小説『ONEPIECE世界を過去キャラと満喫』
作者:一匹犬()

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   9話「やだなにこのクリークかわいい」


 〜クリークside〜


目の前で繰り広げられていた悪夢がやっと終わりやがった。
鷹の目ほどの化物はめったにいるはずねぇと思っていたがそんな常識はあっさり崩れちまった。

周りを見りゃあその異常さがよく分かるってもんだ。
奴らの剣撃や拳や脚が振るわれる度に一つの島が崩壊していく…タチの悪りぃ冗談としか思えなかったぜ…
だが黒服メガネを見るとおれらほどじゃねぇが驚いていやがった。奴もおれらみたいな一般人みてぇだな…
するとシオリとかいう女が立ち上がり近づいてきた。

「……で、考えてくれたか?仲間になるかどうか。」

「………」

どうする?確かに利用すりゃあの小僧にぶっ壊された栄光を取り戻せるかもしれねぇ…が、あまりにも非常識すぎる。
奴がおれらより遥か上の化物ってのは悔しいが思い知らされた。
そんな奴がおれらを誘う理由が分からねぇ。ましてやおれの事を知ってるようだったし、メリットなんざねぇはずだ。

「なんでだ?って顔してんな…そこのギンってのはともかく、俺はお前の戦いに関する精神性は嫌いだ…
…が、同時にもったいないと思ったわけよ。その執念を別の方向に生かせねぇか?ってな…
もっと武力を得たくねぇか?小細工を施した槍や鎧なんかじゃなくて己の体一つで振るえる武力をさ。」

………武力。おれの中で一番軽く見れねぇモノだ。それをコイツが持ってる…てのは本当だろうな…癪だが。

「お前が麦わらに勝てなかった理由が分かるか?」

理由……奴に勝てなかったのは…やっぱり…

「覚悟だ。…多分昔のお前も持ってたと思うよ。
長い年月を経て、部下を、武器を手に入れてお前自身の覚悟が錆びついちまったんだよ。」

「っ………」

反論できねぇ……昔のおれならああ出来た、こう出来たって勝手に思い浮かべちまう。
……やり直すか?おれが?若けぇ頃みたいに?………だが、奴らに一泡噴かせられるってんなら…


「…やってやる…てめぇの思惑に乗ってやるよドン。」

「!!??」

絶句しているギン。すまねぇな…しばらくの間は首領を…捨てる!

「ドン……」

「これからは、クリークでいい。」

「!!……分かりました。では…アニキと呼ばせていただきます。」

強情なヤツだ。…ま、若くねぇ体でどこまでやれるか分からねぇが…もう一度だけでも奴らを驚かせてやる。




 〜シオリside〜


さ〜て、さっそく二人を説得するか…土台は出来上がったが問題はこれからだ…
あのクリークがすんなり仲間になるとは思えねぇ。ここはコイツの弱点や利点を突かねぇとな…
ギンの方は十中八九クリークに従うだろうから芋づる方式を狙う。

「…で、考えてくれたか?仲間になるかどうか。」

長い間迷っている表情を浮かべ、そのあとに疑問を感じた表情になった。
そこで、クリークの執念の元である武力について語る。
さらにルフィに勝てなかった理由を問いかける。

…あの顔は嫌々ながらも分かってる感じだな。
部下や武器を手に入れた代償に自分の覚悟を失った事を告げる…と

「やってやる…てめぇの思惑に乗ってやるよ……ドン。」

へ?ドン?そりゃあんたの通称でしょ…予想の斜め上の答えが返ってきたが…ドンて…こいつ本当にクリークか?
やだなにこいつかわいい……かわいいというのはもちろん冗談だが。
そう戸惑っている間になにやらギンと話していた様子のクリークが

「これから…何をするんだ?鷹の目が言ったように、アンタの目的が分からねぇ。」

これから…か…

「これからは、ちょっと寄り道をした後、グランドラインに入る…
…で俺の目的は…海賊の頂点、海賊王…じゃなくて…とある奴らをぶっ潰す。」

ルフィ達じゃないよ?

アレですよアレ。語尾に【え】とかつける宇宙人もどきですよ。






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