小説『とある零位の全を操る者(エネミー・デイズ)』
作者:()

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アレイスターは荒神から、リドヴィアを受け取った後、必要悪の教会に送った。

荒神は一度小萌先生の所に戻った。

戻ると、小萌先生と姫神が、一緒に飲み物を飲んでいた。

だが、姫神の方は全く口を付けていない。

「姫神!!どうした?ションボリして」

流石に中を浮く所を見られるのは不味いため、地上から走ってきた様に見せて話をかけた。

「なんでもない」

その言葉に荒神はムッとなり、バレないように能力を使う事にし、姫神の頭に手を載せた。

「・・・・・・!?」

「少し黙ってろ」

始めは同様したが、すぐ落ち着いた。

そして、姫神の脳の中を誘った所、

(成程な、姫神は上条のことが・・・・・・)

「もういい?」

「お、おお、すまん」

急いで頭から手を退け謝った。

此処で荒神は再確認した。

幻想殺しのせいで不幸ではあるが、結構モテる。

「いい考えが有るが」

荒神が声を出すと、二人は振り向いた。

「今日のナイトパレードに上条を誘ってみるのはどうだ?」

ゆっくり姫神に近づき、身の前に来ると、肩に手を置き、言ってみる。

すると姫神は無言のまま、元向いていた方向を向き、

「無理だよ。上条君にそんなこと言ったって、戸惑われるだけだよ・・・・・・」

「当たって砕けろ。って言技があるだろ?一生に一度ぐらい、やってみろ!!」

再び肩に手を置いた。

だが、反応は無かった。

数分し、小萌先生、姫神、荒神の順番で、道を歩いていると、小萌先生が誰かにぶつかった。

小萌先生は後ろの姫神にぶつかり、姫神の持っていた飲み物が胸もとに掛かった。

体操服は濡れ、透けてブラが見えていた。

「ごめんなさい」

女の声だった。

荒神はぶつかった人を見ると、見覚えのある顔だった。

服装は変わっていたが、間違いない。

オリアナ。

ステイルから教えられている名前。

この女がオリアナと言う名前かは知らないが、ステイルからの話で見た写真の女だった。

「・・・・・・おい」

「!?」

荒神がオリアナに声を掛ける寸前、動きが有った。

アリアナは姫神の胸もとを見ていた。

姫神の胸には、十字架の首飾りが透けた体操服腰で見えた。

どうやら、その首飾りを付けている者は、インデックスクラスの魔術師とみなされるらしい。

オリアナは何かを取り出し、それに着いた紙を口で契った。

「・・・・・・ッうぐ!!」

姫神に異変が有った。

だが荒神はオリアナから目を逸らさなかった。

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

数瞬で姫神の全身から血が吹き出た。

オリアナはその姿を見ると同時に動いた。

だが、オリアナが動くよりも早く荒神の頭脳が動いていた。

「歪め」

荒神が呟くとオリアナの立っている場所から2m半径のコンクリートが凹んだ。

「・・・・・・クッ!!」

オリアナは必死で藻掻くがそこからは、逃れる事は出来なかった。

「お前はもう終わりだ。使徒十字(クローチェディビエトロ)は回収した」

その言葉を聞き、オリアナの動きは止まった。

一方、荒神の口は動き続けた。

「幸せって何だ?皆がニコニコしてりゃ幸せなのか?ちげーよ!!本当の笑顔ってのは、心から信頼出来る友と楽しく過ごす日々を幸せって言うんだ!!」

そこに、上条とステイルが来た。

「荒神!!姫神!!」

上条の声がすると、荒神は瞳だけを上条の方にやり、

「一度じっくりと頭冷やして、考えろ」

そう告げると、一度ステイルに人払いを頼み、回りの人々を立ち退けた。

小萌先生だけは効かなかったが・・・・・・。

「小萌先生、一旦休んでください」

「・・・・・・、」

荒神の言葉には反応が無かった。

(済みません。一旦寝てください)

荒神が命じると、小萌先生は気絶した。

「救急車は呼んでる様だが、一先ず輸血はしておく」

荒神は吹き出た血に触れ、

「液体化」

そう命じると乾燥した血が液体化し、その血を慎重に輸血した。

そして数分すると、救急者が来た。

病室で上条と姫神はナイトパレードを楽しんだ。

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