小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第37話 “紅ノ天使【クレナイ】”の力


━Side レナ━

ルーシィ
「こっちは妖精の尻尾最強チームよ。覚悟しなさい!!」

啖呵を切るルーシィ。そう言って自分は戦わないんだろうなぁ。

エリゴール
「後は任せたぞ。オレは笛を吹きに行く。身のほど知らずのハエどもに……鉄の森の…闇の力を思い知らせてやれぃ」

エリゴールはそう言って窓を突き破ってその場から消えた。この卑怯者!!

エルザ
「逃げるのか!エリゴール!!くそっ、ナツ!!グレイ!!二人で奴を追うんだ」

ナツ&グレイ
「「む」」

エルザ「お前たち二人が力を合わせればエリゴールにだって負けるハズがない。ここは私たち三人で何とかする」

ルーシィ
「なんとか…ってあの数を女子三人で?」

思いっきり納得していないルーシィ。この先こんなんで大丈夫かな…?

エルザ
「エリゴールはララバイをこの駅で使うつもりだ。それだけはなんとしても阻止せねばならない………聞いているのかっ!!!」

ナツ&グレイ
「「も……もちろん!!」」

睨み合っていた二人だけどエルザに怒鳴られてすぐさま返事した。

エルザ
「行け!!」

ナツ&グレイ
「「あいさー」」

ハッピーのように返事をして去っていく二人。

ルーシィ
「最強チーム解散!!」

レナ
「ずいぶん早かったね」

「二人逃げた」

「エリゴールさんを追う気か?」

エリゴールを追っかけてったナツとグレイを見て騒ぎ出す鉄の森。

レイユール
「まかせな。オレが仕留めてくる」

カゲ
「こっちも!!!あの桜頭だけは許せねえ!!!」

二人の男がナツたちを追っていった。まあ、ナツたちなら大丈夫かな。追っていった二人、大したこと無さそうだし。

注)レナはいつもアゲハに特訓してもらっているので強さの判断基準がおかしいです。相当強くないとレナの目には雑魚としか映りません。byOR

ビアード
「あらあら、レイユールとカゲは好戦的だのう。あんなの放っておいてお姉ちゃんと遊んだ方が楽しいだろうに」

カラッカ
「作戦の為だよ。オマエよりずぅーっとエライ」

鉄の森の連中がなんか話してるけど状況分かってるのかな?これアゲハ兄が言ってた所謂全滅フラグがビンビンに立ってる気がするんだけど……

エルザ
「こいつ等片付けたら私たちもすぐに追うぞ」

ルーシィ
「うん」

レナ
「やっぱり全滅フラグだ」

エルザにやられるんだろうなぁ、きっと……

ビアード
「女三人で何ができるやら……それにしても二人ともいい女だしガキもよく見りゃかわいい顔してんじゃねぇか」

「殺すにはおしいぜ」

「とっつかまえて売っちまおう」

「待て待て、妖精の脱衣ショー見てからだっ」

うっざ!!!キモいよこの人たち!!アゲハ兄がいたらもう骨も残ってないよ!!きっとライズでボコボコだね!!

エルザ
「下劣な」

エルザが手を自身の前に出す。そんなエルザの後ろでルーシィが鉄の森の人たちにかわいいと言われて自分に酔いしれていた。そんなルーシィを呼び戻そうとハッピーが呼び掛けてる。もうちょっと緊張感持とうよ……

エルザ
「これ以上妖精の尻尾を侮辱してみろ。貴様等の明日は約束できんぞ」

エルザが剣を換装した。

ルーシィ
「剣が出てきた!!魔法剣!!!」

「めずらしくもねえ!!」

「こっちにも魔法剣士はぞろぞろいるぜぇ」

「その鎧ひんむいてやるわぁ!!」

私はいきり立つ鉄の森の人たちを見ながらエルザに近づいて耳打ちする。

レナ
「エルザ、半分残しておいてね」

エルザ
「レナ…フッ、いいだろう。お前も怒っているだろうしな」

エルザはそう言って私に頷き、敵に向かって駆け出した。エルザはものすごいスピードで敵をなぎ倒していく。

「チィッ、遠距離魔法(とびどうぐ)でもくらえ!!」

接近戦では勝てないと思ったのか一人の男が遠距離魔法を発動しようとする。しかしそれを見てエルザは武器を槍へと換えてその男を吹き飛ばした。そして次は双剣、斧と次々と武器を換え敵をなぎ倒していく。

「こ……この女…なんて速さで“換装”するんだ!!?」

ルーシィ
「換装?」

ハッピー
「魔法剣はルーシィの星霊と似てて別空間にストックされてる武器を呼び出すって原理なんだ」

レナ
「その武器を持ち換える事を換装っていうんだよ」

ルーシィ
「へぇー……すごいなぁ」

ハッピー
「エルザのすごいトコはここからだよ」

ルーシィ
「え?」

エルザ
「まだこんなにいるのか。面倒だ、一掃する」

エルザはキリがないと思ったのか鎧を換装し始めた。エルザのからだが光り輝き、鎧が剥がれていく。

ハッピー
「魔法剣士は通常“武器”を換装しながら戦う。だけどエルザは自分の能力を高める“魔法の鎧”にも換装しながら戦うことができるんだ」

レナ
「それがエルザの魔法、騎士【ザ・ナイト】!!!」

ルーシィ
「わぁ!!」

「「「おおおっ!!!」」」

エルザの姿に感嘆の声をあげる一同。てゆーか鉄の森の人たちまで何で喜んでんの?

カラッカ
「エルザ…?こいつまさか……」

エルザ
「舞え、剣たちよ。循環の剣【サークルソード】」

エルザの周りに現れた無数の剣で攻撃していくエルザ。ちょうど残り半分ぐらいまで人数が削れた。

カラッカ
「こ、こいつ!!妖精の尻尾最強の女、妖精女王【ティターニア】エルザだっかのか!!」

ルーシィ
「すごい!!一撃で半分も!!」

ルーシィがエルザの強さに驚いている。エルザは換装を解いて私たちのもとへ戻ってきた。

エルザ
「注文通り、半分残しておいたぞ」

レナ
「うん、ありがと。それじゃ行ってくるね」

ルーシィ
「ちょ、ちょっと待って!!」

私が駆け出そうとするとルーシィが私の手をつかんだ。

ルーシィ
「レナ、あんた何するつもり!?」

レナ
「何って……あの人たち倒してくるだけだけど?」

ルーシィ
「はぁ!!?そんな危ないことさせられるわけないでしょ!!?あんたはまだ子供なのよ!!」

レナ
「大丈夫だよ。心配してくれるのは嬉しいけど、こんな奴等に負けないから」

ルーシィ
「でも…「大丈夫だ」エルザ!!?」

エルザ
「言っておくがレナの実力はナツよりも上だ。潜在魔力なら私をも上回る」

ルーシィ
「えぇっ!!!?」

ハッピー
「だから安心して見ていなよ。レナの戦いをね」

エルザとハッピーの言葉にルーシィは渋々納得したようだ。よし、ルーシィも説得できたことだし戦闘開始といきますか!!

「おいおい……まさかお嬢ちゃんがオレたちと戦う気か?」

「怪我しても知らねぇぜ?」

すっかり私をなめている鉄の森の人たち。でもねその油断が命取りだよ。

レナ
「心配要らないよ。怪我をするのはあなた達の方だから」

「何ィ!!?」

レナ
「発動……“紅ノ天使【クレナイ】”」

パァッ

私は魔力を集中させ、背中から紅い羽を出した。

レナ
「行くよ…」

ヒュン

ルーシィ
「き、消えたっ!!?」

「どうなってんだ!?」

「ど、どこだ、どこにいやがる!!?」

突然姿を消した私を必死に探す鉄の森の人たち。そろそろ姿を表してあげよっかな。

レナ
「ここだよ」

「「「「!!!!」」」」

レナ
「スキだらけだね。あくびが出るよ」

私が姿を表したのは敵陣の真ん中。

「な、なめやがってこの小娘が!!」

怒った男が剣を振り下ろしてきた。

レナ
「遅いよ、フェザースラスト」

ズバババババババ

私は羽を刃物のように変化させ、敵を次々と切り裂いていく。あ、もちろん急所ははずしてるしみんな生きてるよー。

「くそっ、これでもくらえ!!」

敵の一人がこちらに向かって炎を放ってきた。

ルーシィ
「危ないっ!!」

レナ
「クリムゾンヴェール」

私が唱えると同時に私の周りに紅いバリアが発生する。炎はバリアに弾かれ、消滅した。

レナ
「フェザーショット」

「ぐぁっ!!」

ルーシィ
「す、すごい……何なのあの魔法?羽で切ったり、羽根を飛ばしたり、紅いバリアを出したり……」

ハッピー
「“紅ノ天使【クレナイ】”おそらく世界でレナしか使えない魔法だよ」

エルザ
「この魔法はどの文献を調べても載っていない魔法でな。レナ自身もどういう魔法か分かっていないそうだ」

ハッピー
「今のところわかっているのは発動すると紅い羽が生えること。あの紅い羽を操って高速移動も可能になるんだ。そしてもうひとつ、レナの魔力をイメージとして形に表せるんだ」

エルザ
「魔力を使って今のようにバリアを発生させたり、さらにはビームを放つことだってできる。武器を形作ることもできるらしい。そして具現化される魔力は必ず紅色をしていることが特徴だ」

ハッピー
「ただこれだけ強力な魔法だから長時間は戦えないみたいだけどね」

ルーシィ
「そんなんだ……」

ルーシィの視線の先には敵をなぎ倒している私の姿があった。

レナ
「はぁああああ!!!」

「うわぁああ!!」

「つ、強ぇぞこのガキ!!」

エルザが半分倒したとはいえまだかなりの人数がいる。ちんたらしてたら時間(魔力)切れが来ちゃうな。さっさと終わらせないと。
私は羽ばたいて敵の上空に移動する。

レナ
「もうちょっと楽しみたかったけどこれで終わりだよ!!」

カラッカ
「い、嫌な予感がする」

私は自分の羽に魔力を集中させていく。紅い魔力が私の両翼に集まっていき、紅い光を放つ。

レナ
「いくよ!!エアロブラスト!!」


ゴォオオオオオオオオオ


私が魔力を帯びた羽を羽ばたかせた瞬間紅い竜巻が鉄の森の人たちを襲った。


「「「「「「うわぁあああああ」」」」」」


おー、よく吹っ飛ぶ吹っ飛ぶー!!
竜巻が消えたときには一足先に避難していたカラッカとかいう人以外全滅していた。

カラッカ
「オレたちのギルドが……全滅…!!あの強さ、そして何よりあの紅い羽、間違いねぇ!!こいつ……紅の天使 レナだ!!」

ルーシィ
「す、すご………」

レナ
「ふう…」

私はルーシィたちの元へ降りて“紅ノ天使”を解除した。

レナ
「大技使ったからちょっと疲れちゃった」

エルザ
「お疲れ、ゆっくり休むといい」

レナ
「ん、ありがとう。あ、さっきの人が逃げてく!」

あたしが指差した方を見るとカラッカが一人逃げ出していた。

エルザ
「エリゴールの所に向かうかもしれん。ルーシィ追うんだ!!」

ルーシィ
「え━━━っ!!?あたしがっ!!?」

エルザ
「頼む」

ルーシィ
「はいいっ!!!」

エルザがギロリとにらめばすぐにルーシィはカラッカを追いかけていった。

レナ
「ん……眠い……」

エルザ
「結構思いっきり戦っていたからな。少しなら眠っていてもいいぞ」

レナ
「本当?じゃあ少しだけ……」

私はエルザの腕の中で意識を手放した。


━Side Out━



━Side アゲハ━


はい、どうも!!夜科アゲハでっす!!今オレは大量の禁人種【タヴー】を相手にしているところです。え?ALFREDはどうなったかって?もちろん倒しましたよ。ええ瞬殺です。

奴の攻撃を“脅威【メナス】”を使って避けたあと、コアに拳を一発ドンと入れただけです。さんざん引っ張っておいてなんだけど全然ピンチなんかじゃなかったんですねぇー。

まあ身体能力だけはナツと同等ぐらいの力は持ってたけど……こいつらが大量にいたんじゃルーンナイト程度じゃ倒せねえわな。

アゲハ
『それにしても………さすがに多すぎんだろ』

かれこれ百体以上は余裕で倒しているのだがいっこうに数は減らない。どうしたものやら……

アゲハ
『まぁ、先に進むしかねえよなぁ』

オレは禁人種を倒しつつ洞窟の奥へと進んでいった。

-38-
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DVD付き FAIRY TAIL 第26巻 特装版 (少年マガジンコミックス)
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