29話「つい勢いで会っちゃったけど反省はしていない」
〜ガン・フォールside〜
神の社に続く道がある遺跡で剣士殿、ワイパー、エネル配下のオーム、青海人らしき大男と女言葉を使う妙な格好の男、そして…ウワバミが対峙しておる。
「オカマ野郎!?それに…確かドン・クリーク!テメェらまで…一体どうなってやがる!?」
「おぉ?その感じじゃ誰かと会ったのかよ?海賊狩り。」
オカマとか言う人種と大男とは知り合いの様じゃな…
「がーはっはっは!アマちゃんに助けてもらったのよーう!」
「!おいこらっ!あまりしゃべるなってドンに言われてたろ!シメられるぞ!」
血相を変える大男。
「…アマちゃんてのは誰だ?ひょっとしてクロの野郎もそいつと関係あんのか?」
「!…ほー、クロに会ったのか。…お前がここにいるって事は倒したのか?それとも逃げてきたのか?」
「!勝手に消えただけだ!なめんじゃねぇ!テメェこそその槍一本だけでさみしくねぇのか!」
「…槍はまぁ…あってもなくても特に困らねぇ。…おまけみてぇなモンだ。体が前よりちょっとだけ強くなったんでな。」
「おっさんのくせにタフよねぇ〜!クロちゃんが言うには始めの頃はひどかった様だけど!」
なぜ回っているのだ?オカマとは妙な風習があるのだな…
しかし、この者らの強さは尋常ではなかった…
オカマの蹴りがオームの犬をノックアウトし、大男は信じられぬ程の頑丈さでオームの鉄雲の一撃を耐えよった。
「あのウワバミってのが厄介だな……まぁドンにかかりゃザコだろうけど…」
ウワバミの牙を警戒し避け続ける大男。見かけによらずスピードもあるのう…
「はあ!?ドンってのはテメェだろ!」
「それは今は封印してる。今のおれぁ…ただのクリークさ。」
「オカマ野郎といい、テメェといい、クロといい何がどうなってやがる…黒幕がいるな!?アマって奴か?」
「テメェが馴れ馴れしくドンの名を口にするんじゃねぇぞ!!」
剣士殿の剣撃…虎狩りを受けきって…投げ返しよった!
「ぐはっ…」
背中から落ちたがそんなにダメージは無いようじゃ。
「いつまでじゃれあってんだ!貴様ら!…鉄の鞭(アイゼンウィップ)!!」
「うぉっと!?剣が鞭になるたぁ…雲貝ってのはホントにメンドクセェな!」
大男がオームに迫るが
「鉄の堤防(アイゼンバッ…)ぶっ!?」
なんと鉄壁ごとオームを吹っ飛ばしおった!
「なっなんて馬鹿ちか…「百八煩悩鳳(ポンドほう)!!!」ぐはっ!?」
なんと斬撃が三つも飛びおった…
「邪魔してんじゃねぇよ!ツノグラサンが!…さ〜て…続けようか…」
オームもリタイアしおつた。
「貝持ってねぇテメェと戦う理由がねぇな。こいつのは雲貝のようだから頂いても意味ねーし…
手ぶらで帰ったらぶん殴られるだろーし…別の所に行くか。
おい!ボン!行くぞ!」
「えぇ〜!?この兄さんと決着ついてないのにぃ〜!!」
「うるせぇ!バズーカ持ったモヒカンはドンが相手するとか言ってたろ!横取りする様な自殺行為出来るか!!」
「!そっそれもそうねい!じゃあね!ロロノアちゃん!麦ちゃんによろしくねい!!」
「…くそっどいつもこいつもなんだってんだ!?何が起きてやがる?」
二人は立ち去りおった…正直襲い掛かられたら面倒じゃったな…
「ゾロ〜〜」
「ナミか!?何してんだ!んな所で!」
おぉ、ナミ殿か。
「アイサ!?ここで何してる!?そいつから離れろ!」
ワイパーが燃焼砲を撃ちおった!仲間もいるのだぞ!…ぬぅ!
間一髪ナミ殿と少女を助けたのだが…わしらはウワバミに飲み込まれてしもうた…
〜ナミside〜
いや〜参ったわ。やっと仲間を見つけたのにすぐに大蛇に飲み込まれちゃうし、ルフィが腹の中にいるし…
状況が全く読めないわ。しかも大蛇から出る際にまたあのバカとはぐれるし…
でも、ロビンとゾロと合流出来た。…けど船に現れたあのエネルって奴がまた突然現れてロビンと変な騎士をあっという間に戦闘不能にしちゃった…
でもモヒカンの人…ワイパーがエネルを倒した!…と思ったら…
バリっ!
エネルに雷が落ちた。…えっ!?
「………っ!?」
ワイパーって人が呆然とエネルが平然と立ち上がるのを見てる…私もだけど。
「人は神を恐れるのではない…恐怖こそが神なのだ。」
「んじゃあ…俺から逃げたお前はなんなんだろーな…?」
…えっ!?誰?この女性…
「!!きっ貴様…追ってきたのか!!ちぃっ…3000万V・雷獣(キテン)!!!」
エネルがあわてて持ってた棒で左肩の太鼓を叩くと雷の形をした獣が生まれ、女性を貫通した……けど…平気で立ってる!?しかも…無傷って…
「だからこの程度の電圧じゃ効かねぇって…2億Vぐらいのが直撃しねーと大ダメージは与えられんぞ。」
2億って…冗談でしょ…?
「くっやはり効かんか……貴様の目的は何なのだ!?私をも圧倒するその力で…何を企む!!」
!?この化け物を圧倒…!?信じられない…
「ここにゃ戦力増強のための貝と黄金の回収に来ただけだってのは心網で知ってるだろ。
マクシムにある黄金と噴風貝くれるんなら見逃してもいい。あと、ワイパー君、排撃貝を渡したまえ。」
「戯れ事を!それよりも貴様…何者だ!」
ゾロと同じ様な攻撃を受けてボロボロなのに戦意を失ってないわ、ワイパーって人…
「ラピュタの王ムスカ…てのは冗談で…なに、名乗る程の者じゃねぇよ。」
「貴様も敵なら…死んでもらう!」
彼があのバズーカを撃った!それが彼女に直撃…大木をも貫く一撃…あんなのが人間に当たったら…
「その程度の火力じゃダメージを与えられねぇよ…」
えぇ!?無傷!さっきから何がどうなってるの!?
「……バケモンか…!?」
「相変わらずの規格外…噴風貝はマクシムを動かすために欠かせぬ…黄金だけで手を引いてくれんか?」
あのエネルが恐怖を感じてる…
「オッケー商談成立だな。んじゃあ…」
「テメェ!」
!?ちょっと〜!このマリモっ!なんで止めるのよ〜!死ぬ!死んじゃうわきっと!
「テメェ…ドン・クリーク、クロ、あのオカマ…ボン・クレーの関係者だな…ナニモンだ!?」
クロやオカマと知り合いなの!?…というかクリークって誰だっけ…
とっ…それより、あのゾロが恐怖してる!?隠してるんだろうけど…刀が揺れてる…
「まだお前らにゃ知られたくないんでなぁ…まぁ後々分かるだろ…さて、ワイパー無理矢理もらうぜ。」
「くっ…なめ……ぐはっ!?」
一瞬でワイパーの懐に迫り殴った。…あんなにタフだった人がピクリともしない!?
「ワイパーーっ!?」
アイサが泣き叫んでる。
「うわっと…俺、なんか悪モンみたいだな…泣きたい。」
と言いながらもワイパーの掌に装着されていた排撃貝を奪い去った。
「じゃあな。またどっかで会うかもしれんが…そん時はよろしく!」
…よろしくしたくない…