小説『東方零遊記』
作者:天音神兎()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

そして糞神は星になった…………ありがとう糞神!ありがとうヘタレジジイ!
君のことはたぶんわすれないさ!







とまあ、なんやかんやで10年の月日が流れた。
永琳はそこらの妖怪より遥かに強くて、いつの間にか荷物持ち兼家事炊事係りになっていた。
家事はほぼ何でもできて、料理は滅茶苦茶上手くなった。武術も頑張り、素手だけでも妖怪をいなせるようになった。

そんなある日、永琳から月移住計画の話しを聞いた。


「へぇ〜…凄いな。まさか月に住むとは…」

「ええ。 月は時間の流れが遅いとか、噂されてるわ」

「なるほどなるほど。
大変だねぇ〜」

「それで、貴方も一緒に来て欲しいのだけれども………」

永琳が不安そうに聞いてきた。
でも、まだまだ原作キャラに会ってないのだ!
なので……………


「ごめん。 俺は行かないよ」

「っ!!?………何で?」

永琳が震えた声で聞いてくる。

「まだこの世界を見て回りたいからかな……」

「貴方は寂しくないの?……もう会えないかもしれないのよ?」

「それは寂しいさ。 だけど俺は不老だ。 だからさ……もう泣くなよ」

「…………えっ?」

気付いてなかったのか…ここまで親しくなれたんだから、離れるのが寂しいのかもな……

「もう会えないって訳じゃないんだからさ、俺が死んじゃう前にまた会いに来てよ」


そう言って泣いている永琳を抱きしめる。

「……うっ……くっ………分かっ…たわ。必ず会いに行くわ」

「おう。そうしてくれ」

さて、たしか月にいくのは明日で、人妖大戦もあったな………





そして翌日、計画実行の日、住民はすでにロケットに乗り込んでいる。
妖怪からの時間稼ぎにロボットを約千体ほど設置している。
妖怪あいてにどこまでもつかねぇ……


「零……」

「ん?永琳か…どうしたの? 早くロケットに乗らないと」

「零、やっぱり一緒にいきましょう! いくら何でもあの数は無理よ!!」

目の前には数万の妖怪が土煙をまきあげ此方に向かって来ている。

「永琳、大丈夫だから。早くロケットに戻りなよ。おいて行かれるぞ」

「でもっ!!」

無理やり永琳をロケットに入れる。

「じゃあな。また会おう」
バタン!と扉を閉める。
「………っ!………………っ!!」

さて、行くか
ロケットから離れたとこで能力を使う。
横一列に戦車・T−72Uを百ほど設置。

この戦車はバランスに優れ、なかでも125?滑腔砲の威力は半端ない。
その戦車の間に大口径汎用機関銃・M60を持たせたロボットを能力でふやし設置する。


「よし。これぐらいかな? しかし、なかなかに圧巻だな」


T−72Uを目の前にしてそんなことを言う。

そろそろか………

「戦車隊!!一斉に放て!!」

ズドォーーーーーーォン!!!!!!!!


地を震わせ、空気を切り裂き、全てを壊すような音が鳴り響く。

「やばい…頭くらくらする〜…………歩兵隊!!撃ちもらしを殲滅しろ!!」

ーーーガガガガガガガガガガガガッ!!!


目の前で7.62×51?NATO弾の嵐が出来上がる。
妖怪は弾丸に全てを蹂躙され、どんどん数を減らす。


「見てるだけとか、暇だな…」

ここで、後ろからロケットが飛び立つ音がする。

「手でも振っとくか」

………見えるのか?

ズドォン………と、それを最後に戦闘が終わった。

ということで、街に戻ってみた。
人っ子一人いない街は静かだな………と、街の中心部が激しく光ったと思うと、爆発した。


「ヤバい!!断空「四方世界」!」


その瞬間、世界が消えたかのような感覚にみまわれた。


ーーーーーーーーーーー

視覚が回復すると、周りは焦土と化していた。

「これはまた、凄いな」

「四方世界」のおかげで助かった。
「四方世界」とは、防御特化の結界で、周りの空間を切り取り、何人たりとも攻撃などを通さない。

「さて、旅でも始めますか」






この爆発を知った永琳が、上層部を皆殺しにしたあと泣いていたとかは、また別のお話………




-7-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える