34話「準備運動終わりました」
〜シオリside〜
割れ頭は水大砲をくらいフィールド外の海までぶっ飛び、勝負はついた。
『デービーバックファイト三回戦!船長同士の『コンバット!』は傾国のシオリの圧勝に終わったぁー!
つ、強すぎるぞお姉さん!アンタは一体何者だ〜〜〜〜!?』
「直に分かる。じきにな…クックック…」
『やっぱり怖〜い〜!?何企んでるのよ〜〜!?』
うるせぇな、シバくぞ………さぁ〜てと…
「オ…オヤビン…」
ア然と割れ頭が落ちた辺りの海を見てるポルチェちゃんともう一匹?一人?
「心配か?ポルチェちゃん。」
「当たり前じゃないのよ!アンタなんかが想像できない程苦楽を共にしてきたんだから!私達は!」
「そうか…ま、これからも三人仲良く一緒にいれるぜ。…他の奴らとは別れる事になるけどな。」
「えっ!?」
「オヤビンと他の仲間達…どっちか好きな方に行きゃいいさ。俺は止めねぇ。そこのゴリラも同じくな。」
「アンタ…オヤビンを…」
「ああ、もらう。…お前らはどうする?」
「………」
『さあ!なんと三連勝の傾国のシオリ海賊団!ラストは誰を「オヤビンで」…指名…はい。』
「「うぉぉぉ〜〜オヤビンが取られるぅ〜〜!?」」
そういや有象無象の集まりだったな…カオスになるだろな〜ま、知ったこっちゃねーや。
「お、お嬢様、ま、まさかあの変な頭部をしている哺乳類を…」
俺以外に対して毒舌すぎるってクロさん。
「止めといた方が良いじゃねぇか?」
ツッコミの負担増えそうで嫌そうだなクリーク。
「なんか知らんが親近感わくなぁ〜!」
そりゃそーだろワポルよ。
「おい、アマクサァ…」
復活した割れ頭がこっちに歩み寄ってくる。
「アッパレだ、ブラザー…」
手を差し出してくる。いや、女なんだけど、体は。
「一本背負いはすんなよ?」
「ギクゥっ!ななななんの事やら…」
分かりやすいな!ホントおもしれぇな、これは重宝しそうだわ。
「しかし…まさか、このおれを選ぶとはなぁ…だがこのおれも男だ!銀ギツネのフォクシー海賊団は本日を持って解散するぅ!!
……うぉぉぉぉお前らぁぁぁ達者でなぁぁぁ〜〜」
滝涙を流すオヤビン。…今後お前をフォクシーと呼ぶ奴がいないと思うけど。髪型変えん限り…
「私とハンバーグは一生ついていきますわ〜」
「ププププっ!」
ちょっと待てゴリラ!今笑うトコあったか?
「「「うぉぉぉぉ〜〜オヤビン〜〜〜おたっしゃで〜〜〜」」」
モブ共の方は最後まで暑苦しいな!全く!こいつらは…
「しっかしよう…このおれを仲間にしてまで何しようってんだ?アマクサよう…」
仲間になってそうそうタメ口のオヤビンにピキピキしてるクロ…ワポル&フォクシーとは相性最悪だな。
「なに…なんとかミミズにも言ったが直に分かる…天竜人どもと世界政府にケンカ売るってのはまだ内緒だ。」
「ギャーー!サラっと言ったぁー!?聞いてねぇーぜ!そんな事ぉー!?」
グランドライン以降に仲間になった連中も仰天してるな。
「あ、口が滑った(棒)………怖じけづいたか?」
「あああ当たり前だろうがい!オメェ何言ったか分かってんのか!?天竜人はマジでヤバいんだって!!」
「知ってるよ。危害加えようとしたら海軍大将が飛んでくるんだろ?上等だよ。」
黄猿とか光速らしいんだから数秒で現地に着きそうだが…なんであんなにトロいんだろな?
「つーわけだ。ついてこれない奴は抜けていい。責めはしねぇ。誰だって命は惜しいからな。」
そしてみんなを促すが…
デカイ顔をしてる天竜人、最強と名高い世界政府が気にくわないエネル、天竜人の仕打ちを憎んでる魚人であり、海軍に痛い目にあったアーロンはもちろん、他の者まで抜けなかった。
「何を今更…私はただお嬢様についてゆくだけです。」
こいつからお嬢様分を取ったらどーなんの!?
「一花咲かせるんならどデカイ相手が1番だ。」
散る気満々だが…させねぇよ!
「麦わらの一味は海賊王を目指してるんでしょう?なら…負けてられないっすよ。」
正確にゃサンジにだろ?分かってるよ。
「ピカピカ光る人間と天竜人共を倒すまで命がけでついていくぜ。」
分かりやす!…つーかほとんど別人やなこいつ。
「まーはっはっはっ!よく分からんが世界におれ様よりエライ人間はいらん!」
…ワポルェ…相変わらず前が見えてねぇ…
「拾われた命だし…まぁほどほどに頑張ってみるわ。」
まぁ、こんぐらいの心構えが1番だな。さすがお姉さん。
「がーはっはっはっ!麦ちゃん達に負けてらんないからねい!あちしも!天下一のオカマ王にあちしはなる!」
何ルフィみたいな事言ってんの!?イワさん倒す気か!
「うぅ…ドフラミンゴに脅える生活は終わりにするんだ…あの人をビビらせてやりてぇ!」
う〜ん、ドフラはキレ者っぽいから難しーなぁ…けど、ベラミー強化計画はある。
…つってもルフィ2Pカラーもどきだがな…バネだからアレだけでもイケるはず…
「世界政府と天竜人とやらに身の程を知らせてやろうじゃないか。ヤハハ!」
まだお前じゃ大将にゃ勝てんて。ま、二年たっぷり鍛えてやるがな…
「え〜!?おれも言うの〜?事情がよく分かんねぇんだけど!?」
お前はそれでいいんだよ。ワポル同様ギャグ担当だし…もっとも簡単には死なないぐらいに鍛えるがな〜最凶な存在にしてみせるぜ〜
「よ〜く分かった!お前らの覚悟は受け取った!なら俺はお前らに新世界をも生き残る力をくれてやる!命懸けでな!!」
二年間超絶ハードコースの特訓考えんとな〜
さ〜て次は……ついにアレか…準備運動は念のためやったし…戦う事になったら覚悟してやるか。計画のために色々能力制限してやらなあかんし…
まあ、それも相手次第なんだが。奴が俺の事を知ってたら逃げる!知らなかったら…
こうしてフォクシーwithポルチェ&ハンバーグを加えた俺らはロングリングランドを出港するため船に乗り込む準備をしだしたが…海の方から何かが来たので立ち止まった。
「なっ…自転車が海をっ…」
「違うぜ。自転車の底見てみな。」
車輪の下面に接している海が凍りついている。
…こんな器用な事ができるのはただ一人。
「ん〜?なんだアンタら〜こっちジロジロ見ちゃって〜照れるじゃないの〜」
海軍本部大将の青キジことクザン…来ましたよ〜