小説『ONEPIECE世界を過去キャラと満喫』
作者:一匹犬()

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35話「まるでカミュに挑む氷河の気分だぜ…」


〜シオリside〜


目の前にゃ青いシャツの上に白いジャケットを羽織い、下も白いズボンのノッポの男。
目が弱いのか眠いのか知らんがアイマスクを額辺りに付けてる。こいつこそ海軍最高戦力の一人、青キジことクザンの兄ちゃん…じゃねぇか、オッサン。
細かい歳知らねぇけど…赤犬とか呼び捨てにしてるしな〜

それにしても…ホントにヒョロ長いな。けど、こー見えても体術はかなりのはず。六式は体得してるだろうし。

「おぉっ!?ワイルドなスーパーボインちゃんがおれに釘付け…誘ったらイケる!!」

!?何サンジみたいな事言ってんの!?女好きだっけ?
…あ、そういや初対面のナミ口説いてたか…
しっかし…ボインちゃんて…いつの世代やねん。…う〜ん…なかなか真意がつかめんな〜俺の事知らなかったら良いんだが。
いや、大将ともなれば最新情報とか知ってなあかんし…(センゴクが伝えるだろうし)…掴めんな〜…一か八かやってみるか?

「おい、お前ら今から言う事は嘘だから気にすんなよ。あともし戦いが始まったら数十メートル離れとけ。」

「だ、誰なんだ?」

「海軍の大将の一人…青キジことクザン、ヒエヒエの実の氷結人間だ。桁外れに強ぇぞ。」

と小声でやり取りする。もっとも見聞色使われてたら即バレなんだろうけど…

「あぁ、ちょっとアンタ、海軍かい?ちょっと俺、海軍に興味あるんで実力見てほしいんだけど。」

「ん?あ〜おれの事知らねーのか?…まぁいいか。…フ〜ンなかなか良い面構えしてんじゃないの〜…で、この後デートなんてどう?」

…ダラけてんな〜相変わらず…つか誘うな!そっちの気はねぇよ!

「悪いが恋愛じゃ男に興味ないんでな。」

それを聞いてフィンガーやポルチェちゃん達が騒ぎ、男共が引いている…あ、変な事言ってもうた!

「あららら…残念…ま、ちょっとヒマだし…見てやるか。じゃ…来な。」

と言いつつ両手はポケットに突っ込んだまま。こいつはハンドポケットからの居合拳の達人ではないはず。龍書文やタカミチじゃあるまいし。

「お前ら…船辺りまで下がってろ。下手したら…死ぬぞ。」

ゾワっ…

覇王色の覇気ではなく普通の闘気を放つと皆が下がっていく。

「おぉ…こりゃ意外に強そうだな……っと!?」

高速で迫った俺の拳をデカイ手で防いだ。
ちなみに六式は封印。当然だが。あと、後々のため獣形態への変身も禁止。

「剃じゃねぇのにとんでもないスピードだなー…どーいう鍛え方したのよ?ボインちゃん。」

「色々あってな……?来ねぇのか?」

「あぁ…ま、おれからは手ぇ出さないでやるよ…めんどくさいわけじゃないぞ。」

嘘つけ!…とにかく完全にお遊びモードだな…

「うおおおっ」

必死なフリして青キジに迫る。やっこさんはのろ〜りと拳を向けてくる。当たる瞬間、ここで!

「!あら!?…残像かぁ!?」

俺の残像への攻撃はもちろん空振り。

「上だ!」

地上に残像を残し上空から急襲。ドラゴンボールの初期によく見られたバトル展開だ。
…けど、前から思ってたが残像残す手間あったらその分スピードに回せば良いのにな…多重残像拳。

「っととと!…あせった〜」

けど、上空からの攻撃もかわされた。…飄々としてるから分かりにくいがホントは驚いてないだろ。

…あっ!こいつにあの名セリフ言わせてぇな…赤犬や黄猿と違ってあのセリフならなんとかなりそうだし。

「もう一段階…上げてくか!」

「!マジか…」

ギョッとする青キジ。

…ヒュオッ!

ガキィ!

ノーモーションでの接近を防ぐのかよ!やっぱやるな!

「むぅっ!…スピードだけじゃなくて力もとんでもないじゃないの!バケモンかよ!」

そりゃ自分よりだいぶ年下のガキがこんなに強かったら驚くわな。…そろそろ様子見モードを止めてほしいが…さてさて…

剃無しでの全速での一撃もギリギリ見切られた…やっぱロギアの能力に頼り切りの連中とは訳が違うな。

「その強さなら入ったらすぐ准将…いや少将になれるぞ。とんでもない強さだ。」

「そりゃどーも。……アンタ多分悪魔の実の能力者だろ?それを使わずにそんな事言われてもうれしくないな〜」

「!そりゃ無理な話だ。おれに力を使わせん方がいいぞ〜自信折りたくないしな〜」

「かまわねぇよ!ウォータージェット!!……800加圧。」

「!うおっとぉっ…!?」

青キジの右肩に命中し、その肩辺りが粉々に砕けた。

「おいおい…なんだその水…つい防御しちまったじゃねーかよ…お前さんも能力者か〜?」

ボインちゃんと呼ぶのを止めた。ちょっとは気ぃ入れてきたか?

「まぁね……つうか何よその右肩…一瞬氷みたいにならんかった?」

と知らないフリ。

「おれはヒエヒエの実の氷結人間だ。残念だが水じゃ相性悪いぞ。」

青キジがそこら辺の草をちぎって息を吹きかけると、それが芯となった氷の刃が生まれる。

「アイスサーベル。」

お手軽な武器だな〜…んじゃ俺も。

「ウォーターカッター…2000加圧!」

ウォータージェットは出しっぱなしだがこれは一定の長さに保っている。触れる物全てアッサリと両断できる物騒な得物だ。名付けて…

「アクアセーバー。」

水版のライトセーバーだな。レーザーブレードのギャバンダイナミックみたいにポーズ決めたいが危険すぎるので止めとこ。

「!なんじゃそりゃ!?見るからにヤバいじゃないの!
…こりゃ触って凍らす訳にもいかんな〜…物騒だねホント。」

そして切り結ぶが一瞬でアイスサーベルが砕け青キジを両断した。

ギャラリーがまたーとか悲鳴あげるが無視。

「ちょっちょっと!斬れ味ありすぎでしょうが!」

すぐに氷化して再生する体。

「…こりゃ遠距離から行くしかねーなぁ…」

青キジが手を地につけたって…おい!

「氷河時代(アイスエイジ)」

青キジがその力を解放する。…辺り一面氷の世界…になるかと思いきや青キジと俺との間の空間だけが凍りつく。

…そりゃそーか…コントロールくらいできるわな。…しかしこうなるとうかつに氷の大地に足つけれねーな。何されるか分からん。なら…ここは…

「自然の脅威みたいな事しやがって!…ウォータージェット10連射!!」

ガンバスターのバスターミサイルやサイコガンダムみたいに両手指全てから放つ。

「!えぇぇ〜!?マジかよ!…っとぉ…アイス塊・両棘矛(ブロック・パルチザン)!!」

氷の槍が無数に現れ水流を全て氷漬けにし撃ち落とした、が。

「カイザーマーメイド!!!」

水で出来た巨大な人魚が出来上がり青キジに迫る…いや威力、効果共にカイザーダルフィンと同じなんだけど。

「ちょっおまWWWWW…あ〜もう!アイス塊・暴雉嘴(ブロック・フェザントベック)!!!」

水の人魚は巨大な氷でできたキジと相打ちになった。

「とんでもないな〜何よその水…」

「俺ぁ…『ヒトヒトの実・モデル人魚』を食った人魚人間さ…。」

と言って人獣形態になる。…魚に詳しかったらバレるかもしれんが。

「こりゃなんとも…しかしおれに技を使わせるとはとんでもないな…」

「まだ、これだけじゃねぇぜ?」

覇気を纏わせた尻尾での乱れ撃ちを放つ。鉄塊を掛けてないが覇気込みなので蛇々馬には負けてない。

「おぉっ…と…!?なっ…なんじゃこりゃ!」

!オシ〜イ!驚き具合が足りねぇ〜!

乱れ撃ちを捌ききれなかった青キジが腹に一撃を喰らってのセリフだったんだが…固ぇなやっぱ…流石に白ひげの覇気を込めた薙刀の一撃を防ぐだけはあるわ。

「まさか覇気まで使うとは…ビビったわ。アンタ、ホントにナニモンよ?」

ヤベ、やりすぎた?

「用事がなけりゃもっと戦いたいトコなんだが…しょーがねぇか…たいしたもんだ、ホント。
ま、海軍に来るんなら大歓迎だわ。アンタの名前はなんてんだい?」

…ま、ここは名乗っても問題ねーか。気づいた時にゃもう俺らはいないだろーしな…

「アマクサ・シオリだ。ま、お偉いさんに仲介とか出来るんなら頼みますわ。…え〜と…お名前は?」

「クザンだ。…あ〜あ、用事がなけりゃ是が非でもお相手してほしかったのにな〜…運わりぃ…」

だからしつこいってばさ。ま、今のうちに逃げよっと。

「じゃ〜ね〜クザンさん、またいつか会いましょ〜」
だらしない顔で俺に手を振る青キジ。

次会うのは多分あそこだろーけどな。





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