小説『ボカロ日常記録帳』
作者:螺旋()

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〜リビング〜


本当にフレンチトーストだった。

美味しそうだな、と思った。

思った。

けど・・・。

「なんだよこれ!?」

なぜかフレンチトーストにネギがふりかけられていた。

なんだ、これはいじめか!?

なんだよこのネギ!なんでお好み焼きの上に乗ってる青のりの如く当たり前のように乗ってんの!?

「えへー・・・かけちゃった☆」

「かけちゃった☆じゃねーよ!」

ダメだこいつ。なんでこんなにネギ好きなんだよ・・・。

もういっそ、PC内のプログラム書き換えちゃおうかなとか思ったよ。できないけど。

「はぁーー・・・」

俺は溜め息をつく。ミクは「えへ☆」とか言ってるし。

・・・まぁ、前よりは。

前の、あの彩りも楽しみもない日々よりはいくらか・・・というか、かなりマシだ。

こうやってガヤガヤやってくれた方が、俺も楽しい。

そんなことを考えていたら、自然と顔が綻んでいたらしい。リンに「なに笑ってんのさ」と言われた。

「お前らがいてくれて、本当楽しい。ありがとう」なんて、キャラじゃない。死んでも言えない。

「ほらほら、早く食べなよ」とレン。レンとは、リンと一緒のソフトに入ってた『鏡音レン』というボカロ。

ちなみに、男。

「はぁー・・・いただきます」

一つ、溜め息をついてからいただきますを言う。

気だるくも、騒がしい一日の始まりだ。

俺は、大きな伸びをした。






-4-
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