小説『とある零位の全を操る者(エネミー・デイズ)』
作者:()

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「情けねーな、俺って」


荒神と永奈は、二人で病室に居た。


「症がないよ」


ポツリと聞こえないぐらいの大きさで言った。


だが、その言葉は荒神の耳に入っていた。


「状況は分かってたけど、まさか天使化までするとは思わなかった」


今思えば、アレは天使と読んで良いのか解らない。


何かと言えば、堕天使だった。


「傷はもう癒えたけど、まだ安静にしておかなくちゃ行けないって、カエル先生が言ってた」


「・・・・・・そうだな」


その後、永奈は家に帰り、荒神は寝た。


数日後、外の方が騒がしかった。


その騒がしい日が、荒神の退院日だった。


「寄与付けるように」


冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)は荒神を出口で見送った。


「アンタもな」


荒神が外にでて数秒だった。


異変に気づいた。


「静かだ。静かすぎる」


一旦上空に浮かび、確認することにした。


「!?」


一箇所だけ、変な場所が有った。


大きな青い翼が空まで伸びていた。


その招待が何なのか、直ぐに気づいた。


『ヒューズ=カザキリ』


そして、学園都市の凡ゆる場所で人々が倒れている。


その状況を見た荒神は直ぐに、ポケットの携帯を取り出し、永奈に電話を掛けた。












自宅


ピロロロロ!!とチャクメロの音が、家に鳴り響いている。


「・・・・・・」


永奈は気絶している。








「クソッ!!」


荒神の眼つきが変わった。


この状況を作った者の抹殺を頭の中で思い浮かべた。


そう考えた直後だった。


ドカン!!と爆発音が、荒神の浮かんでいる場所の真下で爆発が起きた。


良く見てみると、爆発で出来た煙から、一人の女性が出てくるのが見えた。


そいつの姿は、絶対と言って良いぐらいの確証持たせた、魔術師の姿だった。


「アイツか!!」


急降下し、女の後を追いかける。


荒神の後ろには、上条が居た。


「荒神!!」


上条の声で、荒神は上条の存在に気づく。


荒神は一旦止まり上条に近づいた。


「あの女を知っているか?」


急いで追いかけてきた上条が、荒神に聞く。


「いや。だが、アイツはこの状況を生み出した者に間違いないだろう」


「奴の名は前方のヴェント。そう言っていた」


今までの事を上条は荒神に話した。


「そうか。で、お前は付いて来るか?」


荒神は訪ねた。


「俺は、他にやる事が在る。済まないが、先に行ってくれ!!」


そう言われ、荒神は黙って首を縦に振り、直ぐにヴェントの後を追いかけた。























『ヒューズ=カザキリ』の居る場所


そこには、ヴェントが居た。


「ヴェント!!」


荒神は吠えた。


此処に来るまでに貯めていた怒りを一辺に吐き出した様に、だ。


「あらあら、何で私の名前を知ってるのかなぁー?」


ヴェントは口から、舌を出すと、舌に付いたチェーンがザラッ!!と出てきた。


一回深呼吸し、冷静になると、一瞬でヴェントの目の前に立った。


「・・・・・・ッ!!!!!?」


そして、右手を後ろに振りかぶり、そのまま手の平を開いたまま、ヴェントの頭を掴み、地面に叩き着ける。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


ヴェントが地面に叩きつけられると同時に、手に持っていたハンマーが離れた。


「・・・・・・ぐはぁっ!!」


ドヴァ!!という轟音が鳴り響いた。


その音が鳴る元となったのは、ヴェントのハンマーだった。


荒神の右足がヴェントのハンマーを踏み潰すと、地面に食い込んだハンマーが5cmの深さで木っ端微塵に吹き飛
んだ。


ハンマーを壊した後、風斬の近くにより、自動的に発動された、天使の力を止めた。


そして、風斬を元に戻した後、ヴェントの元に向かい、ヴェントの服の胸ぐらを掴み、振りかぶった。


振りかぶった腕を前に思いっきり振ると同時に、ヴェントの服を離した。


今の行動の狙いは、ヴェントを学園都市から外に出すことだ。


そして、上手く学園都市の外に落下した。

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