79話「魚人島の乱〜麦わらの一味参戦〜」
〜少し前、海の森〜
〜シオリside〜
「さて、ちょっと私は別行動してくる。」
「えっ!?シオリ、お前も一緒に行くんじゃねぇのか?」
ルフィが残念そうに聞いてくる。悪いな…ちょっととある手を打ちに行くんでな。
「ちょっとタイミングがズレるがどっちみち広場に行くから安心しろ。
それまでに…そうだな…軽く10万は削っておけよ?」
「上等だ。何万人でも倒してやる。」
さらに獣みたいな殺気を出してるな…ゾロ。
「任せてくださ〜〜いシオリさ〜〜ん♪貴女のためなら…何万でも何億でも怖くないです!」
…コイツほど扱うのが簡単なイキモノもいないだろうな…コイツから『女好き』を取ったらどうなるんだろう…ドキドキ♪
「アーロン、もし水中戦になったらルフィのサポート頼む。」
「ウス!マグマの真っ只中でも極寒の地でもどこでも大丈夫ですぜ!
…麦わらと連携かぁ…昔じゃ考えられねぇな…」
「そりゃおれもだよ。ナミが許したんだ。もう昔の事は終わり!」
「………分かった。なら、アッと驚かせてやるぜ?おれの頼もしさをよ…シャハハハ!!」
「お前だっておれの修業見てねぇんだろ?ビックリしすぎて腰抜かすなよ!シシシ!!」
…なんか感慨深いなぁ…この光景を見れたのは本当に感無量だ…さて、そろそろ切り替えるか…
「あ、しらほしちょっと耳貸せ。」
「どうしたんですか?お姉さま。」
とある事を伝える。
「分かりました。なんとか訓練通りに指揮してみせます!」
「ヨルムンガンドとオケアノスを呼んでるからな。気合い入れろよ?」
「はい!まかせてください!」
あ…1番大事な事忘れてた…
標的に気づかれない様に近づく。気配は殺してるのでルフィ達程度の見聞色じゃ気づけない。そして…抱きぃっ!!
「!?うわああああ!?なんだぁ〜!?ってまたか〜!?」
いきなり私に抱き着かれたチョッパーが二年振りに嬉しい悲鳴をあげてくれる。
「ああもう大好きだっ!愛してるぞ!チョッパーたん!」
モフモフモフモフクンカクンカクンカクンカ………
「テメェ二度ならず三度までも!テメェのどこが良いんだぁ〜〜!!?」
なんか聞こえるが無視無視。しかし『アイツ』…いや『俺』と意識が統合されてからはより一層少女趣味になってるな…『俺』の時は女の子とイチャイチャしてばっかりだし。
…こうして十分チョッパーを堪能した私を尻目にルフィ達としらほしはサニーで、エネル達は水陸両用潜水艦のヘルズべアーマシン1号ことベアー号で広場に急行した。
〜現在、ギョンコルド広場〜
で、現在私は広場に普通に佇んでいる。自分の闘気を消し自然と一体化し他人から認識されずに存在する…これが出来るのは私やワノ国の忍者だけだろうな。
戦局はちょうどアーロンに変身していたボンちゃんが正体を現した所でルフィ達が姿を現し、ホーディ達とやり取りしている。
その一方ではすでにバサラ達が大暴れし、ザッと……5万人は倒してるな。
「ちょ、ちょっと!あの黒い狼男って何!?」
さすがにあのバサラには驚いてるな。完全にジャブラの上位互換だからな。おかげですねてたが。
ファラオやシロウもいともたやすく敵の群れをなぎ払ってる。
「なんだぁ!?あのスーパーイカしてるマシン達は!?」
フランキーがイーグル号とかを見て仰天してる……クックックッ…アンタのフランキー将軍を参考にして作り出したからな〜後で驚かせてやるぞ?
「タイタスウェイヴ!」
別の所ではファラオが大地を鳴動させ無数の敵に衝撃波を浴びせる。
「あのガイコツ野郎…あそこまで…」
「ヨホホホホ〜!?ひょっとしてご同胞ですかぁ〜!?」
違う違う。ま、後で会わせてやるか。
「いや…ガイコツよりも…あのアマクサもどき…強ぇ…」
シロウを見て険しい表情のゾロ。もどきって…ま、とにかくシロウは希代の天才だからな。
「すげぇな〜みんなシオリの仲間か〜おれらも負けてられねぇな!
…けど、数が多すぎるな〜ちょっと減らしとくか…本気出したらヤバいから半分ぐらいで…」
ドンッ!!!
バタバタと無数の敵が倒れていく。うん、そこそこ様になってるな。
「「「ギャアアア〜!?なんだぁ!?いきなり3万人以上もぶっ倒れやがった!?」」」
ザコばかりだからだよ。
「ルフィは覇王色を使えんのか…」
「シオリさんは20万人沈められるって言ってたがマジそうだな…」
「あれがホーディってヤツかゾロ?」
「ああ…ん?いや…なんか様子が違ってやがるな…黒髪でデブだったのに白髪になってヤケにガタイが良くなってる…」
…エネルギーステロイドねぇ〜…あの副作用がアレで治るかどうか実験してみるか…治るんなら…説得してみるか。
「アイツはおれがやる。それ以外頼む。」
「了解だ。アマクサに言われた様に醜態さらすんじゃねぇぞ?」
「ああ!……………お前がホーディか?」
「貴様が麦わらのルフィか!懸賞金4億5000万とは思えねぇマヌケ面だな…
だが殺してやる事に変わりはねぇ。傾世の幹部連共と仲良くしやがって…忌ま忌ましい…
それに…ジンベエに…アーロン!貴様らフヌケ野郎共も皆殺しにしてこのおれがこの島の王になってやる!そして世界中の人間共を奴隷にしてやる!
そうすれば我々魚人族に逆らう下等生物共はいなくなるはずだ!このおれこそが海賊王にふさわしい!ジャハハハハ!!」
「お前は黙れ……お前がどこで王になろうがな…そんなことは知ったこっちゃねぇ!『海賊』の王者は一人で十分だ!全員束になってかかってこい!!」
「!身の程知らずが!…やれ!!」
「「「おおお〜〜!!!」」」
1000人ほどがルフィに突っ込んでいく…が、頭が悪すぎる。
「ゴムゴムの…巨人の暴風雨(ギガント・ストーム)!!!」
通常の暴風雨の様に風船→宙に舞うコンボを放ちそこでギア3を発動…
真下の敵の群れに対して巨大化した腕の猛連打をぶっ放す。一撃一撃がギガントピストル並の破壊力だ。この技で1000人全員ぶっ飛ばした。
これもルフィにとっては必殺技ですらないんだよなぁ。その後一味も出陣していく。
「ぐ、ぬ……」
動揺を隠せないホーディだがとある人物を見つける。
「こ、この広場の真ん中まで…しらほしを連れてくるとは愚か者が!!」
ホーディがしらほしに向けて撃水を放つが…
「えい!てっかい!!」
ゴオオオンッッ!!
1ミリの傷を与える事も出来ない。
「な…なんだ!?そ、その技は…な、なぜ傷一つつかない!?」
「しらほしちゃんすげぇぜ!!」
鼻血が吹き出すサンジ。
しらほしには指銃と鉄塊だけを徹底的に仕込んだからな。人魚じゃ剃、月歩、嵐脚は無理あるし。
…ま、この場にはしらほしの命を取れるヤツはいない。
「残りだいたい12万か…おれは3万人斬りでもするか…」
「ならおれは4万人蹴り倒してやるぜマリモ!」
「ほー…がんばれよMr.鼻血。」
「ああっ!?……じゃあ勝負だ!」
「フン…力の差を見せてやるよ。」
…この二人はケンカしないと気が済まんのか?
ちなみにウソップ達は『アレ』に乗り込んでるのか姿が見えない。
「一番槍はルフィに譲っちまったが…関係ねぇ。邪魔するヤツは神でも悪魔でもたたっ斬る!…三刀流…黒縄・大龍巻!!」
龍巻が進化した技だったか。斬れる斬撃が竜巻になり敵群を飲み込み斬り刻む。
「はい〜まずは500人〜」
「ちっ!調子に乗りやがってマリモめ!ならこっちも…悪魔風脚…『焼鉄鍋』『スペクトル』!!!」
原作のよりも数段手数…足数か?が増えた蹴撃が数百人を蹴り飛ばし、更に燃える蹴撃波があちこちに飛び火してさらに数百人に大火傷を負わす。
…この二人は心配するだけ馬鹿を見るな。
他は…ロビンも巨大化した足でザコを蹴散らしてる…ロビンは筋力を高めて武装色の覇気覚えたら一気に化けると思うんだがな…まぁクロみたいに『分身』できるからそこそこはやれるか。
一方でフランキーやチョッパー達も合体メカになるマシンを駆っている。
「ち…クラーケン!クラーケンはどこだぁ!?」
「頭〜どこにもいないドスン!」
「!?ちっ…役立たずがぁ!」
クックックッ…後で驚かせてやるよ。
…とよそ見してるとフランキー達の方で動きがあった。おっ!合体イベントか!2機のメカが巨大なロボットになった。全長10メートルあるかないかぐらいか。『ウチの』よりは小さいな。
「ほぅ…けっこうやるじゃないか。」
すでに一人で2万人倒してるバサラが感心してる。
「ムヒョヒョヒョ〜まさかあやつらも巨大ロボットを持っていたとはのう!」
あんまり大声で言うなって。ビックリさせたいんだから。
「あれがロロノア・ゾロか…ちょっと興味が沸きますね…邪道の剣術…味わってみようかな?」
今は止めてくれって…言う事聞かなそうだなシロウ。
「まーはっはっはっ!!頃合いだなぁ者共!我々も合体するぞぉっ!!」
ヘルズベアーマシン1号機であるベアー号のメインパイロットのワポルが叫ぶ。
「!よし…集結するか!」
サーキース達が操る2号機のイーグル号も。
「あ〜〜〜つ〜〜〜「さっさと集結するよ!さっ!しゅっ!」ま〜〜〜」
3号機のジャガー号を操るMr.4ペアも。
「へっ腕が鳴るぜ!」
4号機のドラゴン号を操るMr.5ペアも。
「おっしゃー久々の合体だぜ〜」
5号機のライガー号を操るパール達も他のマシンの所へ集まりだす。
ククク…いよいよか…私の夢を実現させた究極のマシン…もうすぐアッと驚かせてやるぞ〜
一方で辺りを見回すと…チョッパーはでかいハンマーを持ったシュモクザメの魚人の…確かドスン、ブルックはシマシマ模様の姿の魚人…ゼオ?、ウソップはチビの魚人(ダルマ)、フランキー将軍はイカの魚人、ロビンはハモの魚人と相対していた。ゾロはヒョウゾウ…と行きたい所だが…
「お前…なんのつもりだ?」
ゾロが割り込んできたハチに問う。
「ニュ!ヒョウゾウはおれが倒すニュ!」
「…ウィ〜…みにょひょほほひへほはひ〜(身の程を知れよ〜ハチ〜)
ひょひゃひぇひゃひょへひはへふふぁひぇひゃひひゃひょ〜(お前がおれに勝てるわけ無いだろ〜)」
「エネルギーステロイド…今のうちに飲んでおけニュ。負けた時の言い訳にされたくないからニュ!」
「!?…ヒック…ひひひょひょうひゃへぇひゃ〜(良い度胸じゃねぇか〜)」
「「……相手がいねぇ…」」
バサラはドスン?に似た魚人(シードン)と。
ファラオは巨大なアレは…カツオノエボシか?それに乗った人魚と。
クリークは巨大な魚人…ビッグパンと同じ魚巨人(ウォータン)らしき魚人と相対している。
その結果省られたゾロとサンジ。いやエネルも暇そうだけどね。
「そこの人…確か『海賊狩り』のゾロさんですよね?」
「ああっ!?…アマクサァ!?」
シロウを見て仰天するゾロ。
「いや…男か…何の用だ?」
「ハッキリ言ってこの程度の敵ならギンさんやアヤだけでも十分なんで退屈なんです…そこで手合わせ願いませんか?
一度邪道の剣術と戦ってみたくて。」
こらこらケンカ売ってると思われるぞ。
「!?邪道だぁ!?何寝ぼけた事言ってんだ!?」
「あなたは信念が三つあるんですか?」
「?ハア?何訳の分からん事を…いきなりどうした?」
「武器はおのれの信念、魂を示すもの…二つ以上武器を持つだなんて…冒涜してるとしか思えない。」
「…そんな考えは思ってもみなかったな………だがこの三刀流だっておれの全てを賭けてんだよ。誰にも否定されるいわれはねぇ。否定したいんなら…力ずくでしてみろや。」
ゾロが手ぬぐいを頭に巻く。本気モードだな。
「あなたの信念…確かめさせてもらいましょう。」
ゾロでも勝てるかな〜?ワノ国最強の侍に…
「クスクスクス…ザコばかりだなぁ…テキトーに遊んでやるかぁ…お前はまだ控えてろよ?」
やる気なさ気なギン次郎が私に話し掛けた後フラっと敵の群れに歩き出した。
…死人が出なきゃいいが…ま、その程度でくたばるんなら兵力に組み込む価値はないか…
とにかく戦争は始まったな。私もそろそろアイツらを召喚しておくか。