまであんなにデカかったんだもんなぁ。ルーシィ口をパクパク言わせて怯えてたし……

マカロフ
「よろしくネ。 とう!!」


しゅばっ くるくるくるくるくる


ルーシィに手をあげて挨拶をし、ジイさんがバック宙で二階の手すりに腰掛けようとする、が……

ゴチ━━━ン

「「「「「「……………………」」」」」」

ギルド内を沈黙が支配した。 いやー、かっこワリィなぁジイさん……
それからジイさんは何事もなかったかのように手すりの上に立つ。

マカロフ
「まーた、やってくれたのう、貴様等」

ジイさんはなにかしらの書類の束を持って言う。

マカロフ
「見よ、評議会から送られてきたこの文書の量を」

そう言って書類の束を持ち上げてみんなに見せるジイさん。あらら、あからさまにみんな目ぇ背けてんぞ。

そんな中、ジイさんが問題を起こした奴の名前を呼び始めた。

マカロフ
「まずはグレイ、密輸組織を検挙したまではいいが……その後街を素っ裸でふらつき、挙句の果てに干してある下着を盗んで逃走」

グレイ
「いや、だって裸じゃまずいだろ……」

アゲハ
『その前に裸になるなっ!!』

ビシィ、とオレはグレイにツッコみをいれる。

マカロフ
「エルフマン! !貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行」

エルフマン
「“男は学歴よ”何て言うからつい……」

アゲハ
『さすがだぜアニキ!!学歴なんてくそくらえだ!!』

レナ
「いや、学歴も多少大事でしょ」

今度はレナがオレにツッコんできた。まあ確かにレナの言う通りだな……

マカロフ
「カナ、経費と偽って某酒場で呑むこと大樽15個。しかも請求先が評議会」

カナ
「バレたか……」

アゲハ
『そりゃバレるだろ……』

マカロフ
「ロキ……評議員レイジ老子の孫娘に手を出す。某タレント事務所からも損害買収の請求がきておる」

アゲハ
『さすがだな色男!!』

ジイさんはすでにがっくりとうなだれている。

マカロフ
「そしてナツ……盗賊一家を壊滅するも民家7軒も壊滅、チューリィ村の歴史ある時計台倒壊、 フリージアの教会全焼、ルビナス城一部損壊、ナズナ渓谷観測所崩壊により機能停止、 さらにはアゲハとともに、この前のハルジオンの港半壊………」

アゲハ
『だーっはっはっはっはっ!!!ナツの奴やりすぎだっての!!』

オレは次々に上がる仲間の不始末にツッコんだり茶々をいれたりしていた。

すると、

マカロフ
「他人事のようにしているがお前もじゃぞアゲハっ!!」

アゲハ
『へ?オレも…!?』

……なぜだっ!?オレ何も悪いことしてねぇぞ!!

マカロフ
「お前がクエストに行くと必ずと言っていいほど地図に変更があるんじゃ!!この前なんて小さいものじゃが山をひとつ消したそうじゃな!!」

ルーシィ
「山を消した!!!?」

ルーシィがジイさんの言葉に驚く。まぁそりゃそうだろうな。

アゲハ
『アレは仕方ねぇよ。新技使ってたらいつの間にかああなってたんだから……』

マカロフ
「もっと周りを見て力を使えと言っておるんじゃ!!ワシャお前とナツの二人だけでもう心臓が持たんわい」

アゲハ
『ポーリュシカさんのところに行った方がいいんじゃねぇの?』

マカロフ
「そういう意味じゃないわっ!!
まぁよい、お前は言っても聞かんしな。次じゃ。アルザック、レビィ、クロフ、リーダス、ウォーレン、ビスカ、etc…
貴様等ァ…ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞぉ……」

他の仲間にもジイさんは簡単にだが、名前を呼んでいく。 その後、プルプルと震えだした。 ギルドのみんながジイさんに怒られると思って暗い顔をしてる。関係ないはずのルーシィまで。なんでだ?

それにしてもこんなこのギルドが静かになるなんて珍しいな……

オレだけ空気を読まず、のんきに違うことを考えていると、

「だが…評議員などクソくらえじゃ」

「え?」

ジイさんはそう言うと、評議員からの始末書をすべて燃やした。そして燃やした始末書を放り投げ、ナツに食わせる。

あーあ、やっちまったよ。ま、オレも評議院嫌いだからいいんだけど。

ルーシィは唖然としている。

「よいか・・理を超える力はすべての理の中より生まれる、魔法は奇跡の力なんかではない、 我々の内にある“気”の流れと自然界に流れる“気”の波長があわさりはじめて具現化されるのじゃ」

おお、ジイさんが珍しく真理を語ってるぜ。
普段はただのふざけた酒飲みジジイなのにな……。

「それは精神力と集中力を使う。いや己が魂すべてを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上から覗いている目ん玉気にしてたら魔道は進めん」

そこまで言うとジイさんはにん、と笑う。

「評議員のバカ共を恐れるな。
自分の信じた道を進めェい!!
それがフェアリーテイルの魔導士じゃ!!!」

ジイさんが言い切った瞬間、ギルド内が盛り上がる。つーか誰も評議院なんて気にしてねぇだろ。

そんなことを考えてるうちにギルドでは宴が始まっていた。



━夜━


ルーシィ
「アゲハー、ナツー!!見てー!!妖精の尻尾のマーク入れてもらっちゃったぁ」

ナツたちとメシを食べていると、ルーシィが右手の甲を見せながら話しかけてきた。

ナツ
「よかったなルイージ」

ルーシィ
「ルーシィよ!!!!」

アゲハ
『安心しろ、ただのナツのボケだ』

ルーシィ
「それくらい分かってるけど、つい……」

アゲハ
『なるほど、根っからのツッコみ属性なんだな』

ルーシィ
「何よそれ……」

アゲハ
『気にすんな、何でもねぇから』

めんどくさいので適当にごまかしておく。

ガタッ

不意にナツが席を立った。

アゲハ
『あれ、ナツ どこ行くんだ?』

ナツ
「仕事だよ。金ねーし」

そういうとナツはリクエストボードへ向かっていく。
たしかこの後って何かあったよな。何だっけ?

ロメオ
「父ちゃんまだ帰ってこないの?」

アゲハ
『ん?ロメオ…?』

声のした方を見ると、ロメオがジイさんに父親のマカオがまだ帰ってこないのかと訴えていた。
ああ、思い出した!たしかハコベ山にナツたちがマカオの救出に行くんだっけ?たしかマカオ原作では重症だったよな…?オレもついてった方がいいかな……

マカロフ
「冗談じゃない!!貴様の親父は魔導士じゃろ!!自分のケツもふけねェ魔導士なんぞこのギルドにはおらんのじゃあ!!帰ってミルクでも飲んでおれい!!!」

オレが思考に耽っていると結構話が進んでいたようだ。
ロメオはジイさんの顔に一発パンチをいれ、ギルドを出ていった。

ルーシィ
「厳しいのね」

ミラ
「ああは言っても本当はマスターも心配してるのよ」

ギルドのカウンターでルーシィとミラが会話している。

ズシッ!!

そんな様子を見ているとナツが依頼書をリクエストボードに刺してつかつかとその場を去っていった。
そんなナツの様子を見てギルドのみんなが少し騒ぐがジイさんは放っておけと言って動かなかった。

さて、オレもナツについて行くとするかな。

アゲハ
『レナ!!』

オレはギルドのカウンターに腰かけているレナに呼び掛ける。

レナ
「ん、なぁに?アゲハ兄」

アゲハ
『ちょっと行ってくるから留守番頼むな。あとロメオの事も頼む』

レナ
「うん、分かった」

レナは兄バカ関係なしに賢いので、オレが多くを語らなくても、オレの意図を理解してくれる。

ロメオのフォローをレナに任せ、オレはギルドを出た。

まずはナツに合流しねぇとな……

-27-
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