23話「オカマのテンションに誰もついていけない」
〜シオリside〜
クロコをイジメた俺はその後サンドラ河の東端に船を停め、仲間を残し単独で首都アルバーナに向かった。
とりあえず最後の実験のため、ナミとミス・ダブルフィンガーが戦ってる北ブロック辺りへ急ぐ。
全身黒のボンテージを着た色っぽい女ダブルフィンガーとナミの戦いはすでに始まっていた。
…戦いっつうか、ナミの不本意なボケにダブルフィンガーが律儀にツッコミを入れるという展開だが…
だが、ナミの苛立ちに反する形で着々と反撃の狼煙は上がってきてる。
…よし、そろそろ変装しとくか…鉄塊、覇気は使わず、身体能力も極限まで抑えてと…
「うおおおおー(棒)」
反乱軍に紛して二人の間に突っ込むがナミは気づかず。
「サンダーボルト=テンポ!!」
顔伏せながら技名叫ぶという斬新極まりないスタイルを見せたナミの一撃がダブルフィンガーと俺を感電させた……
「ただいま〜」
「お帰りなさいませ。お嬢様…っなっ何故黒く煤けているのですか!?
…それに、その女は!?」
ところどころ焦げてる俺に驚いてるクロを横目に俺は持って帰ってきた女ミス・ダブルフィンガーを甲板に降ろす。
「誰なんだ?」
「バロックワークス・オフィサーエージェントの一組、Mr.1ペアの片割れのミス・ダブルフィンガーだ。
トゲトゲの実を食った全身トゲ女。戦闘能力は高ぇぞ。」
「バロックワークス…ヤバイ組織と聞きますが大丈夫なんですかい?」
「あぁ、こいつが起きたら説明するよ…っと。」
手から水を落として起こす。
「うっ…いつつ…な…なんなんだい…一体…」
よろよろと立ち上がる。
「!?アンタらは…何者だい!?海軍とかじゃ…」
「どう見ても海軍にゃ見えんだろ…気ぃ失う前の事覚えてるかい?」
「え?…私は…体に鳩のオモチャが絡み付いた後…とんでもない衝撃が来て…」
「(耐久力は思ったほど無いか…)要は負けだな…それから、Mr.0ことサー・クロコダイルは麦わらのルフィに負け、そのまま海軍に連行されたぜ。Mr.2以外の全員もな。」
「そんな…あのクロコダイルが負けるなんて…」
「ところで、だ。アンタはこれからどうする?
このまま野垂れ死ぬか?逃げても賞金首になるだろうしどの道ロクな目に合わねぇだろうな。」
「…くっ…」
「なんなら俺が引き取ってやるよ。その能力鍛え甲斐がありそうだしな…」
「お嬢。顔。顔が怖いです。」
「……解ったわ。どちらにしても…力をつけるしかなさそうね…ところでアナタ何者なの?」
「なに…ただの旅人のアマクサ・シオリって者だ。
賞金首になるのは多分けっこう後だと思うがな。」
なるべく海軍に見つからんようにしてるし。
〜ボン・クレーside〜
クロコダイルが麦ちゃんに倒されたって聞いた時はぶったまげたわ〜
あの子があんなに強いなんて夢にも思わなかったもの〜
……憎さはないわっ…だって麦ちゃんとはマブダチじゃな〜い!
ここは笑って見送ろうと思ったんだけど…麦ちゃん達の船がある辺りに海軍が近づいちゃってるわん!
ジョ〜ダンじゃないわよーう!このままじゃ…このままじゃ麦ちゃん達……とあちし達がとっ捕まっちゃうわ!なんとかしないと…
そして今!電伝虫で呼出して一緒に海軍と戦ってるんだけどキリがなーいわねい!
しかも!黒檻のヒナが来ちゃったあー!
覚悟を決めたあちしは麦ちゃん達に成り済まし、あいつらを麦ちゃん達から引き離す事に成功したわ!…だけど、ここまでの様ねん…
カッコよくキメては見たけど…どうやら…ここまで…
…アラぁ!?なんなの!アレ!でっかい海獣がぁこっちに来てるじゃなーいのよう!
ギャ〜〜〜〜〜〜!!……ってアラ?あちし達を無視して海軍の方に突っ込んで…メチャクチャじゃなーいのよう!なんなの!圧倒的ぃ〜〜!!
包囲をメチャクチャにされた海軍は撤退していったわ…助かったの…
…ってギャーー!!こっちに来てるじゃなーいのよう!なんなの!時間差攻撃って陰険だわぁ!!
食われる〜…って…えぇぇ〜!?海獣が…人間になっちゃったわ!
「よーMr.2ボン・クレー…会いたかったぜ〜」
えぇ?顔に似合わずがさつな女の子ねい!なんなのこの子!?
「なんなのアナタ!あちしを知ってるって…うれしいじゃなーい!」
「そりゃ…なぁ…お前ほどの奴は一回見たらなかなか忘れられねーよ。」
苦笑いしてる女の子…なんだろ…なにか男前ね…
「ところで…なんで助けてくれたの!?あちしはここで…果てると思ったのに。」
麦ちゃん達に大見得切っちゃったのにバカみたい!
「捕まって無為な時間過ごすよりかは俺の所に来ねーか?
もっと強くなりゃ麦わら達といつでも張り合えるぜ?」
「…っ!…麦ちゃん…」
「あいつらの成長スピードは常軌を逸してる。ぼやぼやしてたらはるか先に行かれるぜ〜」
「それはダメだわ!あちしだってやれるのよう!…もう一度…もう一度輝いて見せるんじゃい!!」
〜クリークside〜
ドンが船に戻ってきた時、一緒に大柄なオカマもついて来た…
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
白鳥を型どったプリマ衣装に頭にはボンボン、顔にもキテレツなメイクを施した変態がいたんだ…
何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何を見たのか一瞬解らなかった…頭がどうにかなりそうだった。
罰ゲームだとか苦行だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
オカマも守備範囲なんて…さすがドン!そこに痺れる憧れるぅ!!
はっ…おれは一体何を…一瞬電波が降りてたような…
ちなみに他の奴らもオカマを見て絶句してやんの。
「Mr.2!?な…なんでアナタまで…とにかく無事で良かったわ…」
と美人の姉ちゃんのダブルフィンガーがオカマに話しかける。…知り合いなのか…
「あら〜ダブルフィンガーちゃんじゃないのよう!また会えてうれしいわん!」
「こいつもバロックワークスだった奴だ。こう見えて強ぇぞ…多分俺と会う前ぐらいのアーロン(陸の上)と同じぐらいだろうな。」
「こんなのが…」
そりゃ信じられんわな。ま…ドンが連れてきたんだ…外見だけじゃなく色々すげぇんだろう…
「あ、そうそう。子分達との別れは済んだのか?」
「えぇ!キッチリ別れてきたわ!あいつらもいっぱしの男共!またの再会を楽しみにしてるの!あちし!」
「なんだぁこの変態はっ!?下品な奴だな!!」
お前が言うなカバ。あと声デケェ。
「変態なんて褒めても何も出せないわよーう!でもあちし回る!
この素晴らしい野郎共との出会いの記念に!回るわ!あちし!!」
その場でクルクル回りだしやがった…やべぇ…ツッコミ所が多すぎる…
「一気にうるさくなったなぁ、なんでだろ?」
ドン……