小説『俺の人生は《歌声》だった。』
作者:Maifa(アクアマリン)

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 ―――全国大会 当日―――


俺達合唱部は全国大会の会場である大ホールの舞台裏に居た。
そこには緊張した部員たちと真剣な顔の蜂須賀先生。

そして…


未紗「頑張ってね明翔!
   私、客席から見てるからね!」



      …彼女は白木未紗。


明翔「あぁ。ここを突破したら決勝だからな。頑張るよ。」


笑いながら言うと、周りにいた男子部員が言ってくる。


「部長〜?彼女居ない俺らへの嫌がらせッスか??」


「いいよなぁ〜明翔は。
 未紗ちゃんみたいな可愛い彼女が居て。」


俺と未紗は3年になったと同時に付き合っている。
隠し事が嫌いな俺は目の前に家族や後輩、部員が居ようとも関係なく行動している。


未紗「ハハハっ!!
   君達もいつかは彼女が出来るって〜!
   なんなら私の友達とか紹介しようか?」


「マジでっ!?」


未紗も未紗でいい性格をしている。
自然と未紗の周りには人が集まって来て笑顔にしている。

ま、俺はそんな未紗が好きだけど。


敏矢「お前…考えてることだだ漏れだぞ?」


明翔「敏矢か。
   いいじゃないか、事実なんだし。」


つーか本番前ってこんな呑気な雰囲気なんかでよかったっけ?←

彼は恩田敏矢。
合唱のバスパートの音取りをしている俺の親友だ。

敏矢「堂々とそんな事言えるの、明翔くらいだぜ?
   ……おっ前の学校の合唱終わったぞ。」


明翔「あ、ホントだ。
   ………よしっ!じゃあ今日も自信もって行くぞ!!」


全員『はいっ!!』


うん。やっぱり合唱部の返事はこうじゃないとなぁ〜♪


そんな事を考えながら、俺は凛とした表情で審査員らが並ぶ前の舞台に、堂々と部員を引き連れて歩いた。
目の前には数十人の審査員。
さらにその向こうには他校の合唱部の応援などできた生徒と教員が大勢座っている。

普通なら緊張して声を出す事も困難な状態だが、俺たちは胸を張って大きく息を吸って指揮者のタクトを見ながら声を出し続けた。

-5-
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