小説『俺の人生は《歌声》だった。』
作者:Maifa(アクアマリン)

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  ガチャッ


便所を出たら外の太陽が窓に反射して眩しい。


明翔「・・・っ」


眩しさと共に、急な眩暈が襲ってきた。
あまりにも急だったので近くの壁に体を預ける。


明翔「っ何なんだよ今日は・・・!」


ボソッと悪態をついた俺は、体制を立て直しロビーの長椅子に座った。










≪湊明翔様、湊明翔様、4番診察室にお入りください。≫

座ってから15分後、俺の名前が呼ばれた。
俺は眩暈が起きないように慎重に立ち上がり4番診察室に行った。







  ガラッ


「あ、やぁ湊くん。」


中に入ると、20代半ばの男性の医師がいた。
この人は昨日俺が倒れた時に担当してくれた医師の二条先生だった。


明翔「こんにちわ。」


二条「こんにちわ。
   今日は検査だったね・・・・あれ?」


二条先生は、俺の顔をみて不思議そうな顔をした。


明翔「?・・・どうかしましたか?」


二条「あ、いや・・・顔色が悪かったから、気になっただけだ。
   もしかして、昨日と体調とか変わってないんじゃない?」


明翔「いや・・・今日、朝起きた時は熱とかもなかったので体調は万全だったんですけど・・・。
   病院に来て、手を洗ってる時に急にムセたり眩暈がして・・・。」


先生は俺がそう言うと何かを考え出して、数秒後にこう言った。


二条「湊くんは確か、普通の人より血液の量が少なかったよね?」


明翔「あ、はい・・・それが何か?」


二条「おそらく、眩暈というのはその血液の量が原因のただの貧血だと思うよ。
   ・・・でも、急にムセたというのはなぁ・・・。」


先生は再び考え込んで、俺に聞いてきた。

二条「・・・ムセた時に、妙な事とかなかったか?」


明翔「妙な事・・・ですか?」

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