小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第46話 厄災の悪魔


━Side アゲハ━

翌朝……

ナツ
「早ェよ」

グレイ
「まだめっちゃ朝じゃねえか」

アゲハ
『あと二時間は寝かせてくれ……』

ルーシィ
「誰のせいで眠れなかったと思ってるのよ!!出発よ、出発!!!」

早朝から島の探索に行こうとするルーシィ。オレたちは眠いながらもそれについていく。

門番
「早いですね。辺りが悪魔だらけじゃ眠れませんでしたか?」

門から出ていこうとすると門番に声をかけられた。

ルーシィ
「そうじゃないの。気にしないで」

グレイ
「月を壊す前に島を少し調査してえ。開けてくれるか?」

ナツ
「何!?やっぱ壊すのか!!?」

門番
「どうぞ」

門番が門を開けてくれたので早速島の調査を開始する。

ナツ
「何だよォ!!!昨日あれだけ月を壊すのは無理とかいってたのによォ!!!」

アゲハ
『無理だよ。村の人の手前壊すって言っただけだ』

グレイ
「それに実際壊せるとしても壊さねぇ。月見ができなくなるだろーが」

アゲハ
『いや、そういう問題か?』

ナツ
「そっか、期間限定の妖精の尻尾特製月見ステーキもなくなっちまうのか!!!」

ハッピー
「オイラ月見塩魚なくなると困るよ!!」

アゲハ
『いや、だからそういう問題じゃねーだろ』

相変わらず緊張感のない奴等だな……

ホロロギウム
「≪ちょっとアンタたち、何がいるかわからないんだから大声出さないでくれる?≫……と申しております」

ナツ
「自分で歩けよ」

グレイ
「おまえ星霊の使い方それ……あってるの?」

ホロロギウムの中に入っているルーシィも大概だな。つかそん中別に安全でも何でもないだろ。

ホロロギウム
「≪だって相手は“呪い”なのよ、実体がないものって怖いじゃない!!≫…と申しております 」

ナツ
「さすがS級クエスト!!!燃えてきたぞ!!!」

グレイ
「呪いなんか凍らせてやる。ビビる事ァねぇ」

いや、さすがに実体のないものを凍らせるのは無理だろ……

アゲハ
『大丈夫だって。呪いと怒ったときのエルザを比べてみな。ほら、呪いが怖くなくなってきたろ?』

ホロロギウム
「≪ホンットアンタらバカね…≫と申しております」

ハッピー
「ねぇ、オイラも入りたい」

ガサガサ…

グレイ
「ん?」

ガサガサ……

ナツ
「何だ?」

何やら物音が聞こえる…たしかこの後って……あぁ━━ダメだ!!思い出せねえ。

アンジェリカ
「チュー」

アゲハ
『鳴き声?』

突然聞こえた鳴き声に後ろを振り返ると、そこには服を着た超巨大ネズミが迫っていた。

ナツ
「ネズミ!!」

グレイ
「でか━━━っ!!!」

アゲハ
『キモいっ!!!服着てるぞこのネズミ!!!』

ネズミのでかさに驚いている中、オレが違うところに目をつけていると、ネズミは突然口を膨らませた。

ナツ
「何か吐き出す気だぞ!!」

アゲハ
『やべっ!!あれってたしか…!!』

急いでネズミの吐き出すものを防ぐ準備を始める。

グレイ
「任せろ!!オレのアイスメイク“盾”で…」

グレイが得意技の盾で攻撃を防ごうとする。だけどグレイ……それじゃその攻撃は防げねえよ。

アンジェリカ
「ぶはァ━━━っ!!!」

そう、ネズミが吐き出したのは気体である息。しかもこの息 ……

ナツ
「んがっ!!」

グレイ
「もげっ!!」

ホロロギウム
「≪ちょっと!!みんなどうしたの!!?≫……と申し…んがっ」

ルーシィ
「きゃ━━━!!!」

とてつもなく臭かった。あまりの臭さにホロロギウムも消えてしまい、ネズミはきゃっき ゃっと笑っている。何かムカつくなこのネズミ。うわぁー、死にそうな顔してんなぁ、ナツたち。

アゲハ
『あ、あっぶねぇ━━━…』

オレはマテリアル・ハイの障壁の中に避難していたので大丈夫だった。

グレイ
「くさ━━━っ!!!何だこの臭いは!!!」

ナツ
「………」

グレイ
「ナツ!!!情けねぇぞ!!!」

アゲハ
『いや、コイツは鼻がきくからお前らの二倍きついんだろうぜ、気の毒に…』

グレイ
「なるほど……っておい!!アゲハてめえ一人だけ避難してんじゃねえよ!!」

アゲハ
『わり、間に合わなかった』

ルーシィ
「と、とにかく逃げましょ!!!」

ルーシィの言葉を皮切りに走り出すオレたち。ネズミは物凄い速さで追いかけてくる。
おいおい地響きがなってるぞ……

グレイ
「ちっ、アイスメイク“床【フロア】”!!!」

ここでグレイが地面を凍らせ、ネズミは足を滑らせた。そのまま滑りながらこちらに向かってくる。

アゲハ
『マテリアル・ハイ!!!』

オレはマテリアル・ハイでネズミの進行方向に壁を作り出した。勢いに乗っているネズミはそのまま壁に激突し、気を失った。
ザマーミロこんにゃろ!!

アゲハ
『作戦成功!!』

ナツ
「ナイス!!!」

ルーシィ
「見て!!あそこに建物がある!!今のうちにあそこに入りましょう!!」

アゲハ
『そうだな、おいナツ!!グレイ!!行く…ぞ……』

ルーシィの意見にしたがってナツたちに呼び掛けようとしたところで、あの光景を目にした。

ナツ&グレイ
「「今のうちにボコるんだ」」

ルーシィ
「…………」

ああ、やっぱり原作通りなんだな……
二人は動かなくなったネズミを容赦なくボコボコにしていた。
しばらくしてオレたちは建物の中に入った…

ルーシィ
「うわー、広いね……」

ナツ
「ボロボロじゃねぇか」

アゲハ
『見た感じ遺跡か?』

グレイ
「いつの時代のモンだコリャ」

ナツ
「見ろよ、月みてぇな紋章があるぞ」

グレイ
「この島はもともと月の島って呼ばれてたって言ってたしな」

ルーシィ
「月の島に月の呪い…月の紋章…この遺跡はなんか怪しいわね」

アゲハ
『にしても本当にボロいなここ、ちょっと暴れただけですぐ壊れそうだ』

これなら足で踏みつけただけで壊れるのも納得できる。

ナツ
「試してみるか」

とナツはガンガンと地面を踏み付け始める。

べこん!!

アゲハ
『あ…』

原作通りナツが地面を踏みつけると地面が崩れてしまった。オレたちはそのまま落下する。

ルーシィ
「バカー!!!」

ナツ
「なんて根性のねぇ床なんだァァ!!!」

グレイ
「床に根性もくそもあるかよ!!!」

アゲハ
『安心しろお前ら。テレキネシスで全員降ろしてやる』

ルーシィ
「ありがとう!!アンタがいてくれて助かったわ、アゲハ!」

アゲハ
『どういたしまして。よっと』

オレは全員の体をテレキネシスで浮かせ、ゆっくりと遺跡の地下へと降ろした。

ルーシィ
「アンタって本当すごいわね」

アゲハ
『いやー、それほどでもあるかな』

ルーシィ
「あるのね」

グレイ
「ナツ!!テメェはなんでいっつも後先考えねぇで行動しやがる!!!アゲハがいたからよかったものの!!」

アゲハ
『まぁ、過ぎたことは仕方ねえし、これからどうするか考えようぜ』

ルーシィ
「そうね。だけどここ……どこなの?」

グレイ
「さっきの遺跡の地下みてーだな」

ナツ
「秘密の洞窟だ━━━っ!!!せっかくだからちょっと探険しようぜ!!!」

アゲハ
『それいいな!!早く行こうぜ!!』

グレイ
「おいナツ!!これ以上暴れまわるんじゃねえ!!アゲハも悪のりすんな!!」

まぁそんな忠告は全く聞かずオレとナツは道を進む 。みんなは仕方なくそれについて来ているようだ。

しかし、ほんの少し進んだところでとんでもないものを目にした。
あ、みんなにとってはね。←ここ重要

ナツ
「な……何だ?あれ……」

ルーシィ
「な………!!!」

ハッピー
「え……!!!?」

アゲハ
『ワオ』

予想していたのよりでかかったので思わずリ〇ーンに出てくる風紀委員長の口調が出てしまった。いつもじゃないよ、そんなにワオワオ言ってないからね?

ナツ
「でけえ怪物が凍りついてる!!!!」

オレたちの目の前にいる氷漬けの怪物は先程のネズミをゆうに越える巨体だった。

グレイ
「デリオラ…!!!?」

ナツ&ルーシィ
「「え?」」

怪物の名前を知っていたグレイに驚く二人。

グレイ
「バカな!!!デリオラが何でここに!!!?」

ナツ
「デリ…?知ってんのか?コイツ」

ナツが問うがそれに答える余裕などないかのようにグレイは取り乱している。

グレイ
「あり得ねぇ!!!こんな所にある訳がねえんだ!!!あれは…!!あれはっ!!!」

ルーシィ
「ちょっと…!!!落ち着いてグレイ!!!」

ハッピー
「グレイ…?」

どうも周りが見えてない様子。仕方ないな……
オレは近づき肩に手を置いた。そして…

ゲシッ

グレイ
「痛っ!!」

少し力を込めて頭をチョップした。

アゲハ
『少しは落ち着いたか?お前が冷静にならなくちゃ見えるもんも見えなくなるぞ』

グレイ
「………っ」

アゲハ
『それで?コイツは何なんだ?』

グレイ
「……デリオラ……厄災の悪魔…」

ナツ
「白菜?」

アゲハ
『厄災だよ』

グレイ
「あの時の姿のままだ…どうなってやがる……」

カッ、カッ、カッ

突然足音が聞こえてきた。

ルーシィ
「!」

カッ、カッ、カッ

ルーシィ
「しっ、誰か来たわ!!」

ハッピー
「ひとまず隠れよ!!」

ナツ
「何で?」

アゲハ
『ぶっとばせばいいじゃんか』

ルーシィ
「早くしなさい!!(小声)」

最終的にルーシィに耳を引っ張られ、オレたちは岩影で足音の主を待つことにした。

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