28話「お前なんか高木さん以下だ」
〜ニコ・ロビンside〜
困ったわ…遺跡のない場所へおバカさんを誘導させないと…
これ以上遺跡を破壊されたら理性が飛んでおバカさんを血の海に沈めてしまいそう…!?また人が来た……あれは!?
「あら?こんな所で会うなんて…奇遇ね。ミス・オールサンデー。」
「ミス・ダブルフィンガー!?…あなたが何故ここに…?」
どういう事かしら?バロックワークスはもう崩壊したはず…まさか、昨日見た船…
「とある人に拾われたの。Mr.2も一緒にね。で、今は鍛えられてる最中なのよ…
超スパルタで最近はお肌が荒れるのが悩みなのよね〜」
「おやおや、お嬢さんが増えましたね…これはこれは美しい。」
「なに?この百貫おデブちゃん。」
「メ〜〜!!失礼な口を!許しませんぞ!」
このおバカさん、沸点が低すぎないかしら…体当たりを仕掛けるけど彼女にはかすりもしないわ…あんなに素早かったかしら…
「おっそいわね〜」
確実に身体能力が上がってる…最後にあってから一週間ぐらいしか経ってないというのに…何があったというの?
「指銃・ダブルスティンガー」
!?指銃って、まさか…
「ぎゃああああああ〜!!」
…あの巨体が全身串刺しに…あれはもう生きてないわね…
「あれ!?アッサリ通じたわね。あの娘には全く傷をつけられないっていうのに…」
そんな人がいるの!?
…このおバカさんを倒す算段はあったけど…体力温存が出来たと考えれば良いかしらね…けど。
「じゃ、あなたのダイアル頂いていくわね…斬撃貝って奴かぁ…まぁ10個もあれば無いよりマシかしら…」
ダイアルが目当てだったようね…
「それじゃあね、ミス・オールサンデー。…あの娘はかなり気まぐれだから…次いつ会えるかわからないけど…元気だったらまた会いましょ。」
「私を排除しないの?」
「麦わらの一味には手出しするなって言われてるから…まだ私死にたくないし命令違反はしないわ。」
途方もない人のようね…しかも彼女より年下の可能性…
「…もう、あの組織は無いのだからロビンでいいわ。フルネームは多分有名だから言うまでもないでしょうけど…」
「そう…じゃあね、ロビン。」
そして、姿を消した彼女…何か大きな事が起きているような…
〜カマキリside〜
ゼェ…ハア…ダ…ダメだ…いくら斬っても…通じない…なんて非常識な…
「ふあああ〜〜…おっと、居眠りをしていたか。
!あぁ、まだやってたのか。ヤハハハ。」
目の前にいる男…おれ達の宿敵…エネル。
こいつにとっては…安らかな午後のひと時とでもいうのか!?
…体中が雷によって痺れて思うように動けなくなってきた…だがせめて一太刀…しかし…どうすりゃいい…
「おれは…お前に勝てない…のか…」
「あぁ、そう「お〜〜!エネルぅ〜!見つけたぜ〜」…正体不明が来おったか…」
「貴様は!?あの時の…」
侵入者だと思ったら観光客だった…その奴らがなぜ戦場に…
「おぉ、確かあん時のグラサンモヒカンか。頑張ってんな。…けど、とりあえず休んどけや。ちょっとこの自称神様(笑)に用があるんでな。」
「私も貴様に用があった。…青海人の女…この私が心を読めなかったのは貴様が初めてだ。
…貴様を倒せばその謎も解るのであろうな。」
なんだ…この女…あのエネルの威圧に全く怯んでいない…!
「倒せるんならな〜…やってみろや。井の中の蛙。」
なんでニヤニヤしていられるんだ!?
「言ってくれる…では、小手調べといこうか…200万V放電(ヴァーリー)!」
凄まじい雷が女を直撃した。あんなのを食らったら…下手したら死ぬ!
「……う〜ん…イマイチピリッと来ねぇな…もちっと力出してくれや。100分の1の力なんてなめすぎだろ。」
!?む、無傷!?い、いやそれより…あの雷が100…
「ほう…手加減しすぎだか…ならば少し強く行くぞ?簡単に死んでくれるなよ?」
エネルが手に持つこん棒で右肩辺りの太鼓を叩いた…!?なんだあれは!?雷の鳥!?
「3000万V…雷鳥(ヒノ)!!!」
「おぉ!カイザーフェニックスみてぇだ!…んじゃ俺も…カイザーダルフィン!!!」
!?水で出来た…あれは確か青海にいるというイルカ…というかカイザーフェニックスってなんだ!?
バリバリバリ!!
雷鳥はイルカを素通りし女に直撃した。
「いちちちっ…やっぱ水じゃ相性最悪だな〜感電しちまったよ。」
「!!?…まさか雷鳥をまともに受けてその程度のダメージとはな…恐ろしいほどタフなようだ…癪だが電撃ではラチがあかんという訳か。」
こん棒を取り出した…?
「我がのの様棒を侮るなかれ…雷治金(グローム・バトリング)!」
エネルがこん棒に雷を流すと…三つ又の槍に変形しやがった…
「スピード勝負と行こうじゃないか。」
バリっ
エネルが消えた…!?
「………」
ドゴォ!!
「ガハァ!?…」
な…エネルに攻撃を…当てた…
というかなぜ雷の速さに追いつけるんだ!?
「ぐぅ…ぬ…貴様…なぜ私に…触れられるのだぁ!?何をしたぁ!?」
「へっ…自分で考えて見ろよ…しかし…もったいねぇな…下の海ならもっと大暴れ出来るだろうに…
あそこにゃ自分らをこの世で1番偉いと勘違いしてる救いようのないカス連中や、自分が1番強いと思ってる戦士が山ほどいる。
アンタもそこで揉まれてりゃ今みたいな訳分からん事にならんで済んだのにな。」
「くぅ…よ、よく分からぬ言葉で謀ろうとしても無駄だ!おれは雷人間!最強の力を持っている事に変わりはないんだ!…1億V放電(ヴァーリー)!!!」
エネルが雷の如きスピードで女の懐に潜り込み雷を放った…!
辺りが光に包まれる。とてもじゃないが耐えられん!
…辺りの景色がメチャクチャだった…木々や地面が消し飛んでいる…これ程の力を持っていたのか…
あの女は消し炭になったのか…
「さっすが1億V!えげつねぇな!」
なんと女が生きていた…もう何が何やら…
「き…貴様…なぜ生きている…おれは見たぞ。雷は確かに貴様に直撃した…」
「ああ、素の肉体だけじゃヤバかったんで武装色の覇気を使わせてもらった。」
「武装色の…覇気だと?どういう力だ!?」
「あぁ、訓練に訓練を重ねた者が発現させる偉大なるパワーだ。
見聞色の覇気はお前らの心網(マントラ)と同じく相手の気配を感じ、読む事が出来る。
武装色の覇気は体に覇気を纏っていかなる相手をも捕らえたり、いかなる攻撃も防ぐ事が出来るのさ。」
「…それを貴様が使いこなしていると…」
「あぁ、まぁ見聞色はアンタの方がちょっと上だがな。
だが残念かな武装色が未熟すぎる。
武装色を纏えれば…覇気使いにも触れられなくなるだろうに…」
「…私は…神だ。こんな所で朽ちる訳にはいかん…例え修行不足だったとしても…貴様に勝ってみせるぞ!」
エネルの全身が雷を放ち徐々に…巨大化していく…!?
「MAX2億V!…雷神(アマル)!!!」
「…紙絵・ゴム。」
あまりに巨大な雷が女を…飲み込んだ。
「!やったか!?」
「残念…体をゴムと同じ存在にして耐えたのさ。…武装色・六式拳銃…虎砲!!!」
零距離からの正拳突きの様だが…
「ガハァ!…」
ブッ倒れたエネル。……倒したってのか!?
「ぐぅ…くそ…私は…まだ終われん…ここは引かせてもらうっ…」
苦悶の表情で逃亡したエネル…信じられなかった…終始あのエネルを圧倒するなど…
だがおれもエネルの雷をわずかに食らってしまった…動けん…女がおれに近づいてくる…やられるのか!?
「ああ、別に取って食やしねぇよ。それに、奴は麦わらのルフィが倒すだろうさ。安心して寝てろ。」
その言葉を最後に耳にしておれは意識を失った。
…戦いが全て終わる時まで…