小説『ONEPIECE世界を過去キャラと満喫』
作者:一匹犬()

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38話「ホホホ…私の道力は53000です」



〜カクside〜


…信じられん…目の前で繰り広げられているのは本当に人間同士の戦いなのか?
あいつのスピードはワシよりは遅い。…が、それは悪魔であいつが『本気』ではない時じゃ。
あの姿にならない時でさえワシは追い縋る事が出来んかった。…それを…


「指銃・黄蓮!」

ルッチの放つ無数の指銃が傾国を襲う。…しかし。

「黄蓮。」

まさか奴も同じ技を放ち全て打ち落とすとは思わんかった。

「……ちっ」

距離を取り…月歩で宙を舞う…いや、あのスピードでは剃刀じゃな。あのスピードでは剃刀でしかついていけんようじゃ。あれではヒット&ウェイも出来ん。

ビュンっ!

!ルッチのやつ…あの顔は全力を出しとるな…

「嵐脚・凱鳥!」

ルッチの脚から鳥の姿をした斬撃が放たれる。以前見た時は鉄をアッサリ切断しておった…

「凱鳥。」

!?なんじゃと!?

奴も脚から全く同じ技を放ちおった!…威力も互角…!

「…!嵐脚・線!」

ルッチはワシの技も使えるが…

「線。」

奴もまた同じ技を…

いや、あやつ…まさかさっきから…
…ルッチに合わせとるというのか!?
後の先だのに攻撃が追いつく…これの意味するのは…

「…っ!…貴様…さっきからふざけた事を…」

「ふざけてなんていませんて!マジで!ちょっとモノマネしてるだけやん。」

「…殺す!」

「お前はヒイロ・ユイか!殺す殺す言いやがって。」

傾国が一瞬でルッチの懐に潜りこんだ…あそこまで接近されたのは久しぶりに見るぞ!

「鉄塊………ぐっ!?」

!?フクロウやブルーノより5倍は固いルッチの鉄塊を突破しおった…さらに奴は!

「嵐脚・周断ち(あまねだち)!」

片手を地につけ奴自身は宙を回る。…すると恐ろしい程の斬撃が放たれた。
なんじゃあの威力は!?
パワーもルッチ級じゃと?

「!!…ぬぅ!」

とっさに剃刀でかわしたルッチ。


ザンっ!!



!大地が斬りとられよった!…いくらなんでもありえんぞ。
…斬りとられた大地は海の藻屑と消えていく。

「ありゃ調整失敗しちゃったよ…ん?何変な目で見てんだよ。お前なら使えるだろ、カク。」

確かにそうじゃが…身体能力が比べものにならん…何をどうしたらあんな肉体になるんじゃ。

「…貴様がどこで六式を体得したか…そんな事は今知っても意味はない。
立ちはだかるのならば…排除する。」

「だからドモンがヒイロ・ユイのモノマネするんじゃねぇってば!!」

だからヒイロ・ユイって誰じゃ?…しかしそれよりも…

ルッチの奴…能力を…いや、当然じゃろうな…

ルッチの姿がどんどん異形と化し肉体と…殺気が膨れ上がっていく。

傾国の仲間も坊主以外驚いておる……あの坊主、あやつも何者じゃ?

「動物系ネコネコの実・モデル『豹(レオパルド)』。
…今までの様に圧倒できると思わん事だ。アマクサ・シオリ。」

ルッチの体はざっと4メートルはある。生命帰還を使えばもっと伸縮自在だと言っておったが…
一度だけ手合わせした事があったがあの強さは異常じゃった。凶暴化するのか殺されそうになった…たった一度で心が折れてしもうたわ。

豹の獣人と化したルッチが傾国に襲い……

ドゴォ!!

!?ルッチのあの巨体を吹き飛ばすじゃと!?

「!…ぬ…指銃・火撥(ひばち)!」

後方に飛びすさりながら飛ぶ指銃・撥…しかも強化版の火を纏うのを放ち「火撥。」!?バカな!?何故あの技まで!?あの指銃はネコ科の鋭い爪になってからしか使えんはずなのに!

「…っ…嵐脚・豹尾!」

「!?お、お嬢様の技を!?」

ハア!?アレまで使いこなすのか!?

「豹尾!」

本当に撃ちおった!…二つの螺旋を描いた斬撃は相殺された。

「…!貴様…豹でもないのになぜ…」

「やってみたら出来ちゃった。テヘペロっはあと」

……なんじゃこのうっとおしい仕草は…

「実はさ…俺も動物系の能力者なんだよ。姿がアレなんで逆にスピードは落ちるんだが…パワーその他はだいたい2倍くらいアップするかな?」

2倍じゃと……!?奴の姿が…下半身が大蛇の様になりおった!

「貴様…その姿は…」

「詳細は言えねぇが…こりゃ人獣形態でな。真の姿もあるが、まぁお前との戦いじゃ必要ない。」

「!どこまでも…なめた真似を!」

ルッチが再び嵐脚・凱鳥を放った。しかしさっきの様に相殺される…?なんじゃ?傾国の構え…

「鉄塊・空木。」

!?またルッチの技を…

「!?くっ…」

跳ね返ってきた凱鳥をなんとかかわす…凱鳥が跳ね返る所なんて初めて見たぞ!

「んじゃ次はこっちだな…嵐脚・蛇々馬!」

奴のオリジナル技か!
胴体だか尻尾の部分がうねりそれから無数の斬撃が放たれルッチに迫る。

「ふざけおって!」


紙絵でかろうじて回避…

ブシュっ

かわせんか!…しかも獣形態での鉄塊をアッサリ貫通しおった…!

「……」

パワー、耐久力で傾国が上回る以上残る手は…

「生命帰還・紙絵武身…」

獣形態のルッチが縮んでいく。やはりこれしかないか…スピードで、手数で押し切るしかない…

「……全速!」

あれが奴の全力全速!あの姿を見た者はワシら以外生きておらんのだが…

ルッチのスピードについていけないのか微動だにせん…?

「指銃・斑!嵐脚・線!」

息をつかせぬ怒涛の連続攻撃。逃げる空間は隙間もない。

「紙絵・スキマ。」

!?奴が消えた…!?

!いや…おるか…目の錯覚か…?しかし…ルッチの全ての攻撃を避けおった…

いや、ルッチが傾国の懐に潜りこんでいた。!ここしかない!

「六式奥義…最大輪・六王銃(ろくおうがん)!!!」

ドンンン!!!

人知を超えた衝撃が傾国を襲った。

まさか最終奥義の最大輪を使うか!やはり戦術勘は凄まじいのう!

この技を受けて生き延びた者はおらん。…これならば……

直立不動のままピクリともせん…やったか。


「なぁ…」

!?動けるじゃと!?

「ホントは分かってんだろ…フクロウでさえ六式遊戯・手合いを使えんだ…アンタに使えないワケないよな…」

な、何を言っておる!?

ル…ルッチはなぜ黙って…

「1番最初に俺に触れた時に勝負の結果は想定できたろ…俺の道力は…いくらだった?」

「………」

?な、なぜ黙っておるのだ?まさかルッチを大きく…
ひょっとして…5000、いやまさか7000近くなんて事は…






「……53000だ。貴様の道力は…」


!?ハア!?そ、そんな無茶苦茶な数値…人間に出せるワケが…

ブルーノ、カリファも冗談の様に思っとる。

「おれは嘘をつかん…本当にその数値だ…」

単純に考えてルッチの10倍以上じゃと!?なんの冗談じゃ!?

「それを理解しててよく俺に挑めた…戦いに関する欲望は人並み外れてんな、俺だったら一瞬でヘタレてるわ〜
さて、これから…どうすっかな〜生かしとく理由もないし…死んどくか?



…それに俺は変身を後一回残している。この意味が分かるな?」

突如傾国から得体のしれない殺気が放たれた。

ビリっ…

いかん…我々はけして触れてはいかんものに触れてしもうたのか…?

「チャンスやるよ。全員で来い。一発でもクリーンヒット与えたら見逃してやるよ。俺も両手両脚使わないでやる。」

「…!!どこまでもなめおって!」

よくルッチは挑める…ワシはともかくブルーノ達は心が折れとる…

じゃが…お主一人逝かせはせんよ!

「生命帰還…乱れ髪。」

!傾国の髪が伸びそれぞれが我々に向かってきおった!

ドゴォ!

髪が軽々と大地を削る。

なんちゅう威力じゃ…

















「…殺せ…生き恥を晒す気はない。」

ルッチを含めた全員の力でも奴に全く届かなかった…

「そんなザマじゃ海軍大将一人になぶり殺しにされるな。…所詮は暗殺集団か…
お前らは絶対の正義を海軍に求めているが…いつか裏切られる日が来るぜ
…少なくともスパ……スパイス?スパンダム?長官?いや雑兵でいいかあんなカス。…カスだけでも始末した方がいいぜ。」

…スパンダム長官ェ…

「…貴様の目的は何なんだ…」

ルッチ…まだ折れていないのか…

「今はまだ言えねぇな。言ったら多分命捨てでも俺を殺しに来るだろうし。
ま、俺はお前らは嫌いじゃない…欲しいぐらいだ。」

「!?…戯れ事を…」

「んじゃ、そろそろここ出るわ…次会う時楽しみにしてるぜ〜」

といい、回復薬を4つ置いていった…







「……クソが!」

ルッチが回復薬を投げ割った!?

「ル、ルッチ…」

「敵の施しなど受けるぐらいなら死んだ方がマシだ。
…だがお前らは飲め。任務を失敗する訳にいかん。今回は特に、だ。」



そうじゃな…気合いが入ったわ。ワシらはまだまだ青かった…

これを機に…はい上がってみせるぞ!









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