小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第41話 またお呼ばれかよ……


━Side アゲハ━

ざわざわ ざわざわ

ララバイの件が解決して数日が経った。原作通りナツとエルザの勝負が始まろうとしている。オレはレナやミラと一緒に観戦する予定だ。

ルーシィ
「ちょ…ちょっと!!本気なの!?二人とも!!」

ルーシィが周りのメンバーを押し退けてギャラリーの最前列に出る。

アゲハ
『お、来たかルーシィ。遅ぇぞ』

ミラ
「あら、ルーシィ。おはよう」

ルーシィ
「おはようございます、ミラさん!!ってそれより本気なんですかあの二人!?」

エルフマン
「本気も本気。本気でやらねば漢ではない!」

ミラ
「エルザは女の子よ」

マックス
「怪物のメスさ」

レナ
「それは言い過ぎでしょ」

周りは勝負を止める気は無いようだ。
それどころか賭けをしている者もいる

ルーシィ
「だって…最強チームの二人が激突したら……」

グレイ
「最強チーム?何だそりゃ」

ルーシィ
「あんたとナツとエルザ、それにアゲハとレナじゃないっ!!!あんたらが妖精の尻尾トップ5でしょ」

グレイ
「はあ?」

ルーシィの言葉にグレイが眉を寄せる。

グレイ
「くだんねェ!誰がそんな事言ったんだよ」

グレイの後ろには無理して笑顔を繕っているミラが………

アゲハ
『グレイ、後ろ……』

グレイ
「あん?」

後ろを振り向いたグレイの視界には、顔を両手で押さえ泣いているミラがいた。

グレイ
「あ……ミラちゃんだったんだ……」

オレはグレイの肩に自分の腕をのせ黒い笑顔をグレイに向ける。

アゲハ
『謝ろうか、グレイ。女の子泣かしたらアカン』

グレイ
「ビクゥッ!!ごめんなさい!!」

オレの黒いオーラにビビり、すぐさまグレイがミラに謝った。うん、それでいいんだよ。

エルフマン
「確かにアゲハは強ぇし、ナツやグレイの漢気は認めるが……“最強”と言われると黙っておけねえな。
フェアリーテイルにはまだまだ強者が大勢いるんだ。オレとか」

レビィ
「最強の女はエルザで間違いないと思うけどね」

ジェット
「最強の男となるとアゲハはもちろんミストガンやラクサスもいるし」

ドロイ
「あのオヤジも外す訳にはいかねえな」

エルフマンとレビィたちも話に加わる。それにしてもギルダーツか………実はまだ会ったことねえんだよな。どれぐらい強いんだろ?アクノロギアと戦って生き延びたんだから相当強いはずだけど……
オレがそんなことを考えているとミラが自分の主張を言い出した。

ミラ
「私はただナツとグレイとエルザが一番相性がいいと思ったのよ」

ルーシィ
「あれ?仲が悪いのが心配って言ってませんでした?」

レナ
「あの三人の相性は面倒事を起こすときに限ってぴったり合いそうだね」


「「「「「たしかに」」」」」


グレイ
「おい!どういう意味だよ!!」

レナの発言にグレイがツッコんだ。けどいまいちキレがないな。やっぱりツッコミ役はルーシィだな。

エルフマン
「なんにせよ面白い戦いになりそうだな」

グレイ
「そうか?オレの予想じゃエルザの圧勝だが」

アゲハ
『まあ、どっちもガンバレー』

オレはナツとエルザに視線を戻す。ナツと向かい合っているエルザが口を開いた。

エルザ
「こうしておまえと魔法をぶつけ合うのは何年ぶりかな………」

ナツ
「あの時はガキだった!今は違うぞ!!今日こそおまえに勝つ!!!」

エルザ
「私も本気でいかせてもらうぞ。久しぶりに自分の力を試したい」

エルザの言葉と同時に鎧が変化していく。
換装が終わったエルザの体にあるのは赤い炎のような鎧だった。炎帝の鎧だ。

エルザ
「すべてをぶつけて来い!!」

アゲハ
『うわ、大人気ねえな』

「炎帝の鎧!!耐火能力の鎧だ!!」

「エルザ!!そりゃあ本気すぎだぜ!!」

炎帝の鎧に換装したエルザをじっと見つめるハッピー。あ、これってもしかして……

ハッピー
「やっぱりエルザにかけていい?」

そう言ってカナに賭け金を渡しているハッピー。やっぱりこのシーンか。

ルーシィ
「何て愛のない猫なの!!」

アゲハ
『もうちょっとナツを信じてやれよハッピー』

ハッピーの鞍替えにツッコむオレとルーシィ。

ルーシィ
「あたしこーゆーのダメ!!どっちも負けてほしくないもん!!」

グレイ
「意外と純情なのな」

ナツ
「炎帝の鎧かぁ……そうこなくちゃ。これで心おきなく全力が出せるぞ!!!」

ナツが腕から炎を出し、構える。いい勝負にはなると思うけどエルザの勝ちだろうな。

マカロフ
「始めいっ!!」

ジイさんの合図で勝負が始まる。つーかジイさん審判だったんだ。

ナツ
「だりゃっ!!」

ナツが猛然と殴りかかるがエルザはそれを余裕かわし、剣で凪ぎ払う。
ナツは体を捻って攻撃を回避しけりを繰り出す。エルザはそれを避けると、ナツの足元を払い転ばせた。

ナツ
「ぐっ」

追撃しようとするエルザ、しかしナツの口から炎が吐き出されエルザは距離をとった。ていうか周りにも被害いってるぞ。気を付けろよナツ……

ルーシィ
「すごい!!!」

エルフマン
「な?いい勝負してるだろ」

グレイ
「どこが」

アゲハ
『まあエルザの方が優勢だな』

オレたちがそれぞれ感想を言った。それよりグレイ、いくらナツが気にくわないからって認めるもんは認めねぇと強くなれねぇぞ。

そうこうしているうちに仕切り直したナツとエルザは再び駆け出した。

パァン

カエル(笑)
「そこまでだ。全員その場を動くな。私は評議院の使者である」

評議院の使者と名乗るカエルが現れた!!(笑)

レビィ
「評議院!!?」

ドロイ
「使者だって!?」

ジェット
「何でこんなところに!!?」

ルーシィ
「あのビジュアルについてはスルーなのね」

アゲハ
『語尾にゲロとかつけないんだな』

レナ
「ツッコミ所が違うでしょ」

レナにツッコまれた。オレもどちらかと言うとツッコミキャラのはずなのに……不覚!!

カエル(笑)
「先日の鉄の森テロ事件において、器物損壊罪他11件の罪の容疑で…エルザ・スカーレットを逮捕する。そして夜科アゲハ、お前には評議院から話がある。ついてこい」

エルザ
「え?」

ナツ
「何だとおおぉっ!!?」

アゲハ
『はあ、またOYOBAREかよ』

レナ
「がんば、アゲハ兄」

アゲハ
『めんどくせぇ……』



━評議院 フィオーレ支部━

手枷をはめられたエルザと並んでオレは長い廊下を歩いていた。あ、もちろんオレは手枷などはめられていない。来いっつーから来ただけだしな。

エルザ
「!!ジークレイン」

しばらく歩いているとエルザが壁に寄りかかっている男に気づいた。お、あれってジークレインだよな。生で見るのは初めてだぜ。

ジークレイん
「久しぶりだな……エルザ」

あ、カエル(笑)がすぐさま膝まずいた。つかそんなに偉いのか?こいつ……
エルザも警戒してるな。

ジークレイン
「そう身構えるな。これは思念体だ。オレの“体”はERAにある。あの扉の向こうにいるじじいどもも全員思念体さ。こんな小せェ案件でわざわざ出向くわけないだろう」

エルザ
「そうか…これは貴様の仕業だったのか。くだらん茶番だ」

ジークレイン
「心外だな…オレはフェアリーテイルを弁護したんだぞ。だがじじいどもは責任問題が自分たちに及ぶのを恐れすべての責任を押し付ける対象をつくらざるをえなかった。スケープゴートってやつさ」

エルザ
「黙れ」

ジークレイン
「まあ…いいが、裁判前にオマエに会いに来たのは他でもない…」

ジークレインはエルザに近づき小さな声でい言った。ま、オレには聞こえてるけど。

ジークレイン
「“あの事”はじじいどもには言うな。お互いのためにな」

そう言うと、ジークレインはエルザから離れ
た。

ジークレイン
「では…扉の向こうで待っている。評議院の一人としてな。それと……直接会うのは初めてだな。“暴王【メルゼズ】”のアゲハ」

アゲハ
『そうなるな。こちらこそ初めまして。評議院のジークレインさん☆』

ジークレイン
「お前の力には興味がある。いつか調べてみたいものだな」

アゲハ
『あー、そういうのはお断りだ。ま、仲良くしようぜ』

ジークレイン
「ふ、ではまたな」

ジークレインの体はどんどん透けていき、やがて消えていった。

カエル(笑)
「あ、あんた……すごい人と知り合いなんだな」

カエル(笑)の使者がエルザに向かって言う。

エルザ
「“悪”だ」

カエル(笑)
「え?」

エルザの答えの意味がカエル(笑)には分からなかったみたいだな。

んー、個人的にはジェラールとは仲良くしたいんだがな……シモンのことがあるしなぁ……こっそり助けちまおうかな。そうすればあまりいざこざも起きないだろうし、大体オレがこの世界に来た時点で原作とは違う世界になってるんだしな。原作崩壊しても問題無いだろ。でも多分ゼレフとかはナツしか倒せないだろうから原作の流れは壊さないつもりだけどな。ナツとかの成長のためにも。


━法廷━

カエル(笑)
「これより魔導裁判を開廷する。被告人エルザ・スカーレットよ、証言台へ」

オレへの話はエルザの裁判が終わってからだそうで、オレは傍聴席で裁判を見ていた。

議長
「被告人エルザ・スカーレットよ主はオシバナ駅一部損壊、リュシカ峡谷鉄橋破壊クローバーの洋館全壊……これら破壊行為の容疑にかけられている。目撃証言によると……犯人は鎧を着た女魔導士であり……」

議長がそこまで言ったところでオレの後ろのにある扉が突然壊された。危ねぇ━━━!!とっさに避けたから大丈夫だったけど…もうちょい静かに入ってこいよ、ナツ……

議長
「何事!?」

白煙が消え去ると叫び声が聞こえてきた。

ナツ
「オレが鎧の魔導士だ━━っ!!捕まえられるものなら捕まえてみやがれぇぇっ!!!」

評議院たちの視線の先にはエルザの格好をして暴れている叫んでいるナツがいた。

エルザ
「!!」

ナツ
「オレがエルザだァ!!コラァァ!!何の罪だか言ってみやがれ━━━━━━━っ!!!」

その場にいる一同は開いた口が塞がらなかった。や、やべぇ……原作見て知ってたけどこれツボった……もうだめだ……

ナツ
「それぁギルドマスターの命よりも重てェ罪なんだろうなァ!!あ?」

アゲハ
『あっはっはっはっはっは!!!!なんだよナツその格好!!は、は、腹痛ぇ━━━━━!!!』

静まり返った法廷の中で、オレの笑い声だけが響いていた。
議長がため息をはいて口を開く。

議長
「ふ…二人を牢へ」

エルザ
「も…申し訳ありません………。おい、アゲハもいつまで笑っている!!」

アゲハ
『だ、だってよ、あんなの笑うなって方が無理じゃん。プッ、また思い出して笑いそうだ』

エルザ
「いい加減にしろ『いてっ!!』本当に申し訳ありません……」

ナツ
「エルザ!!こんな奴に謝ることなんかねえ!!あ…いや……オレがエルザだ!!」

ったくエルザの奴……殴るこたねぇじゃんかよ━━…
オレはエルザに殴られた頭をさすりながらエルザを訴えるような目で見ていた。無視されたけど……(泣)


騒ぎの後……オレは議長にそのまま法廷に残るよう言われたので傍聴席に座ったままでいる。

議長
「夜科アゲハ……」

アゲハ
『お、早速か?』

議長が話しかけてきた。オレは立ち上がって話を聞く。

議長
「先日の深淵の洞窟の件……ご苦労だったな」

アゲハ
『あれくらい問題ねぇよ。それより本題は何だ?』

議長
「うむ、実は評議院の一人であるヤジマがそろそろ引退したいと言い出してな。まあ奴も年だしやりたい事もあるだろうから認めてやりたいのだが少々問題があってな」

アゲハ
『え…ちょっと待って。嫌な予感しかしないんだけど』

議長
「後釜がいないのだ。そこでヤジマに適任な人物を頼んだところ主の名前が出てきたと言う事だ」

アゲハ
『ま、まさかそれってオレに評議院になれってことか?』

議長
「そういうことになるな。ワシも主が適任だと考えておる」

何だってぇえええええええええええ!!!!?

アゲハ
『やだよ!!オレ評議院になんかなりたくない!!』

議長
「しかし……」

アゲハ
『やだったらやなんだよ!!オレはもっと自由に生きたいし、あんたらみたいに権力闘争に巻き込まれたくもない!!』

議長
「はぁ、主ならそう言うだろうと思っておったよ。分かった、この件はなかったことにしよう」

アゲハ
『サンキュ!!じゃあオレ帰るな』

議長
「ああ、しかしまた何か頼むことがあるかもしれぬぞ」

アゲハ
『そんときゃ依頼1つにつき妖精の尻尾の面倒事1つ見逃してくれな』

議長
「むぅ、それは承認しかねる」

アゲハ
『ハハッ、そりゃそうか!!じゃあな』

オレは議長に手を振ってから瞬間移動者【テレポーター】を使ってギルドにテレポートした。

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