60話「伝説の海神リヴァイアサン降臨(前編)」
〜シオリside〜
みんなが好き勝手暴れてるのを横目で確認しつつ戦場を傍観してると白ひげがスクアードに刺された…『打ち合わせ』通りに。
分かってて刺されるのってキツイやろな…そこはやっぱ流石だわ。
…だが、まだ使うなよ?白ひげ…奴をおびき寄せるためにはな…
それはそうと、みんなの活躍が予想以上やな。
ワポルにいたってはあんなシロモノになるとは思わなんだわ。
ま、それはいいとして……さぁ〜てと…こっからが本番だな…包囲壁の展開か…
「イワさん、ウルフ頼む…で、タイミングが来たらウルフ返してくれ。」
「分かったっチャブルけど…また何か企んでるのかしら?」
「まぁな…こっからは電撃作戦だから…奴らに反撃させる時間すら与えねぇよ。」
もっともそこまで持っていくのが大変なんだが。
「お前ら!まだ前に進むなよ!下手したら死ぬからな!」
少々前線に出がちなみんなに向け叫ぶ。閉じ込められて流星火山ってえげつないわ〜アレでだいぶ被害出たもんな。
色々と打ち合わせしてる間に白ひげが巨人中将ジョン・ジャイアントをノックアウトした。
この人序盤から出ててエラソーに演説とかしてたからトップかと思ってたわ。
…っと。やっと包囲壁が展開されたな。赤犬も流星火山の準備中で両腕がボコボコし出したし、これから殲滅だ!ヒャッハー!しようとしたんだろうが…運が悪かったなぁ…
「我はシオリ…アマクサ・シオリ。無限の海の王者なり…」
正義の門を両断した時の様にアクアセイバーを形成する。
といってもかなり長さは押さえてるが。
「ぎゃ〜〜〜!?またその技カネ!?こんな所で使ったら大惨事になるガネ!!」
バギーと共に右往左往してる3。
そういや処刑台にいつ潜入するんや?…まぁ最悪いなくてもいいんだけど…
「オメェら!死にたくなかったらシオリの前に出るな!!」
白ひげが叫ぶ。
「死にたい奴だけかかってこんかい!!…伸びよ!アクアセイバァー!!」
2回目でかつ出力弱めな事もありわりかし制御は楽……よ〜し…
「薙ぎ払え!星ごと奴をっ!!!」
セリフとシチュが合ってねぇが斬艦刀関係のセリフはやっぱ言いたいのよ。
「ぬぅっ!?なっなんじゃ!?」
流石の赤犬も目の前の異常に気づくか……けど、遅いんだよなぁ〜悪いけど♪
巨大な水柱が鞭の様にしなり前面の包囲壁を両断した。
「「「ウワァァァァッッ!!??」」」
ありえない事態に混乱する海軍。
白ひげの振動パンチで破壊できんかったからちと不安だったが…なんとか斬れたな…
…ぱっと見死んだ奴はいねぇな…手足の一本や二本は持ってかれた奴はいるかもしれんが。
…そういや原作の頂上戦争の戦死者って白ひげとエースだけってマジか?
オーズジュニアや赤犬に焼かれたバズーカ隊長も生きてたのかよ。
「くっ…おんどれ…じゃが…」
慌てた赤犬が再び両腕をボコボコし出す。…さて急がんと…アクアセイバーを鞭状態にして氷塊を切断しまくる。
「流星火山!!」
包囲壁が半分死んでるのに健気に赤犬が無数のマグマの拳を打ち出してくる。
つくづく反則だよなぁコイツ…破壊力はグラグラ並だわ。
「アイス塊・両棘矛(ブロック・パルチザン)!!」
切り出した巨大な氷塊の群れを次々と蹴っ飛ばして流星火山にぶつける。…いや、全くパルチザンの形してないけどね。
「ハア!?おれの技の名前を勝手にパクるなよ!傾国のシオリ!……アイスBALL!」
血相変えて襲ってきた青キジが氷の奔流を解き放つ。
漫画じゃ一瞬で白ひげが凍ってたからイマイチよく分からん攻撃だったがこういう仕組みか…けど。
「遅い。」
全速を出すまでもなく回避。流石にカミュのフリージングコフィンみてぇな技食らうわけにはいかんからな…
それにこうしてる間にも赤犬が懲りずに流星火山第2射をしようとしてるし…氷塊はもう近くにないし…
「流星火山!!」
!そうだ!
スキだらけの青キジを捕まえる。
「うわっと!?離してちょうだいよ。傾国「悪いな青キジ!俺のために死んでくれ!!」…ハア!?」
「アイス塊・両棘矛Part2!!」
青キジを流星火山の真っ只中にぶん投げる。これ以上の氷はねえだろ。
「うわぁ〜!?ちょちょっと!?…アッアイス塊・暴雉嘴(ブロック・フェザントベック)!!」
一際巨大な火山弾や周りの火山弾を相殺する青キジ。残りを…
「カイザーマーメイド!ハンド!マーメイド!ハンド!」
本来より小さいのを連射して相殺した。
「!ぐ…ぬ…クザンめ!大将が敵に利用されおって!!」
流石に三連発はキツイ様でちょっとの間は流星火山は使えなさそうだな。
「みすみす敵に捕まりおって!やる気があるのか!?クザン!!」
「ちょっと勘弁してよ〜サカズキよ〜一回捕まったら同じ事言えんて!マジで!」
「まぁ…彼女の強さは常軌を逸してるからねぇ…あんまり責められないよ〜」
おおう…三大将が一カ所に集まってるよ。クソ、タイミングが違ったら一気に殲滅出来るんだが…まだその時じゃ……ん?
後方で巨大な水柱が立つ。その先端にいるのは…ルフィ…あのアホ!
「エネル!三大将と戦うぞ!ついて来てくれ!」
「ヤハハッ…いよいよか…腕が鳴るな。」
ホントに鳴っとるな。
一方のルフィは…
「あららら…とうとうここまで…お前にゃまだこのステージは早すぎるぞ〜」
「堂々としちょるのぉ…ドラゴンの息子ぉ…タマ取られてもええっちゅうんじゃな…!?」
まんまヤクザやなさすが文太。
「怖いねぇ〜この若さ…子供二人を思い出すよ〜」
ま、ま、まさかじ○んとほた○か!?
あろうことかたった一人で三大将の目の前に。改めて見ると無謀という言葉さえ可愛く見える暴挙やな。けど…
「なら…俺がお膳立てするまでさ…」
「「「傾国のシオリ!!」」」
三大将の殺気が突き刺さる。
「よくもわしの邪魔をしてくれたのぉ…覚悟せいや…」
「ちょっと待ちなよサカズキィ…わっしにやらせてもらわないとねぇ…
この前の屈辱晴らさないといけないし〜」
「おれが一番因縁があるんだわコレが。
悪いが下がっててちょうだいよお二人さん。」
「うっわ〜オッサン三人にモテても嬉しくねぇ〜…ま、お遊びはこのくらいにして…
エネル、お前はルフィと協力して青キジを。残りの二人は俺が遊んでやる。」
「分かった…麦わらのルフィ。やるぞ?」
「エネル……まっいいか!」
「!一人で…勝てると思っちょるんか!?……舐められたもんじゃ…」
すでにマグマ化してる赤犬。
「確かに君の力はスピード以外わっしを上回ってるがぁ…
その肝心のスピードが戦いのキモだよぉ…?」
ピカピカ点滅しだした黄猿。
一方…
「なんだぁ?アンタ…変わった格好してるねぇ〜…あっ!そういや傾国の船にいたなぁ〜」
「クザン、彼は雷のロギアだ〜スピードと雷に気をつけなよ〜」
「!雷とはなぁ〜とんでもないのが出てきたなぁ〜」
「ヤハハハ…少しは手こずらせてやるぞ?」
「!自分の力量をわきまえてるとは…やるねぇ〜。」
「ルフィ!これはめろ!」
ルフィに渡したのは…
「なんだぁ!?ボクシンググローブゥ!?」
マザーバンガードから取ってきたのをルフィに渡すとためらいなく装着した。
「何企んでるのか知らないけど…あんま大将をなめるなよ〜?モンキー・D・ルフィ!」
青キジが覇気を放つ。
「うっ!?…にゃろ!…ゴムゴムの…JET弾丸(ブレット)!!」
「!なかなか早いな!」
寸でで避けられお返しとばかりに氷を作り出す青キジ。…と、そこに…
「雷治金(グローム・パドリング)!」
エネルが槍に変化したのの様棒で青キジに迫る。
「!こりゃ厄介…アイス塊・両棘矛!!」
「ッハア!」
アッサリ砕かれるパルチザン。
「あららら〜熱を帯びた槍とは…なかなか厄介だなぁ…う〜ん…捕まえたらこっちのモンなんだけど…早いなぁ〜」
といいつつちょっとずつマジになってきてるな。
「私は武装色の覇気は未熟なのでな…捕まえられる訳にはいかんな。…では、もう一段階早く行くぞ?…ショットランサー!!!」
電流を帯びた槍の猛連撃が青キジを襲う。かなりの体術を駆使し何撃かはかわすがついにその内の一撃を食らう。さらに…
「ぐっ!?…まさか!海楼石か!?」
「ご名答。先端に配合してある。そして…油断していていいのかな?」
「ゴムゴムのぉ…JET銃乱打(ガトリング)!」
「ぐっ…これもかっ!?グローブの先端に!?」
何十発かはさすがに避けたが残りをさばききれず直撃し吹っ飛ぶ青キジ。
格闘戦闘主体のルフィにどうやって海楼石を持たすか…普通のメリケンサックとかじゃルフィ自身も弱くなる。
なら拳とグローブの先端が離れてるボクシンググローブならいけるんじゃね?という事で作ってみたんだが…成功の様だな…
まぁもっともこの程度で倒れてくれるほど甘くねぇが。
「やってくれるじゃないの〜」
青キジが地に手をつけ…させないんだよなぁルフィは。
「うおおっ〜!ゴムゴムのぉ…JET…」
身構える青キジ…だが。
「JETダッシュ!!」
「!?なっ…なにぃ!?」
技を繰り出してくるかと思ったら抱き着いてきたでござる。
「くっ…アイス…あららっ!?発動しないかぁ「6000万V…雷龍(ジャムブウル)!!!」
「ぐっ…!?しまっ」
海楼石でロギア化出来ない青キジがルフィごと龍に貫かれた。しかしルフィは…
「効かぁ〜ん!!」
「分かっとるわ!」
ルフィの叫びにエネルが突っ込む。しっかし…ルフィが捕まえてエネルが当てるって…うっわ〜最凶だなぁ〜
「ぐっ…おれがこうも…」
流石に効いてるな。こりゃしばらくは無理だろうな多分。
一方の俺はというと…
「大人しくしなよ〜」
自称光の重さのキックである天岩戸をくらい、吹っ飛ぶ……赤犬が。
「ぐぅぬっ!?なっなんじゃあ!?ボルサリーノぉ!!」
当然たいしたダメージはなさそうだな。
「おーとっとぉ〜!?貫いたはずなのに…いや…これは…無拍子とやらかい〜!?」
「無拍子…応用技…水分身。」
水で作り出した俺の分身に武装色の覇気を混ぜたもの。
光の早さで覇気を誰よりも感じてしまう黄猿は条件反射的に反応しちまうだろうなぁ…んで黄猿と赤犬の同士討ちを狙った。そんで…
「正直なぁ…お前らの攻撃じゃダメージ食らわないんだわ…本気出しゃ。
アンタと戦った時は半分ぐらいしか出さんかったなスピード以外は。」
「!えぇっ!?本当かい〜?冗談キツイねぇ〜」
笑ってるが冷や汗出てるぞ。二人はドラゴンよりは弱い。
これは間違いない。当時の俺だったらこうも翻弄出来んからな。
「傾国ぅ…おんどれぁ…ますます危険じゃのぉ…」
赤犬の左腕がマグマ化する。
「冥狗(めいごう)!!」
白ひげの左顔面をも木っ端みじんにした、マグマの全エネルギーを集中させたえげつねぇ必殺の一撃が俺に迫る…が。
「だから遅いんだよ。」
黄猿の背後に回りこむ。
「!おーとっとぉっ!!?」
慌ててかわす黄猿。
「…こりゃいかんねぇ〜二人がかりだと逆効果だよ〜しかし…君…本当に人間かい〜?」
「違う。」
「「!!??」」
いや違わないけどね。けど疑心暗鬼に陥ってもらうぜ。
「そろそろ俺の正体…見せてやるか…
エネル、ルフィを連れて後方へ。その後タイミング合わせて『あの作戦』だ。」
「うむ!行くぞ、麦わらのルフィ!」
「!?おいっ!シオリを一人にするのか!?」
「…シオリは…負けぬよ。誰にもな。」
「正体じゃあ!?…何の事を言っとるんじゃあ!…ボルサリーノ!おのれは知っとるのかぁ?」
「いやぁ…なんとなくだけどねぇ…」
「人魚じゃないってのかよ…」
青キジも復活したか。
「青キジと黄猿に言った『人魚人間』…ありゃ嘘なんだわ。」
と言って人獣形態に。
「!こりゃあ人魚じゃないけん!…海蛇じゃ!!」
「「!!??」」
「じゃあ…目ん玉見開いてよおく見やがれ…」
精神集中…………………
ググググググ……
体がどんどん巨大化していく。人の姿の面影はなく完全に海蛇の様な姿に…
蛇のように鎌首をもたげた高さはリトルオーズジュニア並の50メートルほどに、全長に至っては100メートルを優に越す巨体になった。
「「「うわあああああああっっ〜〜〜〜!!??」」」
海軍海賊関係なくインペル脱出組と俺の仲間以外がびっくり仰天する。中にはひざまずき天を拝む者までいる。
「そんな馬鹿な!?ま、まさかあの姿はっ!?」
なにやらセンゴクがパニックになってる。自分だって巨大化出来るくせに。
…ま、いいか。さぁ〜て…いっちょ華々しくやってやるか!
「我は…リヴァイアサン…ありとあらゆる海を統べる者なり…」