〜昼〜
「わぁ!マスター、すごい!みてみて、桜!!」
「はいはい・・・」
ミクの歓声をよそに、俺は今ひどく後悔していた。
――結局、連れてこられてしまった。
まぁ、ミクだけなら。そう思っていたのに、何故か全員ついてくるし。
周りの人たちからはジロジロ見られるし。
こんな日に限って友達に会いまくるし。
意味分からん。
「マスター、蝶々だよ!」「マスター、花びら拾っていい?」「マスター!」「マスター!!」・・・
「うぅるさぁぁーーい!!!」
ついに俺は耐えられなくなった。
「マスターマスターって、一斉に喋るな!俺は聖徳太子でもなんでもない!!」
そう喚き散らすと、皮肉に、
「マスターあの蝶の名前は何?」
「あれは・・・確k「花びら拾うよ」
「それどうすんn「マスター喉渇いた」
と言ってきやがった。
怒っても無意味なのは知っていたけど。
これは、ひどい。
泣いちゃうよ?俺泣いちゃうよ??
「・・・マスター黙っちゃったよ」
メイコがめんどくさそうに言う。
疲れたよ。疲れた。
「マスター、これでもまだ別々に喋れって言う?」
リンがわざとらしく言う。
「いや、もういいわ・・・」
「やったー☆」
そして、また一斉に喋り出した。
ああ、もう、手のつけようがない。
その後、俺は永遠に続くかのような時間に疲れ果てながらも、なんとか乗り切った。