小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第62話 ノォオオオォオオオオオオオ!!!!!


━Side アゲハ━


煉獄砕波【アビスブレイク】の発動を阻止するため残りのエレメント4を倒しにMk?内を駆け巡る。

アゲハ
『くっそ、ジョゼもエレメント4も全然見つかんねぇ』

ここまでPSIを多用してきたせいでもはや魔力サーチも使えなくなってしまったオレはなかなか敵を見つけることができずにいた。

アゲハ
『あぁーもう何でガルナ島でゼロギア使っちまったんだよオレのアホ!!全快ならこんな奴らすぐにぶっとばせるのに…!!』


ザザザザ………


アゲハ
『ん?何の音だ?』

手当たり次第に探していると、突然何やら物音が聞こえ始めた。


ザザザザザバァ


音はどんどん大きくなっていく。

アゲハ
『この音……どんどん近づいて……ってどぁあっ!!!』


ザバァン!!!


走っている廊下の前方から熱湯が流れ込んできた。オレはとっさにマテリアル・ハイで熱湯を防ぐ。

アゲハ
『この熱湯は……ジュビアか!!!』

よく見てみれば熱湯の中でもがいているグレイがいる。


ゴボォオオオオ


ズザザザザザザザ


ドゥッ!!!


ジュビアの熱湯はグレイを巻き込んだまま壁を突き破り、外へ出た。

アゲハ
『うわぁ……激しいなー。よし、ちょっと追いかけてみよっと。面白そうだし』

目の前で繰り広げられた光景を見てオレはついグレイとジュビアの戦いを見に二人を追ってしまった。敵が見つからなくてフラストレーションで爆発寸前だったんだ。息抜きぐらいいいよな?うん、オレが許す。そんじゃ早速レッツゴー!!

オレはマテリアル・ハイを使って空中を駆け上がり、ジュビアが開けた穴から外に出た。そこではやはり雨が降っている。

相変わらずの雨女っぷりだな。やっぱグレイと戦わなきゃ雨を止ませるのは無理っぽいな。結局オレがジュビアに青空を見せてやれたのも初めて会った時の一回こっきりだったし、心の問題なんだろうな。

アゲハ
『見っけ!!おーいグレイ!!大丈夫……か…』

二人を見つけ、声をかけに行ったオレが目にしたのはジュビアを凍らせた上、胸を鷲掴みにしているグレイの姿だった。

アゲハ
『グレイ……』

グレイ
「違っ……!!!おい待てアゲハ!!これは……!!ってその前にスマン!!すぐに氷解く!!!」

慌ててジュビアの胸から手を離して魔法を解き、弁解しようとするグレイ。ンな焦んなって、心配すんな。オレはちゃんと知ってるからよ。

アゲハ
『大丈夫だグレイ。ちゃんと分かってる』

グレイ
「そ、そうか。ならいいんだ。よかった、ちゃんと分かってくれて……」

アゲハ
『ああ、よかったなグレイ!!ついにお前にも春が来たか!!』

グッ、と親指を立ててグレイに祝いの言葉を告げた。

フッ、知ってるがゆえにこんなイタズラも出来るというものなのだよ。

グレイ
「違ェ━━━━━━━━━ッ!!!!」

アゲハ
『うんうん、分かってるって。お邪魔虫はここで退散しますので、オレに構わず続きをどうぞ。二人供頑張れよ!!それではアデュー☆』

そこまで言ってオレは再びMk?の中に駆け込んでジョゼ探しを再開した。

アゲハ
『いやー、いいもん見れたぜ。これで1ヶ月ぐらいはグレイで遊べる!!だーっはっはっはっ!!!』

すっかり機嫌がよくなったオレは全速力でMk?内を駆け抜けた。



━Side Out━



━Side ジュビア━


ジュビアはファントムに乗り込んできた妖精の尻尾の男性と戦っていた。彼を一目見た時から胸のドキドキが止まらなかった。

だけど彼とジュビアは敵同士、彼はルーシィを死んでも守ると言った。それはつまり恋敵。ジュビアのジェラシーが煮えたぎって彼に攻撃した。けれど……

ジュビア
「そ…そんな……ジュビアの熱湯が…凍りつくなんて……」

ジュビアのジェラシーで煮えたぎった熱湯が凍らされた。

ジュビア
「しかも…」

グレイ
「あ゛あ゛━━━━━っ!!!」

彼はジュビアの胸に手を置いていた。ジュビア恥ずかしい…

いっそこのまま彼の氷の中で…
そう思っていた時だった。

アゲハ
『見っけ!!おーいグレイ!!大丈夫……か…』

聞いた覚えのある声が聞こえたかと思ったら、ジュビアに初めて青空を見せてくれた恩人、アゲハさんが僅かに目を見開いて驚いていた。

アゲハ
『グレイ……お前………』

グレイ
「違っ……!!!おい待てアゲハ!!これは……!!ってその前にスマン!!すぐに氷解く!!!」

そう言って彼…グレイ様はジュビアを氷から解放した。優しすぎる!!!

ジュビアがグレイ様の優しさに感動している間にも話は進む。

アゲハ
『大丈夫だグレイ。ちゃんと分かってる』

アゲハさんは何度も頷いてグレイ様に言った。

グレイ
「そ、そうか。ならいいんだ。よかった、ちゃんと分かってくれて……」

アゲハ
『ああ、よかったなグレイ!!ついにお前にも春が来たか!!』

春!?それってつまりジュビアとグレイ様が……!!?もしそうなったら…ジュビア幸せ!!!

アゲハ
『━━━━━━━━━━二人供頑張れよ!!それではアデュー☆』

ビュン!! ドドドドドドドド………

グレイ
「おい待てアゲハ!!ってもういねぇ……くそっ、仕方ねぇ後で説明するしかねぇか」

アゲハさんの言葉の余韻に浸っているうちにいつのまにかアゲハさんはいなくなっていた。

グレイ
「おい!!仕切り直しだ!!!」

ジュビア
「!!!」

グレイ様の声でジュビアは我に帰った。

ジュビア
「ダメよ…ジュビアにはあなたをキズつける事はできない」

グレイ
「は?キズつけられねえ……て、勝ち目はねえって認めちまうのか?」

ジュビア
「ジュビアはルーシィより強い。ジュビアならあなたを守ってあげれる」

グレイ
「守る?何でオレを」

ジュビア
「そ……それは…あの…」

“頑張れよ”アゲハさんは応援してくれた。勇気を出さなきゃ……

ジュビア
「あ…あなたの事が……す……す……」

グレイ
「てか雨強くなってねえか?」

ジュビア
「ジュビアじれったい!!!」

ダメ、どうしても伝えられない。

グレイ
「まったく…うっとおしい雨だなぁ」

その言葉は、ジュビアよ心に強く突き刺さった。

この人も……今までの人と同じ……

ジュビア
「同じなのねーっ!!!」

グレイ
「うお!!?何だっ!!?来るなら来やがれ!!!」

ジュビア……もう恋なんていらないっ!!!!

ジュビアはさっきよりも高温の熱湯で攻撃する。

ザザザザザザザザザザ……!!!!

ジュビアは雨女……

それでもジュビアと友達でいてくれるのはアゲハさんだけ。

他の人たちなんかもう知らない!!!

ジュビアはエレメント4!!!ファントムの魔導士!!!

たとえジュビアに初めて青空を見せてくれたアゲハさんと同じギルドの人だとしても容赦はしない!!!

ジュビア
「シェラ━━!!!!」

グレイ
「負けられねえんだよ!!!ファントムなんかによォ!!!!」


バキィ

ズガガカガガガガガガガ


グレイ
「ぬぁああああああっ!!!!」

グレイ様の叫び声と共に降っている雨が凍りついていく。

ジュビア
「雨までも氷に……何て魔力!!?」


ヒョオオオオオオオ……


グレイ
「氷欠泉【アイスゲイザー】!!!!」

バキィ!!!!

地面から氷の柱が出現し、ジュビアを飲み込んだ。

ジュビア
「あああああああああっ」


ビキビキビキビキ



パキィィイイイン


ドサ


ジュビア
「ジュビアは…負けた…!?」

グレイ
「どーよ?熱は冷めたかい?」

ジュビア
「あれ?雨が……やんでる…」

仰向けに倒れたジュビアの目には青空が広がっていた。

グレイ
「お!やっと晴れたか」

青空……アゲハさんと初めて会った時以来……

やっぱり、きれい……

アゲハさん以外にも青空を見せてくれる人がいた……

グレイ
「で……まだやんのかい?」

グレイ様が素敵な笑みを見せて言った。

ジュビアはハートを撃ち抜かれて気絶した。

ジュビアはグレイ様の虜です。


━Side Out━



━Side アゲハ━



ドォオン!!!

アゲハ
『この音…!!こっちか!!!』

Mk?内を走っていると、突然轟音が響き渡った。音の発生源へと進路を変え、オレは全速力で駆け抜けた。

アゲハ
『ふははははは!!!やっと獲物を見つけたぜ!!!待ってろよォ!!!』

そして戦いの場まであと少しという所で声が聞こえた。

エルザ
「天輪・繚乱の剣【ブルーメンブラット】!!!!」


ズバババババババ

ズシィン


アゲハ
『え゛倒しちゃったの?』

着いた部屋にはボロボロのナツ、多少ケガを負っているエルザとそのエルザにちょうど倒されたアリアがいた。

ナツ
「アゲハ!!」

ハッピー
「来てたんだね!!」

オレに気づいたナツが声をかけてきた。ナツに応えて手を上げようとした瞬間、Mk?が大きく揺れた。

ズズズズズズズズ

ナツ
「おおっ」

揺れによってナツはこけそうになり、エルザは魔力の消費からか倒れそうになっている。

アゲハ
『っエルザ!!』

とっさにエルザに駆け寄り、体を支える。

アゲハ
『大丈夫か!?』

揺れが治まり、落ち着いたところでエルザの容態を確かめる。ナツとハッピーもエルザのもとへ駆け寄ってきた。

エルザ
「大丈夫だ。少し魔力を消費しすぎただけだ」

ナツ
「そうか、よかった」

ハッピー
「さすがエルザだね!!アリアを倒しちゃうなんて」

アゲハ
『そうだな、大したもんだ』

本音を言えばオレがアリアの奴をぶっ飛ばしたかったんだけど言わない方がいいな。

ナツ
「それよりアゲハ、お前動いて大丈夫なのか?まだ万全じゃねえんだろ?」

アゲハ
『大丈夫だ、そこそこ回復してる。それよりお前の方がボロボロじゃねえか。サラマンドラの炎食っとけ』

そう言ってナツの魔力を回復させようとした時だった。

ジョゼ
≪妖精の尻尾の皆さん。我々はルーシィを捕獲しました≫

アゲハ
『何っ!?』

ナツ
「ルーシィ…!!」

ハッピー
「うそ…」

ジョゼ
≪一つ目の目的は達成されたのです≫

ドコッ

ルーシィ
≪きゃああああっ!!!!≫

そのジョゼの放送の後、鈍い音と共にルーシィの悲鳴が聞こえてきた。

アゲハ
『……っっ!!!』

ルーシィの悲鳴を聞いて怒りが込み上げてきた。ナツは肩を震わせて怒りを露にしている。

≪我々に残された目的はあと一つ……シェイドを増員し、強化した。残るは貴様等の皆殺しだ、クソガキども≫

そこまで言ってジョゼは放送を切った。

アゲハ
『ジョゼ……!!!ん?待てよ……』

シェイド増員&強化→妖精の尻尾が劣勢に→原作ではギルド壊れる→ギルドで寝ているレナが生き埋めに………

アゲハ
『ノォオオオォオオオオオオオ!!!!!』

ナツ
「うおっ!!?何だよ急に!!」

アゲハ
『このままじゃレナが危ねぇ!!悪いナツ!!これで勘弁してくれ!!待ってろレナ、すぐ行くからなぁ━━━━っ!!!!』

ナツにパイロクイーンの大きめの火の玉を与えた後オレは瞬間移動者【テレポーター】を発動してレナの元へ急行した。


━Side Out━


.

-63-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える