24話「笑い方変えんと舌噛むぞ」
〜シオリside〜
さ〜て、次は空島だよなぁ…ギリギリまで行くかどうか迷った所だ。
なにせあまりメリットが無い。エネル以外インパクトある奴いないし。
あえて言うなら…ゲダツか。ギャグもこなすが後一歩パンチが足りないんだよなぁ…
戦闘法も心網(マントラ)以外だと雲貝頼りで青海である地上世界じゃ使えないし…
空島編といえば、エネルだ。が、自然系・雷人間である彼はかなり強いので鍛え甲斐が無いので却下。
そもそもそのエネルの雷が怖くて色々実験したからな〜
本来のリヴァイアサンは水中生物だ。FF世界の水中生物は軒並み雷に弱いから雷を浴びる実験をした。
ナミの雷で痛みがあるようじゃとてもじゃないがエネルがいる空島に行けん。
スカイピア独特の見聞色の覇気・心網があるからこっちの見聞色との張り合いになるだろうけど…見聞色の扱い方は向こうが数段上だろうな。
雷に負けないスピードは出せるが全弾避けれる自信ないし…ホント、実験して良かった。
そう、実験の結果はノーダメ。て事は一般人より雷に弱いって事はない。
エネルの雷はナミのよりはるかに電圧があるが即死はせんだろ…名前忘れたがグラサンモヒカンも生きてたし。…ちょいと挑んでみるかな〜
後は貝(ダイアル)の入手。店とかで地上で使えない雲貝以外ありったけを買う。
排撃貝とかの稀少貝はパクる!もう全島の神官からワイパーのまで片っ端からパクりまくる!
最後に黄金かな。軍資金目当てだけじゃなく錬金にも使えそうだし出来るだけパクろっと。
「ところでアマちゃん達はどこ向かってるの〜う?」
野望の事でトリップしてた俺にボンちゃんが問い掛ける。
「ジャヤって島だ。そこで休憩してから…ある所へ行く。そのために船を改造してもらったからな。」
「あの改造…アレがどう役立つのか皆目見当がつかないのですが…」
「それは後のお楽しみってやつだ!」
「シオリちゃん、その笑顔怖いわ…」とダブルフィンガー
彼女とボンちゃんは鍛え始めて間がないんでかなり疲れてる様子。
さて、今後の行動はっと……サウスバードとっ捕まえて、ルフィ達が動くまで待機。かな〜?
モックタウンにゃなんにもないしな。ベラミーみたいなザコ……
……ベラミーねぇ。思想がルフィ達と真逆のいわば噛ませ犬。
…あ、やべなんか母性出ちゃった…めっちゃ鍛えてぇ♪
その後、猿とかオランウータンとひと悶着あったがテキトーに相手して仲よくなっちゃって別れた。
そして、なんのアクシデントもなくジャヤに上陸。一路モックタウンに行く事に。
「留守はワポル、ボンちゃん、フィンガー、アーロンだ。
アーロン、訓練の監督頼んどくよ。」
「了解!」
町に向かったのは俺、クロ、クリーク、ギンの最古参。いや、特に意味はないが。
「正に無法者の町だな…」
「懐かしい匂いはしますね…」
とギン。
いたる所でケンカ、強盗が発生している。イメージとしては西部劇によくありそうだな。
どんっ
「いたっ!おーおー姉ちゃん、おれのコートが汚れちまったよ。弁償する代わりにちょっと付き合っぶべ!」
デコピンでチンピラをぶっ飛ばす。
気の毒に…という顔をする三人。
「あ、あの姉ちゃん!処刑人ロシオの一味に手ぇ出しやがった!やべぇぞ!」
処刑人ロシ…なに?…誰だっけ…
「へへへ…なかなか強そうな姉ちゃんだな…許してほしけりゃ一晩付き合ってもらおうか?」
左半身全体に入れ墨を施している、バンダナ巻いたロン毛が現れた。バンダナに描かれてるのは首を吊られた人間のシルエット。
「…………」
どうでもいい存在なんで素通り。
「っ!?まっ待ちやがれ!…今すぐ謝りゃ許してやるって言ってんだぜ!」
「…チンピラに用はねぇよ。出直して来い。」
「おれは懸賞金4200万ベリーの…処刑人ロシオだぜ!ナメてると…殺しちまうぞ!」
うーん…こいつなら…
「クリーク、一応実力テストだ。ちょっと簡単だがな。」
「ウッス……おれが相手してやるよ。4200万。」
「!?ゴ…ゴリラ男が!てめぇなんざお呼びじゃねぇんだよ!」
処刑人なんとかの手が縄と化しクリークの首に絡み付く。
能力者か…え?ナワナワの実の能力者ってか?縄で何が出来るんだ?
「へへへ!締め殺してくれる………へ?」
クリークの首はピクリともしない。
「なな…なんて怪力…そんなバカな…」
クリークは力で処刑人を引きはがし…
「どりゃあああ!」
下段からのアッパーをかますと処刑人は民家まで吹っ飛ばされていった。
「どうだった?」
「いや…全く歯ごたえがなかったぜ。ホントに4200万だったのかねぇ?」
「そんだけ強なってんだ。」
原作で武器なしだと良い勝負だろうけど。
ア然としている野次馬達を尻目に酒場を目指す。
「酒場に行くのは珍しいですね。普段飲まれないのに。…何かワケでも?」
「あぁ、ある奴のスカウトさ。」
「!という事はまた…変人…」
「いや…アクのない小物だよ。当初は眼中に無かったんだが、ちょっと教育魂がウズいちゃって一から鍛えてやりたくなっちゃった。」
「……それはまた、気の毒な…」
青ざめる皆。
雑談してる内に酒場に到着し中に入る。
中はオシャレなイケメンや着飾った美女達がどんちゃん騒ぎをしていた。
「なんだぁ!?姉ちゃん!ここは貸し切りだぜ!今すぐ帰んな!」
と、ボンボンがついたフードを被った男。
「まぁまぁ、そう言うなよ!結構美人ちゃんじゃん!どうだ!おれが買ってやるぜ!野郎共はいらねぇがな!」
と、毛皮のコートを羽織ったロン毛の色つきグラサンが返す。あれは……誰だっけぇ…喉元まで出てるのにぃ…
「優しいねさすが副船長サーキースだ!」
「ハハハ!バカヤローがっおごってやる!」
ノリノリのグラサン…サーキースとやら。あぁそんな感じの名前だっけ。
「べラミーさんはいますか?ちょっと会いたいんですけど…」
初めて聞くであろう女言葉にギョッとする三人。失礼な。
「キャハハハハ!な〜によアナタ!田舎くさいわよぉ!そんなんじゃ追い返されるから早く帰りなって!」
ロン毛に肩を抱かれてる女が俺を嘲笑する。
「おれに何の用だって…?姉ちゃん。」
カウンターに座っていた男がこちらに歩いてくる。
青いコートを羽織った金髪の大男。身長だけならクリークなみだな。
「あぁ…お前をスカウトしに来たんだよ…
七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴ傘下のハイエナのベラミーさんよぉ。」
「!あぁ?てめぇも海賊か?…おいおい賞金額はいくらだよ!ジョークはつまらんかったがおれの女の一人になるんなら連れてってやろうか?ハハッハハハっ!」
舌を出して笑う。舌を噛みそうで怖い。
「ドフラは非情だぜ〜ザコのお前じゃいつクビを切られてもおかしくねぇ。今のうちにくら替えしたらどうだ?」
「おれがてめぇの?何人いるか知らねぇが…おれを使うには100年早ぇぞぉ!100年経ったらババアだろうけどよ!
ホラホラお小遣いやるから医者行ってきな!ハハッハハハっ!!」
「話を聞かねぇバカだな…いいから黙って言うこと聞いてろ…ザコ。」
「ねぇねぇ!ベラミー!その女生意気じゃない!?さっさと痛い目合わせちゃいなよ〜」
「ハハッハハハ!弱い女の子ちゃんイジメる趣味はねぇんだが…たまには良いかもな!
世間知らずのお嬢ちゃんに辛い目あってもらうか〜」
ドッと店中の仲間と共に爆笑するベラミー。
だが十数分後、全員の嘲笑が凍りつく事になる。