小説『とある零位の全を操る者(エネミー・デイズ)』
作者:()

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次の日、窓の無いビル。




「アレイスター!!あの、インデックスとか言うガキは一体何者なんだ!!」


荒神が壁を通り越してアレイスターに言った。


「騒がしいぞ荒神」


「質問に答えろ!!魔術師も増えてるしよ!!」


「必要悪の教会のことか。奴らは禁書目録の番人みたいなものだ」


「テキトウにごまかすんじゃねえぞ!!」


「ごまかす?君にごまかす事をすると思うかい?」


考えてみれば、そうだ。


頭に血が上って何も考えていなかった荒神は下唇を軽く噛んだ。


「・・・・・・クソが!!...番人?」


「赤い髪の奴はいたか?」


「あ、ああ」


「禁書目録の今のパートナーは上条当麻だが、前のパートナーは赤髪のステイル=マグヌス。ついでに、
その前のパートナーは、・・・・・・アウレオルス=イザード」


「アウレオルス?」


聞いた感じ、男の名前だ。


だが、荒神の知っている男の魔術師はステイルだけである。


「アウレオルスは、今この学園都市の三沢塾と言う高校に、身を隠している。だがアウレオルスも、終わりだな」


「は?」


「今、三沢塾に上条とステイルが向かっている。コレからも付き合うことだろう。行くといい」


「それなら、奴の能力『魔術』の内容を教えてくれ」


「黄金練成(アルス=マグナ)言葉に発したことを、現実にする事だ」


その後も、少々説明もあった。


そして三沢塾に荒神は向かった。











三沢塾エントランスホール。


そこには、原作と同じ様に死体が落ちていた。


「やはり、此処はアウレオルスが...誰だ!!」


荒神の後ろから人の気配がした。


だがそれは、上条とステイルだった。


「君こそ誰だい?」


ステイルが当たり前の様に言った。


荒神はインデックスのとの一件でステイルと神裂の記憶を消したのだから。


神裂は長い刀を持った女のことだ。


神裂の事もアレイスターから聞いた。


ちなみに、アレイスターから出ていた命令の一つの、荒神に関する記憶を消すことは、さっきやらなくて良くなっ
た。


「荒神!!」


上条がステイルを避け、荒神に近づいて来た。


病室に行った時に、荒神は自分の名前を名乗っていた。


「お前らの、援護をしに来た」


「「!?」」


「アウレオルスの事だろ」


「怪しいな。君、本当に援護をしに来たのかい?」


「クフフフ!!」


荒神はステイルを見下す様に笑った。


「二人に嘘を付く理由がない」


「そおだね。じゃあ早速アウレオルスの所に行くとするか」


ステイルは原作どうりに、アウレオルスの居場所を特定できていた。


「場所を掴んでいたのか!?」


「それなら、早く行くぞ」


そして原作どうりの、デカい窓の有る部屋。


「お前が、アウレオルスか」


「!?」


少し驚けな顔をしたアウレオルスだが、すぐに真剣な顔に戻った。


「姫神!!」


上条がアウレオルスの近くに居る少女に声を掛ける。


「インデックス!!」


そして机の上で寝ているインデックスの名も呼んだ。


「君に彼女(インデックス)を助ける事は出来ないよ」


「なんだと?」


アウレオルスはステイルの言葉に動揺した。


「此処に居る、今のパートナー、上条当麻の右手によって、記憶を失わせなくてもイイようにね。そうだろ!!」


「嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!嘘だぁぁぁぁぁぁぁああ!!」


とアウレオルスは唸り三人を睨んだ。


「クフフフ、クハハハハハハハハハ!!倒れ癖!!侵入者共!!」


すると三人は床に押し付けられる様に倒れた。


「うぉ!!スゲー。これが黄金練成か。だが」


荒神が何事も無かったかの様に、立ち上がる。


「どれぐらい、すごいのか知りたかったけど。大した事ないな」


「なんだと!?」


アウレオルスはポケットから鉄の針を取り出した。


「溶けろ」


荒神か言うと針が溶け出した。


「なんだ!?」


「固まれ」


そしてアウレオルスの手の平で固まった。


だがアウレオルスはまだ落ち着いていた。


左手で針を取り出し、首に射した。


「銃をこの手に!!玉は魔弾!!用途は射出!!数は五つ!!人の動体視力を超える速度にて、射出せよ!!」


そしてアウレオルスは引き金を引いた。


「時よ止まれ!!」


滅多に時の操作をしない荒神は、時を止め、アウレオルスの背後に移動した。


「そして時よ戻れ!!」


銃の玉はもちろん当たらなかった。


アウレオルスは何処に行ったか分からず、後ろに振り返ると、荒神が居た。


「なに!?」


「終わりだ」


荒神は本気の1/10の力でアウレオルスの顔を殴った。

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