「垣根、少しで良いから援護して!!」
さっきは、下がっている用に言われたが、状況が変わった今、戦闘可能は垣根一人、数分で良い、手伝ってくれ、と。
垣根は黙り、首を縦に振る。
六枚の羽が再び出る。
だが、荒神に動きは無い。
(偽のお兄ちゃんは何を考えているの?)
一方の垣根は荒神に近づいた。
数瞬で。
「うぉおおおおおおおおおおお!!」
荒神の顔面を羽で殴った。
だが、センチ?いや、ミリでさえ動かなかった。
「・・・・・・ック!?」
攻撃をしたにも拘らず、動きは無い。
永奈はどうにか、荒神を止める事が出来るか、脳を探っている。
数秒して、永奈の頬に一滴の汗が流れる。
「体力の限界が来るまで・・・・・・」
荒神の体力はどれほどの物か、分かる訳が無い。
グゥオ!!と轟音が聞こえた。
荒神の居る方から聞こえた。
異変が有った。
羽。
荒神の背中に有ったはずの羽が消えた。
理由は解らない。
だが、天使化は終わったのだろう。
何も出来なかった。
役に立たなかった。
その言葉が永奈を襲う。
誰も口を動かしていない。他人の声が聞こえる様に・・・・・・
その一方荒神は前に倒れた、が。
垣根が抱きかかえた。
彼の頭には、謝罪の気持ちでいっぱいだ。
その後のことは、三人は病院に搬送された。
麦野は顔の骨に損傷、垣根は骨折を体の至る所に、そして荒神は背中に大きな穴が開いた。
恐らく、羽が出たときの、副作用だと考えられる。
通常なら出来るはずがないが、出来ていた。
永奈の心はズタズタだった。
面会にも行かずに、ベットで只管泣いていた。
――――後書き――――
今回の話は疲れました。
何通りか考えたんですが、今書いたのがいいかと思いました。
最後は短いですが、ご了承ください。
次回もお願いします。