小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第43話 巧妙な罠だ



━Side アゲハ━

アゲハ
『おーっす、何だ何だ?しけたツラしてんなァ、キミタチィ』

レナ
「おはよー。みんなどうしたの?」

朝、レナと一緒にギルドに来てみると、みんなが何やらざわついていたので聞いてみた。

マカロフ
「アゲハか!ちょうどよいところに!!ちと頼まれてくれんか!?」

アゲハ
『へ?』

ミラ
「ナツたちが勝手にS級クエストに行っちゃったのよ!!」

アゲハ
『うっそ、マジ!!?』

あぁーそういや原作始まってからラクサス初登場した翌日はガルナ島編始まるんだったっけ?すっかり忘れてたよ。

レナ
「ナツたちってことはハッピーとルーシィも一緒に!!?」

ミラ
「そうなのよ。今のナツたちの実力じゃ無謀だわ」

アゲハ
『あいつ等の受けた依頼は?』

本当は知ってるけど聞いておく。

マカロフ
「呪われた島、ガルナ島じゃ。アゲハよ、ナツたちを連れ戻してほしい。グレイがすでに連れ戻しに向かったんじゃがグレイ一人ではさすがに不安なんじゃ」

グレイはすでに出発したらしい。もうすぐハルジオンの駅につく頃だそうだ。

アゲハ
『ええ━━、グレイがもう連れ戻しに行ったんならオレが行かなくてもいいじゃん』

ぶっちゃけガルナ島編は介入する気がなかったのでやる気が起きない。誰も死なないしね。

マカロフ
「頼む、この通りじゃ」

アゲハ
『やだよ。今日は久しぶりにレナとゆっくりするつもりだったのに』

レナ
「私は別に構わないよ?アゲハ兄」

アゲハ
『オレは嫌なの』

たまの休日ぐらいゆっくりしたいんだよ。
一向にナツたちを連れ戻しにいこうとしないオレを見てジイさんが何やらミラと目配せをした。

アゲハ
『(ん?何だ?目配せなんかして……)』

マカロフ
「(ミラ、“アレ”をやれ)」

ミラ
「(了解!!)」

ジイさんからの合図らしきものを受け取り、ミラはそれに頷いて行動を開始した。

ミラはオレに近づいてきて顔を見上げる。

ミラ
「アゲハ…お願い……ナツたちが死んじゃうかもしれないのよ。今ナツたちを連れ戻せるのはあなたしかいないの」

ミラは上目遣いでオレに頼みこんできた。さらにその顔には涙が流れている。

アゲハ
『なっ、ミ、ミラ!?』

な、泣くほど心配だったなんて……!!

レナ
「(あ、うそ泣きだ、コレ…)」

レナの視線の先にミラが手に隠し持っている目薬があったことをオレは知らない。

マカロフ
「アゲハよ、ミラが泣いてまで頼んでおるというのに断るというのか(棒読み)」

ミラの涙(うそ泣き)を見て気が動転していたオレは、ジイさんが明らかな棒読みでオレに向かって話していることに気づけなかった。(後日談)

アゲハ
『わ、わかったよ!!すぐ行くから!!ミラ、お願いだから泣き止んでくれよ』

ミラ
「グスッ、わかった、じゃあお願いね」

レナ
「いってらっしゃい、アゲハ兄」

アゲハ
『おう!じゃあ行ってくる!!』

オレはすぐに“瞬間移動者【テレポーター】”でハルジオンの駅にテレポートした。まずはグレイと合流するか……

オレが去った後のギルドでグッと親指を立て合うミラとジイさんがいたという……


キュン


アゲハ
『ふぅ、着いたか』

グレイ
「アゲハ!!?何でここに……!?」

アゲハ
『うおっ!!グレイか、ビックリしたぁ……』

まさかテレポートした地点でいきなり会うとは思わなかった。

グレイ
「ビックリしたのはこっちの方だよ!!どうしたんだ?いきなりテレポートで現れたりして」

アゲハ
『オレもナツたちを連れ戻せって頼まれたんだよ。んでテレポートでここに来たって訳だ』

グレイ
「珍しいな。お前がこんな面倒事引き受けるなんて」

アゲハ
『ミラに泣きつかれたんだよ。仕方なくだ仕方なく』

グレイ
「あぁ……そりゃ断れねえわな。ともかく早く行くぞ!!ぐずぐずしてるとあいつらが島に向かっちまう」

オレとグレイはナツたちを止めるため港へ走り出した。


しばらく走るとナツたちが港にいるのを見つけた。

オレたちは後ろから二人と一匹にそっと近づく。

アゲハ&グレイ
『「みーつけた」』

同時に肩を叩いて声をかけた。

ルーシィ
「アゲハ!!?グレイ!!」

ナツ
「何でここに!!?」

ナツたちは驚きの表情でオレたちを見た。

グレイ
「連れ戻してこいっていうじーさんの命令だよ」

ナツ
「どわ━━!!もうバレたのかぁっ!!?」

アゲハ
『そりゃバレるだろ。ミラが毎日依頼板チェックしてるんだから』

グレイ
「今ならまだ破門をまぬがれるかもしれねえ戻るぞ」

ルーシィ
「破門!!」

ルーシィはグレイの破門という言葉にショックを受けているようだった。
ルーシィって絶対巻き込まれ体質だよな……

ナツ
「やなこった!!オレはS級クエストやるんだ!!」

グレイ
「オメーらの実力じゃ無理な仕事だからS級
って言うんだよ!!」

アゲハ
『それに分かってるのかナツ?もしこの事がエルザに知られたらオメェ……あわわ……』

本当は怖くないけどエルザに恐怖する様子を演出するオレ。結構演技派かもな……

ナツ、ハッピー、ルーシィ
「「「エルザに知られたらァ…!!!」」」

ハッピー
「アゲハぁ━━グレイ━━助けてぇ━━オイラこの二人に無理矢理……」

ハッピーが危険を感じたのかオレとグレイの後ろに隠れ、助けを求める。
調子いいなお前……

ルーシィ
「裏切り者ォ!!!」

ルーシィがたまらず叫ぶ。いいツッコみだ!!

ナツ
「オレはエルザを見返してやるんだ!!こんなところで引き下がれねえ!!!」

グレイ
「マスター直命だ!!ひきずってでも連れ戻してやらァッ!!!ケガしても文句言うなよ!!」

ナツ
「やんのかコラァ!!!」

ルーシィ
「ちょ…ちょっと二人とも!!」

ナツたちが魔法を出したことに一人の船乗りが反応する。お、たしか……名前は思い出せないけど悪魔の人だ。

ボボ
「魔法!?あんたら…魔導士だったのか?ま、まさか島の呪いを解く為に…」

ナツ
「オウ!!」

ルーシィ
「い、一応……自信なくなってきたけど」

グレイ
「行かせねーよ!!」

アゲハ
『お前ら逃がしたらエルザにお仕置きされちまうからな』

島の人達は後でオレが正式に依頼を受けて救いにいけばいいだけだし……
うーん、でもここまで来たんならいっそついて行こうとも思ってしまう……どうしよっかな…

ボボ
「乗りなさい」

グレイ
「何!?」

悪魔の人は船に乗るよう促した。その事に驚いたグレイに隙ができてしまった。

ナツ
「(チャンス!!)おりゃ」

グレイ
「ふんごっ」

アゲハ
『あ、グレイ』

かわいそうに……顔面蹴られて気絶してら。

ナツ
「あとはアゲハを倒すだけだ」

アゲハ
『ナツ…お前オレに一回も勝ったことないだろ。倒せると思ってんのか?』

やっぱりエルザのお仕置きは勘弁願いたいのでナツたちを止める方を選択する。

ナツ
「ふふふ、手段を選らばなけりゃお前を倒すのはグレイより簡単だ」

アゲハ
『何だと?』

ルーシィ
「(アゲハってS級魔導士なんでしょ?どうやって倒すっていうの?)」

ナツ
「いくぜ」

ナツはスゥ、と息を吸い込んだ。

アゲハ
『火竜の咆哮か?ンなもんオレには効かね……』

ナツ
「あ━━━━っ!!!あんなところでレナが男どもにいじめられてるぞ!!」

ルーシィ
「(えぇ━━━━━!!?いくらなんでもそんなのに引っ掛かるわけ……)」

アゲハ
『何ぃ!!?』

ルーシィ
「(あった━━━━!!予想以上にシスコンだった!!!)」

オレは慌ててナツの指差した方を振り返る。しかし当然のことながらそこには誰もいなかった。

アゲハ
『しまっ……』

ドゴォ!!

気づいたときにはもう遅かった。動揺してライズを解除してしまったオレはナツの一撃を食らって気絶してしまった。

くそっ、巧妙な罠だ。

次にオレが目を覚ましたのは海の上だった。

ああ、お仕置き決定だ(泣)。
オレは一人、エルザによって行われるお仕置きを想像し、途方に暮れることとなった。

-44-
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