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ぐだぐだと一日は流れていく。単純な行動を繰り返すカラクリ人形のような毎日。
少女は意思もなくただ機械的にベッドに横になった。目に入るのは、天井ばかり。それも、もう見飽きた。そろそろ模様替えでもしようか。そんな暢気なことを考えているとふいに、流れていたラジオの向こう側が慌ただしくなってきたのが聞いて取れた。
ーーーー緊急ニュースです。
そう話すニュースキャスターの声は戸惑いに落ち着きがない。
数秒、沈黙。
「今日は世界の皆さんに大事なお知らせがあります」
英語で話す声と同時通訳の声。
少女はその重々しい声に耳を傾ける。
「非常に残念なことですが、本日地球は終わります」
泣き出しそうな声でどこかの国の大統領がそういっていた。
それは聞いたこともない「初めての台詞」だった。
このとき彼女のいつもは終わった。