小説『ONEPIECE世界を過去キャラと満喫』
作者:一匹犬()

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   12話「やっぱ十郎太ボイスは欲しいよな」


 〜アーロンside〜


ぐ……あ…なんだぁ…?体中が痛ぇっ…一体、何だってんだ…
おれぁ確かクソ生意気な人間のガキをぶち殺すために、おれの最強の技で仕留めようとしたはずだったが…


……!?そうだ…あのガキ…この最強のはずのおれの力に屈せずに向かってきやがって…
…おれは…そうだ…あの人間に…負けた…陸の上とはいえ…下等種族に…

……ん?口に…なんか流れ込んできやがる!?


「…ホントにすぐに起きんのか?」
と、いかつい声

「おお、ハイポーションっつう回復薬だ。」

今度は口の悪い女の声…なんだ?どういう状況だ?……うぉっ!?か…体が…


ガバァっ


「う、おお?…何だ、ここはぁ…?」

辺りを見渡すとどこかの部屋みたいだ。そこに、人間にしちゃ結構でけぇゴリラ顔の男、バンダナを巻いた顔色の悪い無精ヒゲ、すました感じのメガネ野郎…そして

こっちをじっと見てやがる女がいやがった…誰だ?海軍か?

「おう、目が覚めたか、アーロンさんよ。…体の調子はどうよ?」

人間としては多分美女であろうそいつが下品な口調で話しかけてきた。
…体?…なんだ?痛みが…全くないだと!?…折れた鼻も治ってやがる!

「状況が掴めてねぇみたいだな…お前は麦わらのルフィにブチのめされたんだよ。」

……む…麦わらの…ルフィ?…そういやナミがそんな名前を…

「なんで負けたか分かるか?…お前は、勝つならどんな手を使ってでもあいつを海中に引きずりこむべきだった。
いや…そもそも魚人というだけで慢心して、8年間裸の王様になって堕落しきってた時点で負けてたんだよ。」

「に…人間んっっ……」

ダメだ…この野郎に対する殺意を止められねぇ…今すぐぶち殺してもいいよなぁ…?

「そのザマを亡きフィッシャー・タイガーや先輩のジンべエ、後輩たちが見たらどう思うかな?」

!!??なんでコイツがあの人らの事を…何者だ!?

「お前を海に開放したジンべエは少々迂闊だったが、それもお前が真面目に生きると思ったからさ。
……同胞を愛するお前なら人間を嫌ってても迷惑まではかけないと思ったんだろうな。」

…あんな甘ぇ事言う野郎なんざ知った事じゃねぇ……そういや、この野郎…

「なんでおれを助けやがった…」

「スカウトしにきたんだよ。どうだ?俺の仲間にならねぇか?」

一瞬ありえねぇ言葉が聞こえてきた……狂ってんのか?

「…シャー八ッハッハッ!!寝ぼけてんのか人間ん!
恩を売りつけただけで魚人族であるこのおれを懐柔できると思ったのか!?」

笑い話にもならねぇ。ハチやクロオビ達が聞きゃあ耳がおかしくなったと思うだろうぜ。

「思ってねぇよ…体を治したのは…お前に魚人族だけが至高の種族じゃないって事を教えるためだ。」

「!?正気で言ってんのか!?」

何言ってやがるんだ?…まさか頭の良さでもひけらかすつもりか?…そんなもん、圧倒的な力の前には…

すると、女が見覚えのあるモノを取り出した…アレは!?

「キリバチ!?…人間ん!…貴様か!貴様が奪ってやがったのか!」

これさえありゃ…勝てたかもしれなかったってのに…この女ぁ…

「返すよ。んでさ…今からタイマンしようぜ!」

ハ?こいつがか?…今から宴会しようぜみたいなノリで言いやがった…まさか…冗談だろ?
…こん中でおれに少しでも対抗できそうな人間は…ゴリラ顔しかいなさそうだが…

「おいおい、ジンべエとかの情報をどこで知ったかは知らねぇが…実際の強さは知らねぇのかよ?…泣いて謝っても許さねぇぜ?」

「……おれらも戦うのは止めた方が良いと思うけどな…」とゴリラ男

「ハっ!お仲間も止めてるぜ。考え直してもいいんだぜ?」
その時、ゴリラ男が気の毒そうな顔をしたが気付けなかった。

「いやいや、大丈夫だって………戦いにゃならんからな。」

ゾワっ

!?な…なんだ?こいつ…ただの人間がこんな…まさかこいつも…あの時の人間と同じだってのか?
……そんな訳はねぇ…おれが…負けるわけがねぇ…ぶっ殺してやる!


人間達がおれを戦いの場へ連れて行く。着いたのは……海に面した砂浜だと!?

な…なめてるにしても…これは…ありえねぇ…仮にあの人間と同じ強さだったとしても…海中じゃザコ同然だってのに…

仲間共はリラックスして観てやがる…こいつら…

「んじゃ…始めるか…いつでもいいぞ〜」

「ほざけぇぇっ」

人間が構えるより速く接近し拳を叩きつける……!?硬ぇっ!まるで鋼鉄…

馬鹿な…気のせいだ。今度は本気でやってやる。

両拳を合わせ奴の脳天を叩き、ハイキックを首に決めた……が…

「?本気出さんでいいんか?遠慮はいらんぞ〜」

!?き…効いてないだと!?んな馬鹿な?魚人より硬ぇなんて…一体ナニモンだ!?

ぐ…こうなりゃ…アレで…

愛用しているキリバチを出すと、奴がぎょっとしている。だが、後悔してももう遅ぇっ!

奴に向かって振りかぶる。

かわされたキリバチが木や岩を破壊するたびに人間共が驚いていやがるぜ。
女の方もさすがにキリバチの破壊力を警戒しているようだ。
しかし…当たらねぇ…

「当たりさえすりゃあ…」

「当ててみろよ。」

何を思ったか人差し指を掲げやがった。……?

ギンっ

!?んなっ…指一本で…おれの…キリバチを…防ぐだとっ?…こいつは本当に人間なのか!?

ギンっ…ガァンっ…ギィィィンっ…

何度も何度も振り下ろすが全て奴の指一本に防がれる…

「フゥ…ヒヤっとしたぜ。それ使うんなら言ってくれよ。」

ブチっ

「があああああっっ!!」

思いっきり振り下ろした…すると

ズガガガガっっ

奴の左肩に当たった……さぁっ!死にやが…?…!?き…斬り裂けねぇだとっ!?んな馬鹿なっ!

「村は壊せても、たった一人の人間は殺せないようだな。」

「ぐ…ぎ…」

「…ま、陸じゃこんなもんか…じゃ、お遊びはここまでだ。」

女が海に飛び込んだ。……ハアっ!?

「…に…人間が…魚人に水中戦…」

呆然としちまった…こんな奴は見た事がねぇ…





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