小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第48話 グレイとリオン


オレたちは今、岩陰からリオンたちの様子を見ている。

ユウカ
「くそ…昼起きたせい、眠い」

トビー
「おおーん」

ユウカ
「結局侵入者も見つからなかったし」

トビー
「ホントにいたのかよっ!!!」

シェリー
「悲しい事ですわ零帝様。昼に侵入者がいたようなのですが……取り逃がしてしまいました。こんな私には愛は語れませんね」

リオン
「侵入者…」

グレイ
「!」

ナツ
「あいつが零帝か!?」

ルーシィ
「えらそーな奴ね。変な仮面つけちゃって」

ハッピー
「そっかなぁ、オイラカッコイイと思うよ」

いや、あの仮面はないわ。無理無理、センスを疑う。

リオン
「デリオラの復活はまだなのか?」

シェリー
「この調子だと今日か明日には…と」

トビー
「どっちだよっ!!!」

リオン
「いよいよなのだな……」

グレイ
「………」

先程まであんなに気が立っていたグレイが嘘のように静かになった。何と言うか今のグレイは放心状態だ。零帝の正体がリオンだということに気づいたか?

リオン
「侵入者の件だがここにきて邪魔はされたくないな。この島は外れにある村にしか人はいないハズ。村を消してこい、血は好まんのだかな……」

シェリー
「はっ!!!」

ユウカ
「了解!!!」

トビー
「おおーん!!!」

リオンの命令で村を消そうと飛び出す三人。

ナツ
「何!!?」

ルーシィ
「村の人達は関係ないのにっ!!!ど…どうしよう!!!」

グレイ
「この声…オイ…ウソだろ…」

村を消すという言葉についに勘忍袋の緒が切れたナツ。

ナツ
「もうコソコソするのはゴメンだ!!!」

そう言って口を思いきり膨らませたナツはそのまま火を吹きながら言った。

ナツ
「邪魔しに来たのはオレたちだァ!!!!」

ま、当然向こうもこちらに気づく。さぁて、先頭開始といくか!!

ルーシィ
「もう…なるようにしかならないわね!!!」

アゲハ
『っし!!やるか!!』

先頭準備にはいるオレたち。ルーシィは鍵を構える。

シェリー
「あの紋章!!妖精の尻尾ですわ!!」

ユウカ
「なるほど……村の奴等がギルドに助けを求めたか」

リオン
「何をしている。とっとと村を消してこい」

ルーシィ
「え?」

ナツ
「何で?」

リオン
「邪魔をする者、それを企てた者、全て敵だ」

ナツ
「何でえっ!!?」

アゲハ
『無茶苦茶な理屈だな……呆れるぜ…』

グレイ
「てめえぇぇっ!!!!その下らねぇ儀式とやらを今すぐやめやがれぇぇっ!!!!」

グレイが我先にと走りだし、氷の造形魔法を放つ。

リオン
「フン」

それに対し、リオンも氷の造形魔法を放って相殺させた。

グレイ
「リオン……てめえ自分が何やってるかわかってんのか?」

ナツ
「え?」

リオン
「ふふ、久しいなグレイ」

ルーシィ
「知り合い!!?」

ハッピー
「えぇっ!!?」

敵も味方も誰もがグレイとリオンが知り合いだったことに驚愕した(オレ以外)。

グレイ
「何のマネだよ!!!コレぁ!!!」

リオン
「村人が送り込んできた魔導士がまさかお前だったとはな……知ってて来たのか?それとも偶然か?まぁ、どちらでもいいが……」

ユウカ
「零帝リオンの知り合いか?」

トビー
「おおっ!?」

リオン
「早く行け。ここはオレ一人で十分だ」

シェリー
「はっ!!!」

トビー
「おおーん!!!」

あらららら、調子に乗ってるよこの人。ここは一人で十分とかふざけてんの?原作崩壊気にしてなければ瞬殺してるところだ。

ナツ
「行かせるかっての!!!」

シェリーたちが村へ行くのを阻止するため動いたナツ。

ナツ
「よせ!!ナツ!!動くな!!!」

グレイがナツに止まるよう呼び掛ける。しかし時既に遅し。ナツはリオンの魔法にかかり、体が凍りついていった。

ナツ
「うああっ!!!」

アゲハ
『あ、ナツが凍った』

ルーシィ
「何でそんな落着いてんの!!?」

アゲハ
『まあ、そういう性格だからな。そんなことよりお前ら、先に村へ行っとけ。オレが送ってやるから』

ルーシィ
「え?ちょっと、待っ…」

アゲハ
『んじゃ、いってらー』

キュイン

オレはルーシィとハッピーを村へテレポートさせた。さて、ナツの氷溶かしてやんなきゃな。

グレイ
「つああっ!!!」

その間にグレイはリオンに攻撃を仕掛ける。

アゲハ
『パイロクイーン・サラマンドラ』

グレイがリオンと闘り合ってる間にオレはナツにサラマンドラの炎を浴びせてナツの体に纏わりついている氷を溶かす。いやー、よく溶けますこと。ついでにナツはサラマンドラの炎を食っている。これでちっとパワーアップしたかな?

リオン
「何っ!?オレの氷が溶かされただと!?」

アゲハ
『少しは熱に強い氷みたいだけど、オレのサラマンドラにかかれば何て事はねえ。それとナツ、氷溶けたからお前も村に送るぞ。あいつ等から村を守ってやれ』

ナツ
「ちょっと待てアゲハ!!オレもここで戦う…」

アゲハ
『はい、問答無用ー!!』

キュイン

オレはルーシィたちに引き続き、ナツも村へテレポートさせた。これで村はナツたちが何とかするから大丈夫だろう。

リオン
「隙をつくって仲間達を村へ転送するとはな……まあいい…奴らごときじゃシェリーたちは止められんだろう」

アゲハ
『それはどうかな?あまり妖精の尻尾の魔導士をなめない方がいいぜ』

リオン
「大した自信だな。ならばこれはどうだ?」

そう言ってリオンが氷の造形魔法を放ってきた。

アゲハ
『ンなもん効くか!!女王の鞭【クイーンウィップ】!!!』

オレは炎の鞭を操って攻撃を防いだ。

リオン
「ほう、やるな」

アゲハ
『てめえに誉められても嬉しくもなんともねえよ』

グレイ
「いい加減にしろよリオン!!」

リオン
「グレイ、お前は相変わらずだな。頭に血が上りやすい」

グレイ
「いい加減先輩ヅラすんのやめてくんねぇかな。リオン、お前はもうウルの弟子じゃねぇ」

リオン
「お前もさグレイ、ウルはもうこの世にいないのだからな」

そう言いながらリオンは仮面をゆっくりと外した。

グレイ
「デリオラを封じるために命を落としたんだ!!!ウルの残したものをてめえは壊そうとしてるんだぞ!!!!」

リオン
「記憶をすり替えるな、ウルはお前が殺したんだ、グレイ」

グレイ
「…!」

リオン
「名前を口に出すのもおこがましい」

グレイ
「が!!!」

リオンは手を突き出し、グレイに向かって魔法を発動させた。グレイはまともに攻撃をくらい吹っ飛んだ。

グレイ
「リ…リオン…」

リオン
「どうした?後ろめたくて手がだせんか。ならば邪魔をしないでほしいな。オレはデリオ ラを復活させる」

グレイ
「……させねぇよ…」

かつての兄弟子に戦いを挑む決意をしたグレイ。だけどその目には迷いが見える。

リオン
「それでいい、久しぶりに手合わせといこうか」

グレイ
「アゲハ!!手ェ出さねぇでくれよ」

アゲハ
『………分かった』

グレイが一対一を望んでいる以上オレが手を出すわけにはいかない。オレは静かにグレイとリオンの闘いを見守ることにした。

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