第四話【人間との接し方】
「伊坂が…『人間』じゃないって?」
「そう、もし私が『人』ではないと言ったら。」
『人間ではない』つまり、この子は
幽霊とか、動物だったり、もしくは宇宙人…
って事もあるって事なのか…?
またわけの分からない事を…。
どこをどう見たって、俺の目の前にいる
この『女の子』は人間じゃないか。
でも、こう考えててもしょうがないので、念のために
聞いてみる。
「…じゃあ、その質問をしている伊坂は
『人間ではない』かもって事なのか?」
伊坂はふう、とため息をついた。
「質問を質問で返すのは感心しないわね朽田君」
「う゛」
「でも先に答えてくれたら、その質問を
答えてあげない事もないけど」
それはまたどういう意味なのか。
つくづくよく分からない人だ。
でも仕方なくそのわけの分からない
質問に答える。
「仮に伊坂が、人間じゃなくても俺は
態度は変えないつもりだけど今みたいに普通にしゃべる」
少し予想外だな、という顔をして伊坂はくるりと俺に背中を向け、
こう言った。
「そう、なら普通に接してくれるのね有り難う」
そう言い残して伊坂は逃げるように去っていった。
…それってまさか。
【続く】