キーンコーンカーンコーン
「はいっ!じゃあ帰っていいぞー。」
普通よりちょっと太い特徴的な男性の声。
担任である深瀬竜也は運動が趣味らしい。
そんな彼の声を目を閉じながらよく聞きとる。
そんな俺の頭が叩かれる感覚がした。
【バシンッ!】
明翔「イテッ!?」
深瀬「お前なぁー…。
まぁた俺の話聞かずに『声』聞いてただろ?」
呆れながらファイルを片手に俺の席の横に立っている深瀬先生。
俺は何気にこの先生と仲が良かったりする。
明翔「仕方ないじゃん…。
つか話って大方運動に関して熱ーく語ってただけだろ?
ってか誰も居ないんだけど…。」
辺りを見渡しても誰も居ない。
居るのは先生と俺だけ。
深瀬「他の奴らはもう帰ったり部活に行ったよ。」
明翔「は!?マジで!?
もっと早く言ってよソレ!!」
慌てて机の中の物を鞄に仕舞い走って教室を出る。
そんな俺の様子を、溜息を吐きながら見ている深瀬先生。
深瀬「ハァ〜…。
アイツ、このままで全国大会大丈夫なのかぁ?」
そう呟いた先生の言葉は誰の耳にも届く事は無かった。