小説『俺の人生は《歌声》だった。』
作者:Maifa(アクアマリン)

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明翔「・・・・んっ・・・」


目が覚めると白の世界。
そして薬の独特な臭いが鼻についた。

身体を起こして辺りを見ると、そこには多くのベッドにカーテン。
明らかに病院のある一室だった。


・・・・なんで俺が、ここに・・・?


 【ガラッ】


いきなり病室のドアが開いて俺は咄嗟にそちらを見た。
そこには心配そうな顔をしている未紗と敏矢が居た。


敏矢「おっ明翔、目ぇ覚めたか〜?」


未紗「あき、と・・・。
   よかったぁ〜・・・・・。」


彼女は脱力したようにしゃがみこんだ。


明翔「未紗に敏矢・・・俺はなんで病院に・・・?」


そう聞くと未紗が少し驚いたようにこう言った。


敏矢「覚えてないのかよ?
   明翔、発表が終わって舞台袖に行った時に倒れたんだぜ!!?」


未紗「慌てて敏矢が知らせに来てくれて・・・。
   それで、呼んでも全く返事も無かったから急いで病院に運んだのよ・・・。」


敏矢「3年以外の部員は全員帰らせたよ。
   ちなみに準決勝は見事に優勝だったってよ。
   蜂須賀先生からさっき連絡が入った。」


2人の話を聞いて俺はホッとした。


明翔「よかった・・・。
   優勝したんだな。明日からはまた練習みっちりしないとな!」


未紗「え・・・で、でも身体は・・・?」


敏矢「大丈夫だよ。
   明翔はこう見えてタフだから(笑)
   あ、医者の話だと疲労とストレスが原因だってよ。
   重病じゃなくてよかったな。」


明翔「縁起悪い事言うなよな・・・。」


まぁ確かに、ここ最近ずっと自分のパートの練習や後輩の指導で忙しかったからな・・・。
まさか倒れるまで疲労やストレスが溜まってるとは思わなかった・・・。


明翔「てか倒れたぐらいで病院に運ぶか?普通。」


未紗「だ、だってぇ・・・」


敏矢「いきなりの事で・・・ビックリして・・・。」


ったく・・・大げさだっての。




そして数分後、俺は敏矢の持ってきた荷物を持って家に帰った。

-7-
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