小説『ONEPIECE世界を過去キャラと満喫』
作者:一匹犬()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

25話「ラピュ…空島に逝ってきます!」



〜ハイエナのベラミーside〜


おれの目の前に立つのは、ムカつく表情をした女。
酒場でやるには狭いんで町の広場に場所を移した。
ここなら能力を発揮できる建物や障害物がある…
が、こんなのに力出す事もねぇだろう。ちょっくら脅してやって終わりだな。
この…バネバネの実の力でな!

まずは挨拶がわりに軽く跳ね女に迫る。

「………」

おっと、これはかわすのか…そこそこ戦い慣れてるようだな。
じゃ、ちょっと本気出してやるか!

「スプリング狙撃(スナイプ)!」

7割ぐらいのパワーで足をバネと化し跳ねる。これぐらいで十分だろ……?避けねえとはいい度胸だ。

ゴっ…

!?な、なんだ!?今の感触は…全く手応えが無かった…
ちぃっ…手ぇ抜きすぎたか…

「ベラミー!お遊びはそのぐらいでいいぜ!さっさと泣かしてやろうぜぇ!」

「わ、分かってるよ!ハッハハ!
…今泣いて謝ったら許してやるぜ!姉ちゃん!」

「御託はいいよ。ほれきな。」

手をこっちに向けてクイクイとしてる女。どこまでもなめやがって…

「今度は全力だ。大ケガしても知らねぇぞ!…スプリング狙撃!!」

ゴっ…

!?またこの感触だと!?どういうこった!?

「何かしたか?」

退屈そうにアクビをかましやがる女。
…これは…何かの間違いだ…今日はたまたま調子が…

「手加減はいらねぇから本気で来いよ。」

ザワザワと仲間達が騒いでる…。やべぇ!このままじゃ…こうなりゃ必殺技で…

建物や障害物を利用しての跳躍を無数に重ねて威力を増した一撃…

「スプリング跳人(ホッパー)!!」

これの一撃に耐えた奴はいねぇ!いい加減…くたばりやがれぇ!

ゴっ…

「!!?」

三度、鋼鉄にぶつかったような音と衝撃。…ぐぁっ!?
体中が…痛ぇ…そんな…こいつは一体…

「どうした?本気で来いよ。」

まさか、全くダメージが無いのか!?そんなバカな!こ、これは夢だ…夢なんだよな!?

「ベ、ベラミー!?じょ、冗談はよせよ!…からかってんだろ!はっ早くそいつをっ」

冷や汗が止まらない様子のサーキース達が目に映るが…
それどころじゃねぇ…イヤだ…これ以上こいつと関わるのは…殺されちまう!

「来ねぇんなら…こっちから行こうか?」

「ひっ!?…うわあああっっっ」

何度も何度も攻撃を繰り返す。…夢なのに何やってんだおれは…早く覚まねぇかな…

「現実だぜ?今はよ…」

「!!ひぃっ!寄るなあ!化け物ぉぉ!!」

叫ぶおれを見て仲間の女達が全員驚いている…

「…こ、このおれがやってやるぁー!!」

サーキースが女にナイフを振り下ろす。…や、やめろ…そんなのじゃ…

ピタッ

指一本であいつのナイフを…受け止めた。

ピンっ!

奴の指がナイフを弾いた。…次の瞬間、ナイフが跡形もなく粉々になった…

「!?ひぃっ!?バ…バケモノォォォォ!!」

腰を抜かしてへたりこみながらも女から逃げる…
ま、待ってくれよ…おれを置いていかないでくれ…

「ハアっハアっ…ひぃっ…」

誰か助けてくれ…なんでみんなそんな目で見るんだ…

「……」

女が町の中央のレンガ作りの塔に歩いていく…?

手の平で塔をつかみ…?

パガっ…

!か…片手で塔を持ち上げた!?

「48の殺人技のNo.1!宇宙旅行!!」

女が塔を空の彼方へ投げ飛ばした………落ちてこねぇ!?ああ、やっぱり夢なんだ…人間にあんな事出来るわけねぇもんなぁ…

「キャアァー!?」

ついには女達も逃げていった…他の仲間も血相変えてどこかへ消えちまった…

「………」

辺りにはバケモノ女とその仲間、そしておれだけになっちまった…

「さて、どうする?」

「こ、ころされる…ころされちまう…このままじゃ…ドフラミンゴに…こんな事がバレたら絶対に…」

「ドフラなら俺が潰せるよ。それよりお前の扱い方を把握出来なかった奴より…俺についていって天下を見てみねぇか?
地獄を見る覚悟があるんなら…俺の手を取れ。生か死か選ぶのはお前だ。」

生か死か…いや生きるも地獄…でも…おれは…このままミジメに終わりたくねぇ…!

そして女の手を取った…柔らかいのに、感じたのは山の様な存在感…
それに、この威圧感…あのドフラミンゴより…すげえんじゃねぇか…?






 〜シオリside〜


無事ベラミーをゲットした俺は船に戻った。

「?誰です?そいつは。」

「懸賞金5500万ベリーの、ハイエナのベラミーだ。仲間にしてきた。
こいつは徹底的に、一から鍛えるぜ〜♪」

「…………頑張れよ。」

同情全開の目で見られてビクつくベラミー。

…良い調子でメンツが揃ってきたな。まだ船医と船大工はいないのが問題といえば問題だが。
船医はともかく船大工は考えがある。が、まだ先の事だな。まずは無事に空島に行けるようにせんと…

「んじゃ、何人かで東の森行って、鳥捕まえといてくれ。一羽だけでいい。」

「鳥?どんな…」

「ジョ〜〜って鳴くからすぐ分かる…いい運動になるしな。」

捜索は体力が余ってたクロ、ギン、アーロンに任せる…5時間後戻ってきた。

「……いや〜ははは…ホント、大変でしたわ…」

何やら疲れた様子の3人。

「よし、これで空島に行く準備は整った。後はテキトーに海上で時間潰しとくか。」

「そ、空島ぁ!?」

オドオドしてるベラミーが仰天する。なんか臆病になってんな。

「地上よりはるか空の彼方にある島さあ…大体高度1万メートルぐらいだっけな?」

高度についてはちょっとうろ覚えだが。

「何をしに…?」

「黄金と戦いだ。そろそろ実戦も本格的にせんとな…ちなみに俺は空島の神様とバトる。」

もちろん軽くだけど。倒すのはルフィ任せ。

「か…神様ぁ…!?」

「まぁそこら辺はあんま気にすんな。お前らはそいつの配下や敵対組織と戦ってりゃ良い。あと、麦わらの一味も空島を目指してる。」

「麦わらが…」


今後について話していた俺達だが、その時。

「うわ〜!ドンっ!化け物が出たあ〜〜!」

?ここの化け物ってなんだっけ…スカイピアの人の影…

海面から現れたのはマザーバンガードをも一口で飲み込みそうな程の巨体の亀。
…あ、ルフィ達や猿を飲み込んだ奴か…300メートルはあるな…ま、島食いに比べりゃ、ザコだ。

「んな!?あれはこの辺りの主の…」

巨大すぎる亀にビビるベラミー

「とりあえず、シメとくわ……どっせーいっ!!」

殺す訳にはいかんけどな。ルフィや猿達と遭遇するはずだし。


俺は先制攻撃として巨大亀に先制の飛び蹴りをかまし50メートル程吹っ飛ばす。
ベラミーはもちろん、ボンちゃん達新参がア然としたが古参メンバーは納得の表情。
亀も負けじと体当たりをしてきて、俺も50メートル程吹っ飛ばされる。
食らったのはワザと。とりあえず耐久力も鍛えていかんとな…

幾度か殴り合いをしたが慣れてきたので終わらす事にする。

「掌銃…流尾苦究武!!」

鋼鉄以上の強度と化した掌撃で亀を空の彼方へぶっ飛ばした。
技のモデルは某筋肉超人のお相撲さん超人の必殺技。…いや、ただの張り手なんだけど。正確には掌底か。

「「………」」

流石にこれには皆が驚いちまってんな。…今の俺の筋力、ジョズさん級かそれ以上なんだろうな。

「……」

「おーい、ベラミーどしたー?」

「………」

「気絶しとる。…まだ早すぎたんだ!」



翌日。ルフィ達が猿山連合と協力して突き上げる海流(ノックアップストリーム)を目指し始めた。

「よし!追うぜ!甲板に残る奴はこれ頭から被ってろ!」

何人かに全身を隠すローブを渡し着せる。

「まだ麦わら達にバレる訳にはいかんからな…出会いはドラマチックでないと…」

「えぇ〜〜!?麦ちゃん達に会いたいのにぃ!」

「安心しろ、そのうち会えるさ…」

「今までで1番怖いっす、その笑顔…」

「南西から積帝雲が来たぜ!…けどでかすぎる!」

波も荒れてきとるな。

「ログポースはどうだ?」

「ずっとあの雲を指してます!…しかしとんでもない大渦が…」

目の前にゃこの船をアッサリ飲み込めそうな大渦…
大渦といや、スクアード…あ、今はどーでもいいか…
前方でこっちを指指して何か言ってるルフィ達はスルーしとこ。
…と、不意に波が静かになった。

「どういう事?…収まったの?」

いやいや、これからですよ〜と、その時


「ゼハハハハっ!」

あの変な笑い方が聞こえてきた。おお黒ひげだ。
…そういやジャヤに来てから見聞色で探ってたのに反応無かったんだよなあ…ルフィらとほぼ同時に来たってのか?
だが、追い掛けてきたのは良いが俺らと違い海流の中心からズレてる。と、次の瞬間!





ズドォォォォォンン!!!




想像を絶する、まさに突き上げるような海流が天高く登った。
メリー号と俺らのマザーバンガードは真上にいたので無事。
黒ひげの丸太船は木っ端みじんになった。…つーか、よくメリー壊れねーな…まさに不死身の男だ。ベラミーによる破壊が無くなった分原作より長持ちするかもな。と近くで絶叫しまくってる奴らをよそに思いにふける。

「死ぬ!死ぬ!」

「水柱の上を走ってやがる!どーなってんだぁー!?」

「お前ら!おれ様を守らんかぁぁぁ〜!?」

ワポルがわめいてるがもちろん誰も守らない。

「よし、そろそろ帆を張れ。で、翼を展開!」

ナノハナで改造した部分から翼が現れる。これで浮くはずだ。

翼を展開したので船が空を飛ぶ。…しかし、船がメリーよりだいぶでかいので勢いが弱い。

「しゃあねぇか…」

船尾まで移動し横立ちの姿勢を取る。

「お嬢様っ!?」

船尾から地上に向かってあの構えを取る。

「か〜め〜は〜め〜波ぁっ!!」

もちろんかめはめ波は出ないが極太の水流が両手から放たれた。
…いや、強くしてもらったしレーザーみたいなん撃てるかな〜と思ったんだ…ちくしょう、いつか撃ってみてぇな…

ともかく、水流はブーストの役目を果たし無事軌道に乗った。
さ〜て生きて空島に到着できるかな〜〜




-26-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える