56話「傾国のシオリ…見参」
〜七武海・海賊女帝ボア・ハンコックside〜
あぁ…ルフィ…そなたは今無事であろうか…どうやらインペルダウンで動いたのが発覚したらしいのじゃが…
あの薄暗い監獄に閉じ込められてしまったらと思うと胸が張り裂けそうじゃ…
兄の…………え〜と…火拳?のエース?とやらを救いたいという熱い、純真な心…
あぁ…ルフィこそ男の中の男とかいうモノなのじゃろうな。
ああっ!…出来る事ならば今すぐ手助けをしてさしあげたいのに…それすらも出来ぬとは…
「おいおい、どうしたよ?ボア・ハンコック。」
だらけた雰囲気の男…同じ七武海の…ドフラ…ミンゴ?が話し掛けてくるがどうでもいい事じゃ。
「そなたの様な下品な口を開く男に話す舌など持たぬ!」
「おーおー…嫌われたモンだぜ〜…あんま若くねぇんだからそうカリカリするなよ〜?
…じゃあおれぁそろそろ動かせてもらうぜ〜」
!全く…一つ言えば二つも三つも返してきおって…
…しかし…確かにわらわはルフィよりも…
ルフィは年上は好きなのであろうか?…もし嫌いだったら…生きていけぬ…
「来たか…白ひげ。」
隣の鷹の目のなんとやらがつぶやく。
…フム…あれが世界最強の海賊とな?…ずいぶん老いておるようじゃが…纏っている覇気は化け物じゃな。
まさか…あれほどの巨大な津波を起こすとは…恐ろしいものよ。ところでルフィは元気でいるであろうか…せめて無事と分かれば…
今、目の前には巨人族をも上回る巨体のオーズとやらが倒れ伏しておる…それにしても外界にはこんなにも巨大な生物がおるとはのう…つくづく世界の広さを感じる…
ルフィは心の広さが世界一じゃな。間違いない。
その巨大な男を無愛想な男くまとフラミンゴが痛め付け、鷹の目が斬撃で叩きのめしおった。
…大きいだけで覇気はカケラも使えぬとは…ただのデクの坊じゃったな。
わらわ以外の七武海…それぞれがかなりの実力者の様じゃな。
くまのあの衝撃波は厄介であろうし、フラミンゴの切断糸…生半可な見聞色の覇気では全く見切れないであろう。
鷹の目の斬撃もさすが世界一と言われているだけの事はある様じゃ…わらわの武装色では分が悪いのう…
まぁルフィ以外の男共なぞどうでもよい事じゃ。わらわはルフィが来るまで力と体力を温存せねば…いつでも力になれる様に…
…うん?何じゃ?騒がしい……!空から……軍艦が………あれは……
!ああっ!ルフィではないか!なぜあんな所から……!?あんな高い所から落ちたら…!?なんと、軍艦が半回転するとは…面妖な…
おおっ!無事に着地出来たようじゃ…良かった……ん?あの女は…なんじゃ!?なぜルフィにあんなに馴れ馴れしく……許せん!!!!
〜シオリside〜
なんとか船が着水し戦闘準備を整える………
おーおー…すげぇなここは…人多すぎだろ…これを全部筋書き通りに操れってか!?………無理!!
こりゃ成り行きに任すしかねーな。まず目標決めるかぁ…
最大目標は俺、俺の仲間、ルフィ、エースを死なせない。ま、当たり前だわな。
後は…奴の無力化と…奴の野望阻止、そんでPXの略奪だな。後はテキトーでいいだろ。
「エ〜〜スゥ〜〜!!助けに来たぞ〜!!」
気合い入りまくりのルフィ。
「!?ルフィ!…それにシオリまで!?一体なんで…」
…エース…お前は助けるぜ〜
「ぶわっはっはっはっ!まさかルフィに加担していたとはのう!アイツめ!やってくれおるわい!!」
あり?頭抱えてなかったっけ?…ま、ガープはガープだな。
「スモーカーさん!あれ…」
「ああ…麦わらに…あの女…!奴があんな大物だったとはな…あの時の屈辱晴らしてやるぞ!」
海楼石にくいなもどきか。何気に初めて見たよたしぎ!
「話題に事欠かん男だ…麦わら…そして、アマクサ・シオリ…ここで姿を現すか…」
静かに覇気を放つ鷹の目のミホーク。こわ。
「七武海新旧お揃いで…フッフッフッ…それに噂の大問題ルーキー麦わら………そしてアレが傾国か……ナマで見たらとんでもねぇなぁ…コイツぁ…」
不敵な笑みを浮かべるドフラ。
「えれぇの引き連れてんじゃないの〜…それにボインの姉ちゃん…いや、傾国のシオリ…おれのハートは傷ついてるよ〜
悪いけど痛い目あってもらわないとな〜」
あれま、怒らせてるか〜青キジ。
「こんなに早くまた会えるとはねぇ〜かかされた恥の返上…キッチリ倍にして返さないとね〜」
コイツはやる気出されるとマズイな〜おもに地球が。
「……ヤツがそうか……成る程…小癪な覇気を纏っとるのぉ…だが海軍を舐めた代償はちゃんと払ってもらわんとのぉ…」
……!!…………
おいおい大半が俺狙ってね?…ま、いいか。今はそれよりルフィのサポートだな…
「おいルフィ、必要のない戦いはすんなよ?出来るだけ無視しろ。
いちいち全部に付き合ってたらお前の体力じゃすぐガス欠になるからな。」
「お、おう!じゃ、直線上のヤツだけぶっ飛ばす!」
………ま、いいか
「イワさんは…七武海のくま。
ジンベエは臨機応変にルフィのフォロー頼む。
「分かったっチャブル!」「うむ!」
と、思ったらクロコがいない。いや何するかは知っとるけど。
クロコが白ひげに接近し、襲うが…ルフィが砂の一撃を弾かせる。
ルフィの体力温存のため俺が行っても良かったけどルフィと白ひげは会話させてやらねぇとな…で、ちょっとした後にそこに行く。
「足引っ張りやがったら承知しねぇぞ!ハナッタレ!!」
「おれはおれのやりてぇようにやる!エースはおれが助ける!」
「口に出した以上…引っ込めんなよルフィ………
…よぉちょっとぶりだな白ひげ。」
「?何でその呼び名だ?……まぁいいか…
…まさかこういう事になるとはなぁ…オメェは預言者かぁ?シオリよう…」
「さてな。…悪いがあんたまで助ける余裕はねぇけどすぐ死ぬなよ?」
「「「「!!??」」」」
俺の暴言にア然とする者達。
「グララララ…アホンダラ!心配させるほど弱っちゃいねぇよ…
オメェはまぁ…心配するだけ無駄か。しかしウッカリ気ぃ抜くなよ?」
「ああ、そこら辺はまぁ…大丈夫さ。」
ゲダツじゃないし。
「「「なんで白ひげと対等に話せてんの!!??」」」
「…………あの時…一体何してたんだよい!?」
とマルコ。そりゃ教えられん。
ルフィが白ひげにエースの処刑時間の事を伝え、戦場に戻っていく。というか何も考えずに直進してるだけだが。
「…俺も行くか。んじゃ白ひげ、タイミングが来たら『アレ』頼む。」
「グラララ…肝冷やすだろうな…海軍共。じゃ、あまりやりすぎんじゃねぇぞ!」
「そりゃ相手次第♪」
んで、俺も動きかなり先行する。まずは…どうす「待たぬか!そなた!!」
お!ハンコックだ。生で見るととんでもねぇスタイルしてんな…
「なんか用か?悪いが急い「黙れ!口を開くな!わらわのルフィに馴れ馴れしくしおって!許さぬぞ!!
…ルフィは絶対に渡さぬ!!」……」
アッレェ〜!?なんでブチ切れてんの?ルフィは渡さないって…まるで俺が取ったみたいに…
あ!そういや俺女だな。誘惑してる…様に見えるんだろうなぁ彼女にゃ…
「悪いが…あんたと遊んでるひまはねぇ。消えろ。つか、ルフィ助けんでええんか?」
「軽々しくあの方の名を口にするな売女めが!!」
「……ああ!?…何生意気な口きいてんだ?三十路色ボケ女さんよぉ…」
「ほぉ…死にたい様じゃな…小娘が…」
「あっるぇ〜図星つかれちゃった〜?」
「黙れ!芳香脚(パフューム・フェムル)!!」
ガキィ!!
色っぽい生足をむきだしての曲芸じみた動きで繰り出された蹴りが俺に直撃する。
「愚か者……何!?」
「その程度の覇気じゃ石化しねぇよ。ま、俺はお前を倒す訳にはいかんからな。トンズラするわ。」
全力ダッシュで姿をくらましハンコックを振り切る。
すると今度はルフィとイワさんの前にドフラとくまが立ち塞がってるとこに遭遇した。
「…お前らの知ってるくまとコイツは別人だぁ…」
「?何言ってんだ?鳥みたいなヤツ!」
「そんなわけナッシブル!間違いなくニキュニキュの実の能力者。
コイツはくまよ。返事をおし!くま!!」
「つい先日「つい先日ベガパンクが改造して人格を失ったんだよなぁ?」…テメェは傾国かぁ…フッフフッフフフ…いい度胸してんじゃあねぇか…」
「おーおー相変わらず怖い雰囲気出してるねぇ…
顔は笑ってても目は笑ってねぇって奴かぁ?…クークックックッ!!」
田中ボイスが逆に怖いよ。アバン先生と同じって信じられんな。
…そういや俺の口調ドフラに似てるな〜関西弁除くと。
「そういやぁ…ベラミーを掠め取ったんだったなぁ…仲々やってくれるじゃねぇか…」
「へっ!取られたくなかったらちゃんと首輪でもつけとくんだったなぁ!
…まぁ安心しろよ。もうすぐ会わせてやるよ♪」
「!とんでもねぇ笑顔だなぁ…こんな獣じみたヤツは久しぶりだぁ…せいぜい楽しませてくれよ?」
人の事言えんてあんたは…で、ドフラが指をクイッとする。
「……………」
「おっ…さすがに効かねぇか…厄介だなぁ…フッフッフッ…」
「2万本か…」
「!!?」
「2万本の無色透明超極細の糸を生み出してんな。
対象にくっつけて操ったり…束ねてトランポリンの様にしたり凄まじい切れ味の切断糸にも作り変えるか…
さしずめ『イトイト』の実ってかぁ?ここまで鍛え上げるにはとんでもない苦労があったろうなぁ…」
「…こりゃとんでもねぇなぁ…初見で見切られたのは初めてだぜぇ…」
「ま、今はあんたと遊んでるひまはねぇ。じゃあな!」
「けっ…食えねぇ野郎だぜぇ…」
一方のイワさんはくまと白熱してる様だ。
そしてルフィは更に前を目指す。…そこに立ちはだかるは、鷹の目のミホーク。
ルフィは逃げの一手を打つがミホークの射程からは逃げられない。
さっきもJET技を撃とうとしたが直感を感じたからか引っ込めた。
…そうだ。空気を読め。戦場にいる敵の呼吸…空気、それらを感じて見切る。それが見聞色の覇気だ。
「よぉー…ミホークさん〜久しぶりだなアクアセイバー!」
不意打ちで斬りかかる。俺は別に剣士じゃねぇからな正々堂々なんてクソ食らえだ。
「フッ…長らく姿を隠していた様だが…やっと本性を現したか?」
アッサリ黒刀・夜で受け止められる。さすがに使い捨てのアイスサーベルごときと一緒にできんわな。
「3000加圧…」
「!!むぅっ!?
……なんという圧力…初めて会った時とは別人だな…何があった?」
「あんたの後、革命家ドラゴンと巨兵海賊団船長二人とその二人を手こずらせる化け物と火拳のエースとあそこのクロコダイルと雷のロギアの神様と青キジとCP9の主要メンバーと英雄ガープとくまとオーズ(死体)と黄猿とマゼランと雨のシリュウとタイマンしただけだよ。
うち負けたのはドラゴンであと引き分けばっかだけどな。」
「……………それ以上の経験はなかろうな…予想をはるかに超える様だ…貴様の力…おそらく四皇に比肩しうるな…
その貴様が麦わらに肩入れするのには何か訳でもあるのか?」
「気に入っただけさ。奴には海賊王になってもらわにゃな。」
「…(能力や技じゃない。次々に味方を作る…この海においてあの少年…いや、あの男は最も恐るべき力を持っている…!)」
「久しぶりなんでゆっくりあんたと戦いたいが…んなひまはねぇんでな。あばよ〜〜とっつあん〜!」
「…逃が「お初に!鷹の目のミホーク!」…!花剣のビスタか…!」
○子の指示でシルクハットひげのおっちゃん…ビスタがミホークに斬りかかっていく。
…おっ…湾頭が騒がしいな…やっと来やがったか…
「「「!!??うわ〜バーソロミュー・くまがたくさん〜っ!?どういうこったぁ〜!?」」」
くまの姿をした人間兵器『パシフィスタ』がうじゃうじゃと湧いて出た。
おまけに金太郎野郎も登場。ベガパンクの護衛かパシフィスタの指揮どっちかに専念すりゃ良いのに……
アレらもPXシリーズとしたら20番台までありそーだな。
…さて鴨葱タイムPART2が来たし…『みんな』を呼ぶか…
リュックから電伝虫を出し…連絡を入れる。
『こちらマザーバンガード。お嬢様!ご無事で!?』
「おう。順調だ!そろそろ作戦を開始する!みんな気合い入れてけよ!」
『はっ!この体灰になるまでお供します!』
んな必要ないってば。
ガチャリ。
「カイザー…マーメイド!」
上空に向け巨大な人魚を解き放つ。
「「「!?なんだぁ〜!?人魚ぉっ!?」」」
敵味方のモブがわめく。
さて、しばらく時間潰すか。
「傾国のシオリ!よくも抜け抜けと顔を出したな!」
「オー…鴨…じゃなくて戦桃丸くん…そんなとこで油売ってていいのか?葱…パシフィスタの引率しなくていいのかい?」
黄猿の口調でおちょくる。
「ああ!?何言っ『神の裁き(エル・トール)!!!』なっ!?」
天から巨大な雷が落ちPXの一体をショートさせた。
「んなっ!?これはあの時の…」
「ヤハハハ…遅れてすまないなシオリ。みなも直に来る。」
天から優雅に舞い降りてくるのはエネル。
モブ達はいきなり発生した雷と急に現れた怪しい人間に戸惑っている。
「うわぁ〜!?空からでっかいなんかが飛んで来てるぅ〜!?」
さあさあ来ましたよ我が母船マザーバンガードが。