小説『俺の人生は《歌声》だった。』
作者:Maifa(アクアマリン)

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 キーンコーンカーンコーン


「はいっ!じゃあ帰っていいぞー。」


普通よりちょっと太い特徴的な男性の声。
担任である深瀬竜也は運動が趣味らしい。

そんな彼の声を目を閉じながらよく聞きとる。

そんな俺の頭が叩かれる感覚がした。


 【バシンッ!】


明翔「イテッ!?」


深瀬「お前なぁー…。
   まぁた俺の話聞かずに『声』聞いてただろ?」


呆れながらファイルを片手に俺の席の横に立っている深瀬先生。
俺は何気にこの先生と仲が良かったりする。


明翔「仕方ないじゃん…。
   つか話って大方運動に関して熱ーく語ってただけだろ?
   ってか誰も居ないんだけど…。」


辺りを見渡しても誰も居ない。
居るのは先生と俺だけ。


深瀬「他の奴らはもう帰ったり部活に行ったよ。」


明翔「は!?マジで!?
   もっと早く言ってよソレ!!」


慌てて机の中の物を鞄に仕舞い走って教室を出る。
そんな俺の様子を、溜息を吐きながら見ている深瀬先生。


深瀬「ハァ〜…。
   アイツ、このままで全国大会大丈夫なのかぁ?」


そう呟いた先生の言葉は誰の耳にも届く事は無かった。

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