2話「百計のクロをボコリます」
〜???side〜
自分の脳天に恐ろしく伸びた人の首が迫ってくる。
なんなんだこれは?こいつは人間じゃないのか?
悪魔に魅入られた化け物だと言うのか?しかしこうして恐怖に慄いている間にもどんどん人の首が迫ってきて…
「ゴムゴムのぉぉぉぉっっ鐘ぇぇぇぇっっっ!!!」
どごぉぉぉおおっっっっ!!
その絶叫と共に耐え難い衝撃が自分を襲い意識を失った。
次に目を覚ました時はどこかの地下牢だった。まあシロップ村のどこかだろう。両腕には手錠。長年愛用していた猫の手もない。これで自分の人生も終わりか。
……フンッ何を馬鹿な。まだ終わっていない。チャンスはまだある。
奴等がいる間は無理だが、この島を出た後から海軍が引き取りに来るまでに若干の時間があるはず。そこを突く。
そしておれは脱出に成功した。苦手な脚技でもただの住民を蹴散らすには十分。万が一のために隠しておいた小舟にたどり着けば大丈夫だ。
空を見るともう夕方。海軍が来るまでにはまだ時間がある。いける!!と思った瞬間得体の知れない衝撃が全身を襲いまたしても意識を手放した。
ごんっ
………
………
……ん?意識が急浮上する。一体おれは…!そうだ。もう少しで目的地に…
「よう。ちょっといいか?」
目の前にそこそこ背の高い女がいた。住民かっ!……いや、見ない顔だ。旅人か?ならばすぐに始末すれば…
「おいおい。物騒だな。口封じかよ。」
「!!??あ、あの一体何をおっしゃっているのか…私はクラハドールといいまして、このシロップ村の住民ですが…」
何だこいつは!?…いやでまかせに過ぎん。それにこのような女などとるに足らん。
「いや…そういうのはもういいよ。百計のクロさんよぉ。」
〜百計のクロside〜
この女!!!…
「フ、フフフ、何の目的でおれに近づいたか知らんが…身の程知らずだな。すぐ後悔するぞ。」
手錠のせいで両腕が使えんが…どうにでもなる…
「ああ、悪い。手錠してたんだな。外してやるよ。」
次の瞬間手錠が粉々になっていた。…馬鹿な!?一体何をやった。……いやとにかく両腕が使えるのだ。猫の手がないのが癪だが問題ないはず…愚かな女め…
「そっちは武器がないからハンデやるよ。好きなだけ仕掛けてきな。」
「貴様…どこまで人をコケに…」
「すぐに理解するよ。絶対的な差がな。」
こいつは…必ず殺す。
「はああああっ」
片腕を振り上げる。猫の手がなくても切り裂くぐらいはできる。しかし…
ギィィンンン……
女の体からあり得ない音と同時に腕に信じがたい衝撃が走った。
「くっ…こしゃくな…鎧を身につけ…」
女を見ると鎧なんて着ていなかった。ただのタンクトップ?そんな馬鹿な?どういうトリックだ!?
「いや…なんもしてねぇよ。単にお前の攻撃力が低いだけだ。」
「…(なんだこいつはっ…化け物なのか?あの小僧みたいにっ…)」
「ああ、こりゃ別に能力でもなんでもない。ただ力入れただけだ。鍛えりゃ誰でもこうなる。」
「戯言をっ……」
こうなれば全力を出すしかあるまい。そして全身から力を抜く。
「………」
「……杓死!!!」
敵を殲滅する奥の手で決める。猫の手がないため通常より威力は落ちるが仕方あるまい「ようっ」なにっ?
このおれのスピードについていけるだとぉっ!?
「そろそろ終わらすか…指銃」
そのつぶやきが聞こえた瞬間、体にこの日三度目の衝撃が走った。
〜主人公side〜
いや〜まさか倒れてたのが百計…だっけ?のクロだったとは。て事は村の名前忘れたけどウソップの村か。
ルフィ達はもう出発した後みたいだったが。
…次は確かサンジのとこだっけか。んでクリーク海賊団?
……やべギンさんめっちゃ見たい。仲間にしたいっ…
と言いたいとこだがまずはこいつだな。鉄塊でダメージくらわんかヒヤヒヤしたがノーダメのようだ。
すげぇよ六式。…海軍では上の方は標準装備だけど。ま、それはそうと…
確か原作ではこのままフェードアウトだっけか。…そこそこキャラ立ってるのにもったいない。
………よし、まずはこいつかな?